鎌倉時代から伝わる鬼払いの文化
大晦日から元旦にかけて夜空に響く除夜の鐘。まず「除夜」とは大晦日の夜という意味です。多くのお寺では1年間を振り返って感謝の気持ちを表す「除夜会(じょやえ)」という法要を執り行います。鐘を鳴らすのもその一環。新年を迎えるために大切な儀式なのです。
そんな除夜の鐘の歴史は鎌倉時代にまでさかのぼります。もともとは中国・栄の末期頃から始まった鬼払いの文化が渡来したもの。室町時代に入ると仏教行事として広まり、江戸時代には各地の寺院で除夜の鐘が鳴らされていたそう。ちなみに大衆にも定着したのは昭和2年にNHKがラジオ放送をしたことがきっかけだとされています。

除夜の鐘と一緒に初詣も~とお考えの方も多いのではないでしょうか。ところで神社とお寺どちらを優先した方がいいのと思ったことはありませんか?明治時代以前の日本では「神仏習合」の考え方が基本であったため、初詣の参拝に明確な区別はないそうです。
もちろん、ゴーンゴーンと鐘を鳴らすのは、心身を惑わせる煩悩を取り除き、清らかな心で新年を迎えるため。なのですが、実は108回と決まっているわけではありません。お寺によっては200回以上撞くところもあるようです。ちなみに107回は大晦日に、最後の1回は新年になってから撞くのだとか。荘厳な鐘の音を聞きながら、今年の出来事を振り返り、感謝や反省、そして新年の決意を胸に秘めましょう。

煩悩を払ってくれるという除夜の鐘。1年の中で積りに積もった欲の大掃除のような気持ちになれますね。
除夜の鐘を撞くときの作法は決まってる?
除夜の鐘、毎年の家族の恒例行事のように撞きに行く人も多いはず。ただ行列ができていて、先に参拝しちゃおうか…というのはNGです。戻り鐘といって縁起が悪いとされています。正しい作法は、撞く前に鐘に向かって合掌・一礼。鐘の紐を後ろに引き、ゴーンと鳴らしてください。ただし、思いっきり!は厳禁。寺院の鐘は大変貴重なものです。万が一、破損してしまっては、縁起が悪いどころの話ではありません。優しくゆっくり撞いた後は、再度合掌・一礼して次の人に譲りましょう。
除夜の鐘の正式名称
お寺に吊るされた大きな鐘、一般的に「除夜の鐘」で通じますが、正しくは「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれる仏教の法具です。「梵」という字には神聖・清浄などの意味が込められていることからも、その重要性がわかるのではないでしょうか。
悪い心のようで、実はそうではない?
煩悩の数が108と言われる理由

煩悩という言葉は広く知られていますが、実は仏教用語。除夜の鐘を撞く前に煩悩がなぜ108とされるかを知れば、より悪い心を晴らすことができるかもしれません。
人に迷いや欲を与える『六根』
人間の持つ6つの感覚「眼・耳・鼻・舌・身・意」が六根。この状態一つひとつに「好・平・悪」があり、これに「浄・染」の2つ、「過去・今・未来」の3つをかけて108になります。感覚と時間の掛け合わせ、迷いや欲を区分しています。
苦しみが幾重にものしかかる
「四苦八苦」という言葉、実はこれも仏教用語。当て字のようですが「苦」を「9」に置き換えて「4×9+8×9」で108の苦労という意味になるのだそうです。
悪い心と、この世への執着や欲求
十纏(じってん)という10の悪い心と九十八結というこの世への執着を表す言葉を足して、煩悩は108あるという説もあります。
煩悩は悪いものだとばかり思われがちですが、心を制することができれば全くそんなことはありません。「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」という煩悩があるから幸せになれるという言葉も存在します。
欲望だって力に変わるんです!
2025年…飛躍のための決意
さぁ、だいにち堂のスタッフはどんな煩悩に支配されているのでしょうか?できればしっかりと欲をコントロールしていてほしいところですが…正直に話をしてもらいました!
出世欲
早く出世して偉くなって友人にも自慢したい!
コールセンター 赤澤悠太(25歳)

まだまだ社会人になり立て。しかし仕事を覚えるよりも出世したい!と思ってしまうことも…。そんな欲に負けず、一歩一歩着実に励んでいきます。結果は後からついてくる!
承認欲
必要としてほしいではなく空気や水を目指します
コールセンター 山崎貴弘(38歳)

仕事の成果を認めてほしい!自分がやったんだ!そんな欲をグッと堪えて、周りのスタッフにとってさりげないけど絶対に必要な存在になれるよう、これからも精進の毎日です!
モテ欲
歳相応のかっこよさを考え始めました
情報システム 松本樹也(50歳)

今年50歳を迎えました。ただただ周りからよく思われたいというのではなく、しっかり歳相応のかっこよさ、頼りがいを意識し、50代を満喫していこうと思います。目指せ『いぶし銀』!