吹き飛ばせ!五月病

5月の不調と言えば、まず思い浮かぶのが五月病ではないでしょうか。なんだか気分が落ち込み、ソワソワ・イライラが続いているなどこうした症状を吹き飛ばすための方法を特集します。

避けては通れない春特有のストレス

五月病の原因は、主にストレスだとされています。
春は環境の変化はもちろん、気候の変動などが大きい時期。新しい生活環境に慣れなかったり、気温の高低差に伴う体温調節など様々なストレスが降り掛かってきます。すると体はもちろん心もすぐに順応することができず、心拍をはじめとする臓器の働きや発汗、免疫機能などのバランスを保つ自律神経が混乱することに。体は思うように動かず、重さやだるさを感じ、最終的に無気力状態に陥ったり、不眠に悩まされることになってしまうのです。こうした明らかに病的な症状があっても、五月病は医学的に認められている正式な病気ではありません。病院を受診すると適応障害やうつ病だと診断されることもあります。

およそ4人に1人が五月病を経験

では一体、どれくらいの人が五月病を経験したことがあるのでしょうか。あるアンケートによると「これまで五月病になったことがあるか」という問いに対し、男性は約22%、女性は約25%の人が「ある」と回答したそうです。また、五月病は新入社員や新入生がなりやすい症状だと思われがちですが、実は50代でも20%が経験していると答えています。そのため、誰にとっても他人事ではない症状であると言えるでしょう。

五月病の主な症状

精神的症状

  • 悲しみ、憂うつ感
  • 不安感やイライラ感、緊張感
  • 無力感、倦怠感、気だるさ、やる気が出ない

肉体的症状

  • 食欲不振、体重減少、嘔吐、胃痛、吐き気
  • 寝つきが悪い、朝早く目が覚める、不眠
  • 動悸、めまい、血圧上昇、手や足の裏に汗をかく
  • 頭痛やひどい肩こり

行動

  • 消極的になる、周囲との交流をさける、引きこもり
  • 飲酒、喫煙量が増える
  • 身だしなみがだらしなくなる、落ち着きがない

セロトニンを生成して、ストレスに負けない心身を築こう!

「心」という目に見えないものを、あえて「見える」と言うなら、それは神経伝達物質にあたります。セロトニンというのは三大神経伝達物質の1つで、不足すると精神のバランスが崩れ攻撃的になったり、うつ状態を発症することも。五月病とも密接な関係があるとされています。逆に、しっかりとセロトニンが満たされていれば、精神状態が安定し、前向きな毎日を送ることができるようになるのです。そのため、五月病解決の第一歩は、体内のセロトニン生成を活発化させることだと言えます。

体内でセロトニンの元となる栄養素を摂り入れよう!

  • トリプトファン
    セロトニンの材料となる成分がトリプトファン。必須アミノ酸の一種で、大豆類や乳製品など高たんぱく食品に多く含まれています。
  • ビタミンB6
    トリプトファンからセロトニンを生成するために欠かせないのがビタミンB6です。レバーをはじめ、カツオなどの赤身の魚、バナナを食べましょう。
  • 炭水化物
    糖質カットをしている人は五月病になりやすいかもしれません。炭水化物はセロトニンをしっかり活用するためにも欠かせない栄養素です。

日光浴をしよう!

セロトニンを分泌するのは「セロトニン神経」と呼ばれる器官。これは日光を浴びたり適度な運動をすることで活発化されます。また、セロトニンは寝ている間はほとんど生成されません。そのためセロトニンを効率的に増やすには、早起きして朝日を浴びながらウォーキングなどをすることがオススメです。

五月病を予防するための生活習慣

五月病を本気で解決するなら、セロトニンを増やしつつストレスを溜め込まない生活習慣を実現しましょう。ポイントは下の4つです。自分なりのストレス解消法を見つけ出し、イキイキとした春をお過ごしください。

  • 趣味に打ち込む
    料理や釣り、絵画、読書など好きなものに没頭できる時間を作りましょう。セロトニンの生成が増加し、ストレス緩和に繋がります。
  • 運動する
    適度な運動は体の緊張やコリをほぐすのに効果的。そして心もリラックスさせてくれます。体が重いと感じる方は軽めのウォーキングから始めましょう。
  • 生活リズムを整える
    休日だからといって、夜更かししたりお昼まで寝ているということはありませんか?一定の生活リズムは睡眠の質を高めるため、疲労を解消しやすくなります。
  • 悩みを打ち明ける
    五月病がつらいという方は、信頼できる人に今の状態を打ち明けてみましょう。また、文字にしてみると悩みが視覚化され解決策が生まれることも。