くしゃみをしただけでポッキリ!?骨粗鬆症

ちょっと転んだだけで足の骨がポキッ…くしゃみの衝撃で肋骨にヒビが…これは大げさな話ではありません。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨密度が低下しスカスカになることで骨折しやすくなる病気です。日本では約1300万人の患者がいるとされており、年齢が上がるに連れてその比率は高まります。

自覚症状がないから危険!骨がスカスカになる恐ろしい病気

骨粗鬆症の初期は自覚症状が現れにくいため、注意が必要です。ちょっと油断していただけで骨折…という事態を招きかねません。症状が進行すると、背中や腰が痛みだし、背骨が曲がり、身長が縮み始めます。そして最後には寝たきりの状態になってしまうのです。

骨が分解され続ける骨粗鬆症の原因とは?

大きな原因として考えられるのが、加齢や運動不足・食事バランスなどの生活習慣の乱れ、喫煙、ステロイド薬の多用です。これらによって、破骨細胞と骨芽細胞の働きのバランスが崩れ、分解された骨の補修が追いつかなくなり、骨密度が低下し続けてしまうのです。
また、加齢によって体内のコラーゲン生成量が低下することで、骨質も変化。骨組織の梁となるコラーゲンが不足している状態だと、外部からの衝撃に耐えることができず、骨折しやすくなってしまいます。骨質の悪化は骨密度のように手軽に検査することが難しいため、骨粗鬆症の診断が遅れてしまうケースも考えられます。

骨密度を維持するなら牛乳がオススメ

骨密度の低下を食い止めるために、まずは骨の主な構成成分であるカルシウムを積極的に摂取しましょう。やはりカルシウムの代名詞といえば牛乳です。コップ1杯(200ml)飲むだけで、成人一日推奨量の約三分の一を摂取できるスグレモノ。しかも、牛乳から摂取したカルシウムは他の食品と比べて吸収率が高いため効率的なのです。

カルシウムの吸収を促進するビタミン

ところがせっかく摂取したカルシウムも、腸から吸収されなかったらただ排出されるだけになってしまいます。そこで役立つのがビタミンD。腸管からカルシウムが吸収されやすいよう、運び屋のような役割を果たしてくれる栄養成分です。青魚やキノコ類に多く含まれています。

まだまだある!!骨に大切な栄養成分

  • コラーゲン
    骨質を高めるために重要なコラーゲンですが、多く含まれる食品はフカヒレや鶏の軟骨など普段から摂りにくいものばかりです。そのため、サプリメントなどからの摂取がオススメです。
  • ビタミンK
    骨芽細胞の働きを活発にし、骨の補修に役立つビタミンです。納豆や緑黄色野菜に多く含まれています。
  • 各種ミネラル
    マグネシウムやリン、銅、マンガン、亜鉛などのミネラルも骨の形成や維持に重要な役割を果たしています。特にマグネシウムは、カルシウムに次いで多く摂る必要のある成分。アルコールの摂取によって排出されてしまうため、お酒をよく飲む人は不足しがちです。

あの説は本当なの?カルシウム不足でイライラ

「イライラして怒りっぽい人はカルシウムを摂ったほうがいい」という説、これは正しいのでしょうか。確かにカルシウムはホルモン分泌などに深く関わりがあるため、不足すると精神不安定に繋がりそうですが、正しい説ではありません。ホルモンや神経伝達に必要なカルシウムは、食事からの摂取量が不足している場合、歯や骨から溶け出して補充されるため、常に一定に保たれているのです。

運動で骨を強くしよう

骨密度や骨質を維持するためには、運動が欠かせません。骨は「日常、どれほどの負担がかかっているか」を判別し、それに耐えられるだけの骨組織を構築しています。つまり、運動を全くせずに骨に負荷をかけない生活をし続けていると、骨は弱くなり続けてしまうのです。そこで日頃から歩くことを心がけましょう。厚生労働省では、健康作りのための活動基準として65歳以上は1日40分程度の運動を推奨しています。運動不足の方は、無理のない程度にウォーキングから開始し、徐々に運動強度を高めていってください。骨の強さを維持すると同時に、筋力も高まるため、より強い足腰を手に入れることができます。