嘘も笑って楽しもう!エイプリルフール

4月1日は新年度の始まり。日本の学校や官公庁、多くの企業では4月を年度始まりとしているため、入社式や入学式、会計年度の開始など新たなスタートに気持ちも引き締まります。そんな真面目な雰囲気とは対照的に、すっかりおなじみなのがエイプリル・フール、嘘をついても良い日です。嘘をついてもつかれても笑って過ごせる一日になるように、エイプリル・フールについて知っておきましょう。(このページには本当のことが書かれています!)

エイプリル・フールのはじまり

嘘をついても良いなんて、誰かが厳粛に宣言してはじまったのでしょうか?残念ながらはっきりした記録はなく、一説には16世紀にフランスで暦が変更されたことによるとも言われています。昔のヨーロッパでは3月25日を新年としており4月1日まで祝祭を開催していたそうです。

しかし1564年、フランス国王が1月1日を新年とする暦を採用したところ、これに反発した人々が4月1日を「嘘の新年」とし、勝手にお祭り騒ぎを始めました。その結果、この日に冗談や愚かな行為を行う文化が広まったと考えられています。

日本では大正時代に伝わったとされており、「四月馬鹿」とも言われました。昭和2年に刊行された『世界の奇習異俗』という本の中でも「仕事中に同僚の嘘に騙されたが、四月馬鹿と言われては怒るわけにもいかない」という話が載っています。この本の中ではエイプリル・フールの起源について諸々の説が挙げられていて、100年も前から日本人に関心を持たれていたというかがえます。

少し時代は下って、1957年4月1日、イギリスの公共放送BBCでは「スパゲッティの木」のニュース映像が流されました。木にスパゲッティがなって今年は豊作、まっすぐな「実」をとるために果樹園では並々ならぬ努力をしているのだとか。すぐに嘘だとわかりそうなものですが、当時のイギリスではスパゲッティは日常的な食品ではなく、権威のある放送局からの映像だということでエイプリル・フールだと気づかずに信じた人も多かったそうです。

嘘をつくにも礼儀あり?

嘘が許されるといっても、好き放題にふるまうことはできません。エイプリル・フールの嘘にもマナーがあります。

最も大切なことは、人を傷つけたり落胆させたりするような嘘は絶対にダメで、騙されてもクスッと笑顔になれる嘘をつくということです。そうなると嘘をつく方もとんちが必要。あまりにもバレバレの嘘はつまらないし、ウソかマコトかわからない微妙なラインを考えるのはなかなか難しいですね。「猫専用のスマホが販売された!肉球で指紋認証するらしい」あたりが程々で良いでしょうか。

そしてもう1つは、嘘をついていいのは午前中だけで、午後には種明かしをすることです。これは正午になった瞬間に嘘つきタイムが終わるということではなく、早めに本当のことを明かすことで、嘘が伝言ゲームのように広まって混乱しないようにするためです。そして、どんな嘘を見聞きしたか、騙されたかどうかを午後に皆で分かち合うことで、嘘を2倍楽しむことができます。

フェイクニュースにご用心

エイプリル・フールの嘘は笑って済ませられますが、特にインターネットの普及により、混乱や被害を招く悪質な嘘も世の中に流布されています。大災害など非常時には人々の不安に乗じて様々な情報が飛び交い、もし「デマ」を信じると生命が危険にさらされかねません。また、誤った情報と知らずにみんなに教えてあげたい、と善意で発信する人もいます。正しい情報かどうか見極めるために、これから挙げる4つの視点で確認しましょう。

他の情報と比べてみる

たまたま目にした一人だけが発言している個人的な意見ではないでしょうか?皆が言っていると思っても、SNSでは似たような意見がまとめて表示されることがあります。他のWEBニュースや新聞や書籍でも調べてみましょう。

発信元はどこの誰でしょうか?

情報を発信している人は信頼できるでしょうか。中立的な情報に見えても、特定の個人的な見解や根拠のない意見をまとめている、ニュース”風”のインターネットページもあります。信頼できるか判断できない場合は、公的機関から得られる情報を優先しましょう。

情報が発信されたのはいつでしょうか?

心騒がす大スクープも落ち着いていつの話か確かめましょう。今なら大事件になりそうなニュースも、実は10年前の話だったらどうでしょうか。当然、政治情勢や時代の雰囲気も今とは違っていて、当時なら何も不思議なことはないかもしれません。

元の情報源に立ちかえる

「〜らしい」「〜だそうだ」と、誰かがこう言っていたという伝聞をそのまま受け入れるのはリスクがあります。元になった情報を探し、伝えられていく過程で内容がゆがめられていないかを確認しましょう。

エイプリル・フールを面白いと思えるのは、これは嘘だ、とわかっているからです。嘘を見抜く判断力があってこそ嘘を楽しめると言えます。普段から見聞きする話が本当かどうかよく確認し、正確な情報とユーモアの両方が充実した毎日にしましょう。

嘘つきの先祖は誰?人類最初の嘘

初めて嘘をついた人はいったい誰なのでしょうか?もちろんそんな記録はないでしょうし、記録があったとしてもそれこそ嘘かもしれませんが…一説ではありますが、旧約聖書に記述されている内容が人類最初の嘘なのだそうです。アダムとイブの子供である2人兄弟が神に捧げ物をしました、しかし、神は弟の捧げ物だけを気に入ったため、兄が怒り、弟を殺してしまいます。

その後、神が弟の行方を聞いたところ、兄は自らの犯行にもかかわらず「知りません」と答えたのです。これが、人類が初めてついた嘘と言われています。

ホントになっちゃった!?嘘から出たまこと

まさか、そんなことにはならないだろうと嘘をついたら、それが本当になってしまったことがあります。ある接着剤メーカーが、エイプリル・フールに「カップルの愛が決して離れることのない強力な接着剤を販売します」と発信し、それはどう見ても冗談だとわかるものでした。ところが「本当にあったらほしい」との声が多く寄せられたのです。そこで有志の方々よりお金を集めて、期間限定ではありますが結婚祝いのギフト向けに実際に購入できる商品になりました。身近な日用品や食品メーカーのユニークな嘘は、要望の声をあげれば新しい商品として現実になるかもしれませんね。

皆様も、もし「こんな商品が欲しい」「こんな悩みを抱えているから何とかしてほしい」というリクエストやご要望がございましたら、ぜひだいにち堂までご意見をお寄せください!