4月と言えば最近ではイースター(復活祭)が話題になるようになってきました。が…日本人にとって、もっと身近な伝統行事があったのです。
仏教版のクリスマス!?
花祭りの基礎知識

仏教の開祖であるお釈迦様。実はキリストの誕生を祝うクリスマスのように、お釈迦様の誕生を祝うお祭りも執り行われていることをご存じでしょうか。「花祭り(灌仏会)」と言われ、奈良時代から日本各地に広まりました。
生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」
お釈迦様は誕生してすぐにその場で7つ歩を進めた後、右手を天へ左手を地へ指さして「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言ったとされています。有名な言葉ですが、もしかすると「自分だけが尊い存在である」という意味だけだと思っていませんか?まさかお釈迦様がそんな「俺様!」な言葉を生まれた直後に発するでしょうか。この真の意味は「かけがえのない各々の尊厳」を示したものだとも考えられています。
花祭りで行われることは?

誕生仏に甘茶を注ぐ
花祭りでは、花御堂の誕生仏に甘茶を注ぎます。お釈迦様の誕生と同時に、甘い雨が降ったことが理由です。
稚児行列(ちごぎょうれつ)
子ども達が仏様に仕える身として行列になって街を歩き、無病息災と成長を願います。花祭りはお釈迦様の誕生祭でもあり、健康祈願の行事でもあるのです。


白象の模型を引いて巡行
一部の寺院では、子ども達が白象の模型を引きながら街を巡行するそう。白い象は神聖な動物であり、お釈迦様の化身ともされています。
甘茶が用いられる理由

甘茶は「アマチャ」という木の葉を蒸して揉んだ後、乾燥させて作ります。砂糖を入れなくても甘いのが特徴。甘茶をすくった手で赤ちゃんの頭を撫でると元気な子に育つという言い伝えもあります。