大切な想いを届ける…古き良き手紙

スマホやパソコンでのやり取りが主流となった今、手紙を書く機会はかなり減ってしまったのではないでしょうか。電子メールやチャットは便利なものの、手紙でしか味わえない温かみや楽しさがありますよね。
今回はそんな手紙の歴史や文化についてご紹介します。

紀元前から存在したやりとりの記録

手紙の歴史はメソポタミア文明や古代エジプトから存在し、紀元前数千年の時代から手紙のやり取りは行われていたとされています。

メソポタミアでは、粘土を板状にしたものに楔形文字という古代文字で書かれた手紙が発見され、古代エジプトではパピルスと呼ばれる植物の茎の組織で作られた紙のようなものに文字が書かれていました。ペンは植物の茎や鳥の羽で作ったものを使用していたのだとか。

日本人の暮らしと通信の歴史

その昔、日本では木簡という細長い木の板に墨をつけた筆で文字を記し、それを通信伝達の手段として用いていました。やがて平安時代になると、紙漉きが各地で行われるようになり、都の平安貴族の間では木の板に代わって和紙に文字を書いて送ることが盛んに行われるようになったと言います。

こうして、木簡から書簡(手紙)へと通信伝達手段が移り変わっていったものの、屋外で用いる荷札などには耐久性などの理由から江戸時代になっても木の板が文字のキャンパスとして使用が続けられていたようです。

江戸時代には、経済取引の活性化や飛脚の普及により手紙のやり取りが多くなりました。飛脚は現代の郵便制度と比較して費用がとても高額だったそうです。

明治期からは欧米に倣った郵便制度が導入され、はがきの普及により手紙がさらに盛んに使われるようになりました。

時代の流れとともに通信伝達手段は発展していき、2000年代を迎える頃には携帯電話、電子メールでのやり取りが主流になるなど多種多様になっていきました。

平安貴族で大流行!ラブレターの始まり

平安時代になると、文字が発展しひらがなが誕生しました。そして、日常的に文字が使われるようになると貴族の男女間で和歌を詠んで、ラブレターを贈り合う風習が生まれます。

当時、貴族の女性はめったに外に出ることはなく、他人に顔を見せること自体がタブーとされていました。そのため、男女の出会いは知人や乳母から紹介してもらい「あそこの家に美しい姫君がいる」という噂を聞きつけた男性が、覗きに行くというのが一般的。出会いの場はほとんどありませんでした。

センスが命!平安の恋文ブーム

このため、平安貴族の男性たちは自分の想いを「五・七・五・七・七」の和歌に凝縮し、手紙を贈るようになりました。平安時代のラブレターで特に重要だったのが和歌のセンスです。ダサい和歌を贈ろうものなら百年の恋も瞬時に冷めるというもの。想いを伝えるためには教養が問われました。

さらに、どのような紙に書くか、贈り方、タイミングなども重要で女性から評価されるポイントとなっていました。これらの努力が認められて、初めて意中の姫君から直筆の手紙が届くと恋がスタートしたのです。

「手紙」という言葉が使われるようになったのは江戸時代のこと。平安時代には「文」や「消息」と表現されていました。

イチオシ文房具4選

ミニレターセット

手紙を贈りたいけど気恥ずかしい、たくさん書くのは苦手という方にぴったりなのが手のひらサイズの便箋セット。100円ショップやバラエティショップで購入でき、種類も豊富!ギフトに添えて贈るのもおすすめです。

レターカッター

ポケットにすっぽり収まる小さなカッターは1つ持っておくととても便利です。玄関先に置いておけば、郵便物を受け取った後すぐに開封することができていつものプチストレスが解消されるかもしれません。

ポケットクリアファイル

1つのクリアファイルで様々な書類を管理できるすぐれもの。レターセットや切手の保管に最適です。だいにち堂から届くチラシの整理にも活用できたり、小さめのサイズにはチケットなどを入れて持ち運びにも便利です。

オーダー印鑑

自分だけのオリジナルはんこがあると、手紙のやり取りがさらに楽しくなります。簡単なマークのはんこは手作りしてみるのも良いでしょう。ぜひオリジナルの住所印やネーム印を作って、お手紙に素敵なアクセントを加えてみませんか?

気持ちが伝わる!トコトンこだわった手紙を贈ろう

お祝いやイベント、お礼を伝える時など、手紙やメッセージカードを贈るシーンは意外と日常に溢れています。そこで、いつもはメールやチャットで送っている言葉を手紙に綴ってみませんか?今回ご紹介する4つの工夫とともに、ぜひ心の込もった手紙を書いてみましょう。

スタンプやテープで華やかに飾る

手軽に挑戦できるのが、封筒や便箋をマスキングテープなどでデコレーションする方法です。テープやスタンプ、シールは種類が豊富で、素材選びを楽しめるのも良いところ。店舗の文房具売場で比較的お安く購入できます。

印象に残る!便箋が香る「文香」

封を切って便箋を取り出す時のワクワク感は手紙の醍醐味ですが、そこにほんのり香る「文香」を忍ばせると、より一層特別感があります。他には、香りつきのインクやシールを使う、フレグランスペーパーや紙石鹸を添える方法も。

世界に1つだけのオリジナル切手

お気に入りの写真やイラストを切手にできる素敵なサービスもあります。普段のお便りはもちろん、記念品やプレゼントにもぴったりです。コストプランも様々で、気になった方は郵便局へ問い合わせてみてください。

個性溢れる刺繍メッセージカード

贈り物と一緒に添えるのがおすすめの「紙刺繍」。手作りギフトとしても人気で、より気持ちが込もったメッセージカードになります。刺繍道具をお持ちの方や、手芸が得意な方はぜひ挑戦してみてください。