自然が作り出す儚くて美しい芸術…雪を楽しもう!

皆さまは雪はお好きでしょうか。気温が下がるとしんしんと降り、冬景色を美しい白色に染めてくれる雪。今回はそんな雪をもっと楽しむために結晶の不思議や雪上の注意点などをご紹介します。

雪はどうして降るの?

雲は「雲粒」と呼ばれる水滴や「氷晶」という氷の粒が多く集まってできます。雲粒は、初めは人間の髪の太さの5分の1程度の大きさしかありません。小さくて軽い雲粒は上昇気流に乗って上っていきます。やがて、気温がマイナス40℃以下となる地上1万メートルほどの高さまで達すると、雲粒は凍って氷晶に変化。上昇気流に逆らって落下できるくらいの大きさになり、今度は雲の中を落ちながら雪の結晶を作っていきます。せっかく大きく成長した雪の結晶ですが、落ちる途中で温かい空気に触れると形を保てません。溶けて雨粒になってしまいます。しかし、地面に近い場所の気温が、雪の結晶が溶けないくらい低い時には氷の粒は雪となって降ることができるのです。

なぜ多くの種類があるの?

雪の結晶は、樹の枝や角板のような形など実に多様な姿を持っています。どうして様々な形があるのでしょうか。これは水の分子が氷になるとき、六角柱の形で安定しやすいという性質が関係しています。雪の中の環境はとても寒く、水の分子が空気中の小さな微粒子などにぶつかると、そのショックで瞬時に凍結。そして凍る時に六角柱の形に分子がくっつき、一気に個体になっていくのです。この六角柱を土台として、まわりに水蒸気が次々に付いて結晶へと成長し、0.2ミリメートル以上になると「雪結晶」と呼ばれます。落下したり風に吹き上げられたりしつつ、色々な雲の中を通り抜けながら、枝が伸びたり、板ができたりと様々な形になっていきます。
また、雪の結晶がどのような形になるかは温度や湿度によって決まります。例えば、マイナス10℃~マイナス22℃では平たい板状に成長し、マイナス4℃~マイナス10℃では細長い柱状に成長するのです。そして水蒸気が多い環境では枝が発達しやすく、水蒸気の量が少ない時は成長がゆっくりになって、枝よりも六角柱の部分が大きくなりやすいという特徴があります。このような変化を遂げながら降るため、様々な形があるのです。

雪による日焼けに注意

雪の景色はじっくりと眺めたくなるほど綺麗ですが、長時間雪上で過ごす際には日焼けに注意が必要です。その理由は、太陽から降り注ぐ光に加えて雪面に反射した日光にも肌がさらされているから。この雪による日焼けを「雪焼け」と呼びます。もし雪焼けした肌を放っておくと皮膚がカサカサと乾燥したり、肌荒れする原因に。冬だから日焼けしないだろうと侮ってはいけないのです。

体の中からケアしよう

そこで雪の日焼け対策として、ビタミン類やコラーゲンなど肌に良いと言われる栄養素を多く摂ることが大切です。特にビタミン類のうちビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用を持つため美肌に欠かせない栄養素。緑黄色野菜や果物などを食べて補うと良いでしょう。また、こうした肌ケアのうちサプリメントなどで内側のケアも行うと効果的です。

雪の結晶にはどんな形があるの?

雪の結晶の様々な形は、特徴ごとに名前がついています。均整のとれたデザインは自然が作るアート。ここでは代表的な4つの結晶を見ていきましょう。

樹枝六花(じゅしろっか)

代表的なパターンの1つです。中心の小さな核から、細長い枝が伸びているのがこの名前の由来。雲の水蒸気の量が多く、気温がマイナス15℃前後のときに枝がよく伸びます。

角板(かくばん)

雪の結晶の中で最もシンプルなタイプ。この形をベースとして、六角形の角の部分に「枝」や「板」が成長していき、複雑な作りに変化していきます。

角柱(かくちゅう)

六角の鉛筆を切り出したような形の結晶です。中には中心部分に線状の模様が見られるものも。マイナス3℃からマイナス10℃の水蒸気量が少ない環境で現れやすいと言われています。

羊歯状(しだじょう)

雪結晶の中でも華やかなものの1つ。柱面の成長が速く樹枝状の成長して、板は発達していません。枝の先が丸く、植物のシダの葉のように見える姿が特徴的です。