豆食文化はいつから始まった?
節分と言えば、鬼の他、やはりなくてはならないモノが豆。世界にはなんと18,000種ものマメ科の植物が確認されており、食用とされるのはその中のひと握り。70~80種だと言われています。
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そんな豆食の歴史は非常に古く、世界最大の生産量を誇るインゲンマメは紀元前4,000年頃から農作物として生産されてきました。またラッカセイやエンドウマメはさらに古く、紀元前5,000年以上も前の遺跡から、その痕跡が出土したという記録もあります。他にもソラマメは紀元前2~3,000年前から栽培されていると考えられており、豆は古代を生きる人々にとって重要な栄養源だったことがうかがえます。
縄文時代から続く日本の豆食

もちろん日本人の食事にも昔から豆は欠かせません。私たちにとって最も身近とも言える大豆の原種であるツルマメは縄文時代から栽培されていた痕跡が残っています。今、広く用いられている大豆は中国が起源で、日本にやって来たのは弥生時代。そして和菓子には欠かせないアズキも今までは中国が原産だと言われていましたが、滋賀県の湖底遺跡からアズキの野生種の痕跡が見つかっており、そのルーツは再検討されています。

飛鳥時代や奈良時代には中国との交流が深くなり、大豆を加工した醤油の原型ともいわれる醬(ひしお)の作り方が広まりました。
豆類をそのまま食べるのはNG
食中毒を引き起こす成分

煮たり炒めたり発酵させたり…実に様々な調理法で私たちの食卓を彩ってくれる豆。ですが、生のままだと固いので食べられないとは思いますが…絶対に生の豆を口に入れないようご注意ください。その理由は、食中毒を起こす可能性があるからです。豆類の多くには赤血球を凝集させた細胞の代謝を妨げるフェトヘマグルチニンや吐き気や下痢の原因となるレクチンという成分が含まれています。生の豆を調理する際は、12時間以上水に浸し、沸騰したお湯でしっかり加熱しましょう。
豆に含まれる毒性とされる成分は、免疫関連の試薬や糖タンパク・糖脂質などの検出などの研究にも用いられています。
カラフルで大きさも栄養も千差万別
主なマメ科種類をご紹介
皆さまは「豆」と言われたらどんな豆を想像するでしょうか?色は?カタチは?大きさは?そこで、色とりどりで千差万別なマメ科の豆たちをご紹介します。
ササゲ属
あんこには欠かせないアズキが含まれ、たんぱく質や鉄分、カリウムなどが豊富。モヤシとしても利用されています。

ラッカセイ属
硬い殻が特徴の落花生。ビタミンEやポリフェノールがたっぷり含まれています。ちなみにピーナッツとは皮を剥いた落花生の事を言います。

エンドウ属
サヤエンドウやグリーンピース、豆苗が含まれる豆の種類です。大豆アレルギーの人用の醤油などにも用いられています。

ソラマメ属
豆が含まれているサヤが空に向かってつくため「空豆」と名付けられました。ビタミンB群やC、葉酸などが非常に多く含まれています。

インゲンマメ属
旨み成分が多いため、世界中で愛されているマメの種類。金時豆などもインゲンマメ属に含まれます。ビタミン・ミネラルが豊富です。

ダイズ属
日本人の食卓には欠かせない大豆。畑の肉と呼ばれるほど高タンパクであり、また食用油としても活用されています。

ヒヨコマメ属
ヒヨコのようなカタチの豆。日本では栗豆とも呼ばれています。低脂質・高タンパクな栄養バランスで健康食としても注目されています。

豆なのに海を感じる不思議な風味が魅力的
鞍掛豆をぜひご笑味ください!!

長野県では有名な鞍掛豆(くらかけまめ)をご存じでしょうか?緑色の豆の一部が、馬の背に掛ける鞍のように見えることから名付けられました。青大豆のようなイメージですが、海苔のような風味があることが特徴で、ご飯のおかずからお酒のおつまみにも幅広くお召し上がりいただけます。
豆なのに豆じゃない?
コーヒー豆の真実

「やっぱりコーヒーは豆が重要だよ」なんてコーヒー好きの方からは批判されてしまいそうな内容ですが、実はコーヒー豆はマメ科の一種ではなく、アカネ科の植物。白い花が咲いた後、赤い果実を実らせます。コーヒーチェリーと言われ、サクランボに似ているのが特徴。そして、その中にある種子がコーヒー豆。つまりコーヒー豆はフルーツの種を加工したものなのです。