寒暖差アレルギーに要注意!!

太陽が出ている昼間は暑いけれど、日が落ちた夕方以降は気温が下がる…。このような1日の気温差によって起きるくしゃみや鼻水、鼻づまり、咳などの症状を「寒暖差アレルギー」と言います。正式な名称は「血管運動性鼻炎」。季節の変わり目を迎える度に発症してしまうという方もいるため注意が必要です。

7度の温度差が鼻の粘膜を刺激

寒暖差アレルギーは気温差が刺激となって鼻粘膜の血管を広げ、内部が腫れることにより引き起こされる鼻炎と考えられています。また湿度も影響し、空気が乾燥すると悪化しやすいのも特徴。では、どのようなときに寒暖差アレルギーを発症しやすいのでしょうか。

それは朝、晩と日中の温度差が7度以上になる時。他にも、季節の変わり目だけでなく次のような状況でも症状が出ることがあります。「カレーやラーメンなど熱くて刺激が強いものを食べた時」「スキー場などで冷たい空気を吸った時」に鼻水が垂れることはありませんか?このように実は誰もが生理現象としてある程度経験しています。それが強く出た状態が寒暖差アレルギーなのです。
しかし風邪やアレルギー性鼻炎とも症状が似ているため、自分では判断がつきにくいもの。そこで、寒暖差アレルギーとの違いを下の表で見てみましょう。風邪やアレルギー性鼻炎に見られがちな「目のかゆみや充血」がなく、「熱が出ない」「粘り気のある鼻水が出ない」といった点が大きな特徴になります。

「寒暖差アレルギー」はアレルギーを起こす物質があるわけではなく、刺激で起こる鼻炎です。アレルゲンやウイルス、細菌感染は発症に関係ありません。
※出典:サワイ健康推進課.「花粉症でも風邪でもない? その症状、寒暖差アレルギーかも」.
https://kenko.sawai.co.jp/theme/201911.html,(参照2022-08-04)

寒暖差アレルギーを「発症しやすい人」

寒暖差アレルギーは痩せ型の女性が最も発症しやすいと言われています。それは筋肉量が少ないと体温調節がしづらいことが関係しているのかもしれません。また、鼻の粘膜にある毛細血管の拡張・収縮は、自律神経がコントロールしているため自律神経が乱れがちな方も予備軍です。例えば、日頃からストレスを感じていたり、昼夜が逆転、運動不足、偏食になりがちなど不規則な生活を送っている方。毎日の習慣を一度見直してみましょう。

発症してしまったらどうしたらいいの?

寒暖差アレルギーが出たときは症状に合わせて次の対処を行うことがおすすめです。症状がひどい場合には我慢せず医師に相談してください。

  • かゆみ
    かかないようにし、患部を冷やしましょう。
  • 鼻水・鼻づまり・咳
    マスクや加湿器で湿度を上げたり、体を温めましょう。
  • 頭痛
    できるだけ安静にしましょう。ひどい時は鎮痛剤に頼るのも1つの方法です。
  • 胃腸の機能低下
    腹部を温める、消化の良いものを食べるなどのセルフケアを行ってみましょう。

寒暖差アレルギーにならないための予防法

体感気温を調節する

体が感じる寒暖差をなるべく無くすことが大切です。外出時などはさっと羽織れる衣類を持ち歩いたり、スカーフなどで首、手首、足首を冷やさないようにするとよいでしょう。首の皮膚の近くには太い血管が通っていますので、首を温めることで顔まわりの血流が促されて、症状が起こりにくくなります。

筋肉をつけて体温UP

脂肪燃焼により熱生産が起こるため、筋肉が多い体は多少寒いところに行っても体温の変化が起こりにくいと言われています。簡単な筋トレでも基礎代謝が上がり、抵抗力もつくのでおすすめです。また、適度な運動やストレッチによって体の緊張をほぐし、自律神経のバランスを整えることも重要です。

規則的な生活を意識

不規則な生活やストレスは自律神経のバランスが乱れる原因となります。夜ふかしをせず十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないように気をつけましょう。また、タバコの煙によって鼻の粘膜が傷付くと外気の刺激を受けやすくなりますので、敏感な方は控えましょう。

ツボ押しで温まろう

体が温まると寒暖差アレルギーの症状が緩和されやすくなります。外関(がいかん)と呼ばれるツボを押して体を温めましょう。また、適度な温度のお風呂にゆっくりと入浴することも効果的。体が芯から温まるだけでなく自律神経を整える効果も期待できるためお風呂にしっかりと浸かりましょう。

食生活を見直す

栄養バランスが取れた食事はもちろん、寒い時期には体を温めるしょうがやにんにく、唐辛子などを摂取して血行を促進しましょう。特に冷え性の方は寒暖差を感じやすいため血行を促すことで基礎体温を上げることが大切です。

マスクをする

マスクは感染対策だけでなく、冷気が鼻・のどの粘膜に触れることを防ぐのにも役立ちます。