これがホントの茶飲み話!?お茶を知って美味しく飲もう

新茶の時季になりました!普段、コーヒーやミネラルウォーターを飲んでいる方も、新茶の鮮やかな緑色には心惹かれるのではないでしょうか。1年で緑茶がいちばん美味しい季節に、お茶について詳しく知っていきましょう。

お茶の歴史

歴史の中でお茶が登場するのは、紀元前2700年頃の中国。漢方の始祖である神農という人物がお茶の葉を薬として食したという伝説に遡ります。お茶が飲み物になったのは紀元前1世紀頃からで、7世紀頃の唐の時代になると中国全土でお茶を飲む習慣が広がりました。

初めてお茶が日本に渡ってきたのは、平安時代の初期の頃とされています。この頃のお茶は大変な貴重品で、限られた人しか口にすることができませんでした。その後、日本の国内でもお茶の栽培が始まり、茶道も広まっていきます。15世紀から16世紀にかけて、千利休たちが「茶の湯」として作法を完成させました。ただお茶を飲むだけでなく、心を落ち着かせながらお茶を「点てる」ことで客をもてなす精神を持ち、茶器や茶室も一体となった芸術とも言えるでしょう。

一方、気軽に急須で入れるお茶が確立されたのは、江戸時代の初め頃。中国から来た僧が、深煎りした茶葉に熱湯を注いでしばらく待つという方法を伝えたのが始まりだそう。この頃からお茶は「茶色」から「緑色」へと変わっていきました。

さらに革命とも言えるのが、緑茶が自動販売機で購入できるようになったこと。登場したのは1985年。長年の研究と高度な技術によって、長時間経っても風味や色合いが変わらずお茶を楽しめるのは画期的な出来事だったのです。昔は貴族しか飲めなかったお茶が、今やいつでもどこでも飲めると思うと、ありがたみを感じられます。

同じ葉から違うお茶、発酵によるお茶の種類

緑茶と紅茶とウーロン茶、それぞれ違った風味で楽しみ方も異なるもの。しかし、この3つのお茶は全て同じ植物からできています。

お茶の葉は、摘み取った後そのままにしておくと発酵によって風味が変化していきます。まず緑茶は「不発酵茶」。茶摘みをしたらすぐに蒸して発酵を止める処理がとても重要。「深蒸し茶」と言われるものは、この蒸す過程が長めのもので、加熱時間によってお茶の風味や色合いが様々に決まるそうです。

「発酵茶」である紅茶は、生の葉を干して揉み、多湿で25℃程度の環境に置いて発酵を促進。すると葉は緑色から赤銅色へと変化していきます。

ウーロン茶は「半発酵茶」に分類されます。葉の周辺部分だけが赤く変化した半発酵状態になったところを釜で炒ると、発酵度合いが緑茶と紅茶の中間くらいの状態に落ち着きます。

緑茶以外にも!いろいろなお茶

厳密に言えば茶の樹から作られたものだけが「お茶」なのですが、他にも「〇〇茶」と呼ばれるものがたくさんあります。身近なものだと大麦を焙煎して作る麦茶。そして花祭りに欠かせない「甘茶」も、茶の樹ではなく天然の甘みを持つ「アマチャ」という植物から作られます。乾燥させた植物の葉などをお湯で成分を浸出する方法で作る飲み物は、だいたいがお茶のグループに入るでしょう。もし野草や野菜をそのまま食べたら、苦かったり噛むことすら大変だったりします。それをお茶というカタチにすることで風味を楽しめたり、手軽に良い成分も摂ることができる…お茶は調理法の一種とも呼べるのかもしれません。

お茶ではないのにお茶と呼ぶと言えば、「お茶をする」という言葉も不思議。緑茶や紅茶を飲むことからやや離れて、むしろスイーツや軽食を摂りながら喫茶店のような場所で親しく話をすることの方がメインです。お茶というのは、茶の樹からできた飲み物のことだけでなく、お気に入りの飲み物を片手に、気の合う仲間と心地よい時間を過ごす、という広い意味を持つのかもしれません。

美味しいお茶の淹れ方

高価な茶葉や特別な茶器でなくても、新茶はそれだけで美味しいもの。ちょっとしたポイントを押さえておけば、さらに味わい深くいただけます。

  1. 茶葉は心もち多めに、1人分あたり2〜3g(ティースプーン2杯程度)を目安に急須に入れます。
  2. 沸騰させたお湯を湯呑みに移し、70〜80℃の適温まで冷まします。こうすることで、必要なお湯の量を測りつつ、湯呑みを温められます。
  3. 湯呑みのお湯を急須に移して蓋を閉め、40秒ほど待ってから急須を軽く数回まわし、茶葉を開かせます。
  4. お茶の濃さが均等になるように、それぞれの湯呑みに少しずつ交互に注ぎます。最後の一滴まで注ぎ切りましょう。

封を開けた茶葉は密閉できる容器に入れて冷暗所で保存しましょう。冷蔵庫に入れると、結露したり他の食品の匂いが付いたりしてしまうため避けてください。

お茶でうがいは効果ある?

静岡県出身のスタッフが、小学生の頃、冬には水筒に緑茶を入れて登校していたと話していました。さすが静岡、学校でもお茶を飲むのか、と思いきや「そのお茶、うがい用でした」とのこと。なんだかもったいない気もしますが、緑茶には「カテキン」という殺菌作用を持つ成分が含まれており、風邪予防の役割があるようでした。近年では複数の研究から、お茶でうがいをすると風邪にかかるリスクが低くなると報告されているそうです。また、カテキンには抗酸化作用があり、生活習慣病予防の点でも注目されています。