美味しいご飯を食べ続けるために!いい歯を守ろう

何歳になっても自分の歯でご飯を美味しく食べたいですよね。11月8日は「いい歯」の日。これは80歳で20本の歯を残そうという取り組みの、8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動の一貫として設けられた日です。
「食事が美味しい」と感じられる歯の本数は20本とされています。大人の歯は親知らずを除いて上下14本、計28本ですが、自分の歯を20本残すことができれば、高齢になってもしっかりと噛め、食事を美味しくいただくことができます。

どんな歯がいい歯?

いい歯というと、虫歯や歯周病がなく、噛み合わせが良く、歯並びが整っている歯、白い歯など様々な「いい歯」が思い浮かぶでしょう。これらは全て正解です。ですが今回はもっと大きな視点で「いい歯」を見てみましょう。「いい歯」とは生活の質を高め、日々の生活に活力を持たせてくれる歯ではないでしょうか。

もっと簡単にいうと、しっかりと「噛める歯」です。しっかりと噛めると、唾液の分泌が促され、口内に良い影響を与える他、食べ物の消化を助けます。また唾液の酵素の働きで美味しさを味合うことができ、食の楽しみが増えるため、良い栄養が摂れて健康につながります。

すると、またしっかりと噛めるという良い循環が生まれ生活の質を高めてくれるのです。

口腔内の乱れは全身の乱れ?

いい歯を残すということは健康面でも重要です。それは歯の本数が減ってしまうと、硬いものを噛むことができなくなるので、食事は軟らかい食べ物中心となり、量も少なくなるため。特に噛みごたえのあるタンパク質の量が減少すると筋力の低下を招き体力の衰えが進んでしまいます。

また、改めて注意したいのが虫歯や歯周病です。これらは細菌によって引き起こされる感染症。実は虫歯菌や歯周病菌が繁殖するとその影響は全身に及ぶことがわかっています。

虫歯や歯周病が進行すると、菌が歯茎の血管内から侵入し全身に行き渡ってしまいます。その結果、全身の様々な部位で炎症が起き脳梗塞や心筋梗塞などの疾患を引き起こす可能性があるのです。口腔内の健康を保つことはいい歯を残す以外にも、全身の健康を守ることにもつながります。

いい歯を保つ3つのポイント

歯を失う主な原因は、虫歯と歯周病。とくに歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどなく、気づく頃には重症化しているという厄介な病気です。「お年寄りがなるもの」というイメージがありますが、実は30代で発症している人も少なくありません。そんな虫歯や歯周病を防ぐためには毎日のセルフケアが必須です。次の3つのポイントをぜひ取り入れてみてください。

歯ブラシの角度は45〜90度

歯と歯茎の境目あたりに歯ブラシを当て、斜め45度で歯茎の隙間を意識して丁寧に磨きましょう。また、歯の外側を磨く時は歯に垂直に当て磨いてください。歯1〜2本程度の幅で小刻みに動かすのがポイントです。

フロスを活用する

歯と歯がピタッと接している歯間部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、ブラシだけで歯垢を落とすのには限界があります。そのため1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシを使いケアしましょう。

フッ素配合歯磨き粉を使う

歯磨き粉に配合されているフッ素には、歯を強くする作用などがあります。つまり、フッ素配合の歯磨き粉で歯を磨くことは、歯垢や汚れを取り除くだけでなく、細菌に強い歯を作る効果をもたらしてくれるのです。

3つのポイントに加えて、定期的にクリニックを受診するのも良いでしょう。歯のクリーニングや口内の状態を診てもらい、医師のアドバイスを実践することも健康な歯を保つ秘訣です。

しっかり噛むとメリットいっぱい!「卑弥呼の歯がいいぜ!」

弥生時代の卑弥呼の食事は、噛む回数が現代の食事の6倍、食事時間は約5倍だったそうです。現代ではファーストフードのように噛まなくても食べられる食事が増えてきているため、よく噛むとなぜよいか覚えやすいよう、また噛むことを意識してもらえるようにとの願いから生まれたキャッチフレーズです。

【ひ】肥満予防に効果的

ゆっくりよく噛んで食べると、脳にある満腹中枢が刺激されます。すると、少ない食事で満足感が得られるため食べ過ぎを防げます。またエネルギー代謝を活発にしてくれるため肥満予防につながります。

【み】味覚の発達を助ける

食べ物の味は唾液の中に溶け出して、それを舌の組織が感知することによって脳へ伝わります。よく噛むことで唾液が多く分泌されて、味覚情報の伝達を助けるのです。

【こ】言葉の発達に役立つ

よく噛むことで舌の筋肉や口まわりの筋肉が発達し、表情が豊かになります。舌がスムーズに動くと言葉がはっきりします。また、口をしっかり開けて話すことでもキレイな発音に繋がります。

【の】脳の活性化を促す

噛むという行為は脳細胞の働きを活発にします。噛むことで脳に送られる血流量が増え活性化し、記憶力や集中力のアップに繋がるため、子供の知育を助け、高齢者は認知症の予防に役立ちます。

【は】歯の病気の予防

唾液には歯周病菌や虫歯菌の繁殖を抑える作用や、酸の中和・再石灰化などの予防作用があります。また顎の発達に伴いきれいな歯並びになれば、日々の歯ブラシも楽になります。

【が】がん予防に繋がる

唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素には、食べ物に含まれる発がん性物質の発がん作用を消す働き(特に植物内の発がん性物質)や、細菌を減らす働きがあります。よく噛んで病気を防ぎましょう。

【い】胃腸の働きを整える

よく噛むことで食べ物が細かく砕かれます。またしっかりとした咀嚼によって消化液の分泌が盛んになることをご存知の方も多いでしょう。食べ物の消化を助け、胃腸の負担を軽くします。

【ぜ】全力投球できる!

噛む、という行為は運動能力や体の様々な機能の発達にも影響するといわれています。力一杯勉強したり、遊ぶためにも必要な丈夫な歯と噛む力。歯を食いしばることで力が湧きやすく、全力投球できます。