栄養満点の干し柿でおいしい健康生活

寒い季節になると食べたくなる干し柿。秋の間は色鮮やかなみずみずしいおいしさの生柿を楽しめ、冬にかけては旨味がぎゅっと詰まった干し柿が旬を迎えます。甘くておいしいだけでなく、たっぷりの栄養が含まれていますが「柿の栄養にはどんな効果があるの?」「食べ過ぎには注意が必要?」などわからないことも多いのではないでしょうか。今回は、そんな柿について特集します。

秋だけじゃない?まだまだ楽しめる柿

秋の味覚のイメージが強い柿ですが、実は秋から冬、干し柿は3月頃の春先まで楽しむことができます。一般的な柿の旬は9月から12月頃、干し柿の旬は11月から3月頃までです。最近では1年を通して干し柿をスーパーで見かけることが多いですが、旬の時期に並ぶものはよりおいしさを味わえるでしょう。
そして、栄養価も非常に高く「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど健康効果に優れています。それでは生柿と干し柿の栄養の違いを見てみましょう。

健康と美容の強い味方

生柿と干し柿は見た目や味に違いがありますが、栄養価にも大きな違いがあります。

※1食あたりの目安量

上の表をご覧ください。干し柿は水分が抜けることで糖分が凝縮され、エネルギーや炭水化物が高くなっています。免疫力の向上や美肌に欠かせないビタミンCは、生柿が非常に豊富です。干し柿の場合は柿を乾燥させる際に水分とともにビタミンCも抜けてしまいほとんど残りません。粘膜や皮膚の健康を保つのに必要なβカロテンはどちらも含有量が多く、特に干し柿に豊富に含まれています。βカロテンには抗酸化作用があり老化防止の効果も期待できます。
また、二日酔いの予防に効果的な「タンニン」やお通じ改善に役立つ「食物繊維」も含まれています。

食べすぎ注意!気を付けるポイント

柿には健康にうれしい栄養がたっぷりですが、食べ過ぎや食べる時の健康状態には注意が必要です。甘くておいしいのでついつい食べ過ぎてしまいそうですが、1日に食べて良い目安量は1~2個とされています。エネルギーと炭水化物が多いため、食べ過ぎは肥満につながる恐れがあり、糖尿病の方は特に要注意。また、カリウムも豊富に含んでいるため、腎機能が低下している方、カリウムの摂取を控えるよう医師から指示されている方も気をつけましょう。
また、便秘・下痢などお腹の不調を招く場合もあります。適度な量を食べるように心がけましょう。

柿は神からの贈り物?海外で人気上昇中!

柿は学術上の名前を、「Diospyros kaki」(ディオスピロス・カキ)と言い、「神から与えられた植物」という意味で名付けられたとされています。日本には奈良時代に中国から柿が渡来し、16世紀頃ポルトガル人によって日本から世界に広がりました。ヨーロッパやアメリカでも「KAKI」の名前で親しまれています。
イタリアでは秋限定のジェラートのフレーバーにも使用され、人気を集めているようです。

熟した柿が大変身!簡単アレンジ2選

柿を常温で置いたままにして、うっかりブヨブヨになってしまった…なんてことはありませんか?見た目からして、もう食べられないと思われがちですが、熟れて甘みがグッと増している状態です。ヨーロッパではとことん熟して甘くしてから出荷する文化もあるのだとか。熟しすぎてしまった柿は簡単にアレンジしておいしく食べることができるので、これからご紹介するレシピをぜひお試しください。

①柿のシャーベット

熟した柿をさっと洗ってラップでくるみ、一晩冷凍するだけの簡単シャーベット。食べえる時は半解凍してヘタの部分を切り離し、スプーンですくってお召し上がりください。完全に解凍してしまうと形が崩れてしまうのでご注意ください。(解凍時間の目安は約15分程)

②柿ジャム

柿を小さく刻み、砂糖(柿の重さの30%)と煮て、最後にレモン汁をお好みで入れて完成。レモンの酸味が飛ばないように、レモン汁を入れた後は煮込まないのがポイントです。パンに塗ったり、お菓子づくりに使ったりと便利に活用できます。

これも柿なの!?不思議な形の柿

黒実柿

大きさが100g前後と小粒で、果頂部が尖ったトマトのような形をしています。外皮がツヤのある黒色になる品種でとても希少性の高い柿です。糖度は16度ほどで甘みがありますが、中には渋が強いものもあります。

西条柿

広島県発祥の渋柿。果実は縦長で側面に4本の溝があります。渋が抜けた西条柿は甘くとろける食感です。糖度が約18度と強い甘みを持っています。横半分にカットすると、まるで花びらのような見た目が美しい柿です。

ベビーパーシモン

直径3㎝ほどで一口サイズの非常に珍しい柿です。一般的な柿の約8分の1の大きさで種がなく、皮も剥かずに食べることができます。糖度が高い一方、渋を抜く技術が難しいため産地は限られています。

健康成分たっぷり!柿の茶葉を飲もう

柿の茶葉とは、その名の通り「柿の葉」を使った健康茶のこと。栄養価が非常に高く、美容や健康に良いとされおり、葉っぱは生薬として使われることもあります。老若男女問わず愛され続けているお茶です。

柿の葉にはレモンの約20倍、緑茶の約30倍のビタミンCが含まれます。また、タンニンやルチンといった成分も含まれ、血圧を調節する働きがあります。この他にもカテキンやポリフェノール類、カルシウム、カリウム、亜鉛、鉄など豊富なミネラルが含まれ、体調を崩しやすい冬の時期は、免疫力アップをサポートする柿の葉茶がおすすめです。

一般的に、ビタミンCは加熱するとほとんど壊れてしまうとされていますが、柿の葉に含まれるビタミンCは熱に強く、お湯を注いでも効果が薄れる心配がありません。

柿の茶葉はほんのり甘くほどよい酸味と香ばしく柔らかい口あたりが特長です。市販されているティーバックもあるので、ぜひお試しください。