【秋のわくわく実験】ブドウが発酵するとワインになる!?

 皆様はこんな疑問を持ったことはありませんか。「ブドウを放っておくと自然に発酵してワインになる?」。今回は、秋の味覚であるブドウを発酵させてワイン作りに挑戦します。さてさてブドウはどのような変化を遂げたのでしょうか。

※アルコール度数が1%未満になるように発酵を調整しています。

まずは下準備

 使用した道具はこちら。ペットボトル(2リットル)、大きめのボウル、じょうご、ザルの4点です。そして今回使うブドウは巨峰3房。まず房から果実をとる前に流水でサッと洗います。ブドウの果皮に天然の酵母菌が付いているので、洗いすぎないように注意。この果皮に付着している酵母のみで発酵させることを自然発酵と言います。

ブドウを潰す

 次にブドウを大きなボウルに入れて潰していきます。果汁が染み出て実がしっかり潰れたら、じょうごを使い、潰したものを全てペットボトルへ。
発酵には酵素も必要になるので、少しだけボトルのフタを緩めて観察。菌が発酵する際に発生させる二酸化炭素はかなりの量になるようなので、破裂を防ぐためでもあります。さて無事に発酵してくれるでしょうか。

発酵がはじまる

 翌朝、様子を見るためフタを緩めるとプシュッという音が。すでに発酵が進んでいるようです。発酵で発生した二酸化炭素によって上層に浮き上がってくる果皮、果実の残骸は、そのままにしておくとカビが発生するもとになるため、1日に数回かき混ぜます。

2日目の夜、ペットボトルがパンパンに膨れ、泡立ちが見られるようになりました。

そして3日目、菌が活発に働いているようでガスの発生が止まりません。ガスを逃がしても容器がすぐに膨張します。

4日目の朝、ヨーグルトのようなニオイがして、発酵と呼んで良いのか、腐っているだけなのかと不安を感じました。その夜、もう一度確認してみるとワインらしい香りになっていて一安心。ガスが勢いを増して容器を変形させ、発酵が進んでいるのを感じます。

本来ならこのままさらに数日しっかりと発酵させるのですが、アルコール度数1%以上の醸造は禁止されているため一次発酵が終了する前に次の工程に移ります。

液体と分離させる

ペットボトルの中身を濾すためにザルに全部出します。この段階でワインらしい良い香りがしてきました。果皮や果実の残骸を押し付けるようにして果汁を絞り出し、液だけをもう一度ペットボトルに戻します。

出来はいかが?

冷蔵庫内で静かに貯蔵し、酵母や分解されずに残った果実の残骸などを沈殿させていきます。貯蔵して、透き通った上澄みがよく目にするワイン。

数日寝かせたら、いよいよ味見の時です。香りはワインそのものですが、飲んでみるとブドウジュースのような甘味とワインのえぐみの中間のような味わい。発酵は成功したようです。発酵の過程で勢いよく発生したガスの様子から菌の働きの力強さを感じることができました。