目の日焼け対策はじめませんか?

「紫外線」と聞いて、多くの方が「日焼け」や、それにともなうお肌のシミやシワを思い浮かべると思います。ですが紫外線が目にも悪影響を与えることは意外と知られていません。今回は紫外線によってどんなことが目に起こるのか見ていきましょう。

紫外線とは?

まず初めに紫外線とはどういうものなのでしょうか。太陽の光の中には下の図のように私たち人間が目で見て判別できる色(可視光線)と、そうでない光線があります。

また色は波長の長さによって変化し、赤色は波長が長く、紫色は波長が短くなり赤から紫までレインボーのように移り変わっていきます。一方で可視光線の外側の波長は私たち人間は色として見ることができません。紫外線というのは文字の通り紫色の外の線になります。化粧品などでは「UV」と表現されますが、これは「紫を超えた」という意味の”ultra-violet”に由来しています。

また反対側の赤色の外の線を赤外線といいます。紫外線の方が波長が細かい分、エネルギーが強くなるのが特徴です。

紫外線の影響が強く出る人・出ない人

人によって肌の日焼けのしやすさが違うように、紫外線が目に与える影響にも個人差があります。ではなぜこのような違いが出るのでしょうか?その違いの3つの要因を見てみましょう。1つ目が涙の量です。実は涙には紫外線に当たると発生する活性酸素を分解し、洗い流す役割があります。涙によって目が保護されているため紫外線による炎症が起こりにくくなるのです。一方で、涙の量が少ないと角膜が露出して傷がつきやすくなってしまいます。涙の量が少ないドライアイの人は、紫外線の影響が出やすくなる傾向があると言われています。また、目の色や骨格によっても影響の強さは左右されます。

2つ目の要因、目の色に関しては、薄い色をした目の場合は紫外線を通しやすく、目に何かしらの影響が出やすくなると考えられています。目の色は虹彩に含まれるメラニン色素の量によって変わってきますが、メラニン色素は有害な紫外線から身体を守る役割を持つ色素です。欧米人に比べると、日本人は比較的濃い色の虹彩の人が多いです。しかし、日本人でも目の色が薄い人は、サングラスなどを利用して目を守ることが大切です。

そして最後に、顔の骨格もリスク要因の1つとなります。彫りの深い人は、前頭部が帽子のツバのような役割を果たして目に浴びる紫外線を遮ります。ですが彫りの浅く平坦な骨格の場合は紫外線を目に浴びやすくなるのです。
目は外部に剥き出しとなっている唯一の臓器です。しかし日焼け止めを塗ることは難しい場所でもあるため、朝から夕方まで1年間を通して紫外線を浴び続けている状態です。ぜひ次に紹介する紫外線対策をしていきましょう。

紫外線から目を守るには?

晴れの日はもちろん、曇っていて日差しがない日も紫外線はしっかりと地上に届いています。1年を通して紫外線にさらされている目を守る方法にはどんなものがあるのでしょうか。目にも思わぬ影響を与える紫外線。これから紫外線がどんどんと強くなっていく季節のためしっかりと対策をして夏を迎えましょう。

サングラスや帽子で紫外線対策

紫外線から目を守る対策として効果的なのはまずはサングラスです。その際に注意することは、できるだけ色の薄いサングラスを使うという事。なぜかというと濃い色のサングラスをかけてしまうと瞳孔が開いてしまうため。瞳孔が開くということはその分紫外線が目の中に多く入るため、ダメージが大きくなってしまうのです。薄い色のサングラスは少し眩しいかもしれませんが、瞳孔の拡大を防げますので余分な紫外線は目の中に入りません。

普段からコンタクトレンズやメガネを着用している場合はUVカット付きの物を取り入れてみるのもいいでしょう。また併せてツバのある帽子をかぶっていただくのも効果的です。

健やかな肌を守る!抗酸化作用

食事から対策をすることも可能です。ルテインやビタミン、アスタキサンチンといった成分には抗酸化作用があります。抗酸化作用には紫外線の影響で酸化して起こる様々な病気を防いでくれる働きがあります。例えばルテインはほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれています。ビタミン類は特にCとEが抗酸化作用が高いと言われています。

アスタキサンチンはサケやイクラなど、赤い海産物に多く含まれており、高い抗酸化作用があると言われており、紫外線対策に有効と考えられています。

子供の頃から紫外線対策を

「小麦色の肌」は健康の象徴のように思われていた時代がありました。ですが近年は、日焼け止めをしっかり塗り、子供でも紫外線に気を遣う人も増えたのではないでしょうか?実は目のトラブルは一定レベルの強い紫外線を浴び続け、ダメージが蓄積することで起こると考えられます。

そのため将来の目の病気を防ぐためにも、子供の頃からしっかりと紫外線対策を行う事は重要です。紫外線が強い季節になってきたら、大人から子供に向けて、外で部活動をする際は帽子を、海などに行く際はサングラスをかける等の声がけを心がけましょう。