意外と知らない真実『細菌』と『ウイルス』の違いって?

寒さも本格的になった12月、やはり気になるのは体調管理ではないでしょうか。喉がイガイガ、鼻がズルズル、熱っぽくてボ〜っとするなど、ちょっと油断をするとすぐに体調が崩れてしまいます。そこで、健康の大敵である細菌やウイルスに関して特集します。

体内で爆発的に増殖する微生物たちの驚異

まず細菌は、たった1つの細胞しかないため、単細胞生物とも言われます。英語表記にするとBacteria(バクテリア)。私たち人間と同じように、糖や脂質、たんぱく質を栄養源として増えていきます。
そしてウイルスは細胞を持ちません。基本的に一つの遺伝子情報の核しか存在せず、その周りをたんぱく質の殻で包んでいます。そのため、自身の力で栄養を取り込んで繁殖することができません。生物の細胞内に侵入して融合し、その細胞のたんぱく質を使って遺伝子情報を複製することで増え続けていきます。この時期にかかりやすい風邪は、このウイルスによるもの。なんと200種以上も存在するとされています。

細菌とウイルスは効く薬が違う

体調が悪い時に病院に行くと、抗菌薬(抗生物質)を処方されることがあります。これは細菌に働きかけ、細胞壁を狙って破壊してくれる薬。例えば大腸菌が引き起こす腹痛などの細菌による不調には非常に有効です。一方、ウイルスによる風邪には抗菌薬の効果が発揮されません。不調の原因が細菌なのかウイルスなのか、自分で判断せずお医者さんの指示を守りましょう。
また、あくまでも症状を治すのは薬ではなく自分自身の免疫力。細菌やウイルスが体内に入ってきても撃退できるよう健康を心がけ、予防を怠らないようにしましょう。

ウイルスに寄生される前にワクチンで予防しよう

ウイルスから身を守るためには事前にワクチンを接種することが大切です。風邪のように数百のウイルスが関わる場合、同じ数だけワクチンを打つ必要があるため、あまり現実的ではありませんが、例えばインフルエンザは、インフルエンザウイルスしか存在しないため、ワクチンが有効です。また、子どもの頃にする麻疹や風疹の予防接種も、それぞれのウイルスを抑え込むために欠かすことができません。

【風邪対策で欠かせない空調管理】温度と湿度を調整し風邪予防を

風邪対策には温度と湿度の管理が欠かせません。しかし、細菌とウイルスでは上の図のように繁殖しやすい環境が異なります。温度と湿度が下がるとまさに冬の天気となり、ウイルスが活発に。特にインフルエンザウイルスは、温度が15℃以下、湿度40%以下を好む傾向にあります。しかし室内の温度と湿度を高めすぎると逆に細菌にとって快適な環境になってしまいます。その中間である温度20〜26℃で湿度40〜60%を維持するように心がけましょう。空調管理をしっかりして、今年の冬も健康に乗り切りましょう。