スマホ認知症と予防方法

現代に欠かせなくなったツールの1つにスマートフォンがあります。インタネットにいつでもアクセスできるほかSNSの普及によりついついスマホを触る時間が増えた人も多いのではないでしょうか。ですが、気を付けたいのがスマホの使い過ぎで認知症のような症状が発生することが分かってきたこと。一体、私たちの脳に何が起きているのでしょうか。

令和の病?スマホ認知症

最近になりメディアで使用されるようになった「スマホ認知症」という言葉。スマホ認知症とは医学的に正式な病名ではありませんが、スマホを長時間利用することで、脳への負担が増え認知機能が低下してまう事を言います。特徴としてはMRIでは異常はみられないものの、認知機能テストなどを使い調べていくと脳機能の低下が確認されるという事。

つまり脳細胞が壊れることに起因するアルツハイマー型認知症とは違うけれども、認知症と同じような症状がみられるのです。最近「人や物の名前が思い出せない」「怒ったり泣いたり感情のコントロールがしにくくなった」「料理が手際よく作れなくなった」という事があれば注意が必要です。まずはスマホ認知症のリスクがあるのか、スマホ依存度をチェックしてみましょう。

3つ以上当てはまったら要注意!!

スマホ依存チェックリスト

  • 家にスマホを忘れると不安になる
  • 毎晩寝る直前まで操作をしている
  • 疑問はすぐにネットで検索
  • 無意識に触れる時間が増えた
  • 着信音・バイブの「空耳」
  • すぐに手に取れる状態
  • 目的無くメール等をチェックする
  • スマホの写真やスクリーンショットで覚えておくものを記録する
  • スマホ以外で調べ物をしない
  • 少しでも時間が空くと触れる

脳の中がごみ屋敷?

絶え間ないスマホの使用は脳にどのような影響を与えるのでしょうか?スマホから、文字や映像などの情報が絶えず入ってくる事で脳が疲弊している状態となります。脳の情報処理には「入力」「整理」「出力」という3つの段階がありますが、スマホの長時間利用で支障をきたすのは2番目の「整理」をする工程です。通常、脳にインプットされた情報は前頭葉で整理整頓され、必要な時に取り出せるようになります。ところがスマホを使いすぎると膨大な情報が絶え間なく入力されるため、情報処理が追いつきません。すると脳内は情報がグチャグチャに溜まった「ごみ屋敷」のような状態になってしまうのです。その結果必要な時に肝心な情報が取り出せないといった現象が起こります。さらに脳内が「ごみ屋敷」の状態になると認知機能の低下以外にも様々な症状を引き起こします。

例えば、怒りやすくなるなどの感情のコントロールの低下、今まで好きだったものに熱意を感じなくなる集中力や意欲の低下、自分の思っている事を相手に伝えられないなどの言語力の低下などが表れます。さらに自立神経が乱れて慢性的な疲れや頭痛や腹痛などの症状も現れる事が懸念されています。

健康な脳を維持するスマホ認知症対策は?

スマホ認知症のリスクを減らすために、ぜひ次の3つの点を意識して実践してみましょう。

スマホの利用時間をチェック!

まずはスマホの利用時間を数字で認識し自覚することが大切です。そのためにはスマホにあらかじめ搭載されている「スクリーンタイム」機能を使うのが良いでしょう。スマホ全体の使用時間から、アプリ毎の使用時間まで分かるため自分の使用傾向がわかります。そのなかで使用を制限できるものはないか検討してみましょう。

「ぼんやりタイム」を取り入れる

5分でも良いのでスマホを触らない「ぼんやりタイム」を取り入れる事で脳機能の回復につながります。さらに散歩やお皿洗い等一定のリズムで体を動かすと幸せホルモンが活性化され脳のリフレッシュになります。その際にながらスマホにならないよう、デジタル機器は遠くに置いておきましょう。

温泉やサウナでデジタルデトックス

自分の身を置く環境を変える事も有効です。例えば、温泉やサウナではスマホの持ち込みを禁止している施設が多いため、デジタル機器から強制的に距離を置く事ができます。また温泉地など自然環境の中で過ごすことで、心身のリフレッシュを図り、デジタル機器への依存の減少が可能です。