質の良い睡眠とれていますか?

夏の間、暑くて寝苦しい夜が続きましたが、これからは秋の夜風が気持ち良い季節。ス〜ッと眠りにつき、朝までぐっすりできそう…と思っていたのに、なぜか眠れない。何時間寝ても眠いということはありませんか?下のグラフのように睡眠で悩んでいる人は20歳以上で4割近くもいることがわかっています。そこで今回は、睡眠の雑学と快眠ライフを送るための5つのポイントをご紹介します。

加齢に伴い省エネ体質で睡眠時間が短くなる

成人の標準的な睡眠時間は6〜8時間だと言われていますが、実は年齢を重ねるごとに短くなります。65歳以上になると、20代の頃と比較し1時間以上も短くなることも。この理由は、歳を重ねると代謝が低下するため、睡眠を長くとってエネルギーの使用量を抑える必要がなくなるからだと考えられています。

睡眠中は眠りの深さが変化している

睡眠中は、脳が活動し覚醒に近いレム睡眠と、休息しているノンレム睡眠を90〜120分サイクルで交互に繰り返しています。ちょうどレム睡眠中に起床するとパッと目覚めの良い朝を迎えられるので、起きる時間から逆算してみてはいかがでしょうか。

快眠ライフを送るための5つのポイントを心がけよう

  • 3食規則正しく腹八分目で
    1日3食を規則正しく摂りましょう。特に朝食は心身を目覚めさせ、夜の入眠のリズムを作るのに重要な働きをします。また、夕食は寝る3時間前までに済ませるようにしてください。
  • リラックスを心がけるように
    スムーズな入眠のために、おやすみ前はできるだけリラックスを。お風呂や読書、音楽鑑賞などで心を癒やしてください。ただ、アクション映画などは神経が興奮してしまうので要注意です。
  • 適切な運動を毎日の習慣に
    日中の運動は疲労感をもたらし、深い睡眠へと導いてくれます。できるだけ車を使わずに歩いたり、エレベーターよりも階段を使ったりしてください。ただし、激しい運動は逆に眠りにつきにくくなってしまうため、ほどほどが一番です。
  • タバコは睡眠を阻害します
    タバコに含まれるニコチンには強い覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は睡眠の質を低下させる原因にもなります。ちなみに、摂取したニコチンが体内から消えるまで48〜72時間もかかるとされています。
  • カフェインの摂り過ぎに注意
    滋養強壮に良いとされるエネルギードリンクや、食後の一杯のコーヒー、紅茶などには多くのカフェインが含まれています。中枢神経を興奮させる働きがあるため、就寝前の4時間以内の摂取は控えましょう。

睡眠はただ体を休めるだけではなく、体の修復を促し、神経のバランスを整え、記憶を整理するという役割も持っています。これら5つのポイントを抑え、ぐっすり気持ち良く眠ることが健康生活を送るためには重要。ぜひ実践してみてください。

睡眠中に分泌される重要なホルモン

睡眠中に分泌される健康維持に欠かせないホルモン。これらが正常に働くようにするためにも、睡眠の質を高めることが大切です。

  • 成長ホルモン
    子どもの頃に身長を伸ばしたりするホルモンですが、60歳を越えても分泌されます。エネルギー産生にも重要な働きを持っています。
  • メラトニン
    体内時計を正常に保ち、自然な眠りを誘います。このメラトニンが低下すると不眠になることもあります。
  • コルチゾール
    ストレスに負けない体の状態を作ってくれます。「つらい出来事も寝ればスッキリ!!」させてくれるのは、このコルチゾールのおかげなのです。

なんで体が動かないの!?金縛りは睡眠中に起きる脳の錯覚

寝苦しい夜…ハッと目が覚めると体が動かない。視界の端に何か得体のしれないものが見えている…こんな怖い体験、したことがあるという方もいらっしゃることでしょう。この「金縛り」の正体、実は科学で解明されているのです。レム睡眠中に目が覚めると、体は眠っているのに意識は覚醒しているという状態になります。つまり、目を開けているつもりでも、実は閉じているのです。この時、脳はつじつまを合わせようとして、見えていない視界を実際には見えていると勝手に錯覚。しかし体は動かないため金縛りを体験してしまうことになります。