血行不良・免疫低下に要注意『冷えは万病の元』

人間の体はもともと36.5℃で正常に機能するようになっています。体温が下がるとエネルギー代謝が衰え、老廃物の排泄も滞り、太りやすくなったり生活習慣病などの危険性も増します。そして特に気を付けたいのが免疫力の低下です。

免疫の役割とは

免疫とは体内に侵入した病原体やがん細胞などの異常を検知して撃退するシステムのこと。大きく分けて『自然免疫』と『獲得免疫』という2つに分類されます。自然免疫は例えるなら警察官。害となる異物が混入していないかパトロールし、発見次第、排除するよう働きかけます。そして自然免疫だけでは対処しきれない場合は獲得免疫の出番。いわば機動隊です。非常に強い攻撃力で異物や異常を制圧。これらの出動情報は常に記録されており、再度同じ状態に陥ってもスムーズに対処できるような仕組みになっています。
そして免疫は体温と非常に密接の関係があります。たった1℃体温が下がることで、免疫を司る白血球の働きがダウンするという報告もあり、まさに冷えは万病の元。体温を正しく保つようにしましょう。

毎年流行するウイルス『インフルエンザ』発症は免疫力で決まる!

冬の不調と言えば、毎年大流行するインフルエンザではないでしょうか。普通の風邪とは異なり、突然の38℃以上の高熱や、関節痛、筋肉痛、頭痛などの他、全身倦怠感、食欲不振など、その症状は全身に及びます。また急激な体調の悪化も特徴の一つで、最悪の場合、インフルエンザ脳症や肺炎を発症し、死に至るケースも少なくありません。

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで起こります。主にA型、B型、C型の3種があることが広く知られており、中でも人に感染しやすいのがAとB。そしてよく耳にするのが鳥インフルエンザです。
もともとインフルエンザはカモなどの水鳥や渡り鳥の腸に多く存在していました。これらの鳥が季節によって住処を変える時、アヒルやニワトリと接触。ここから家畜へと伝わり、人へ感染するものが生まれていると考えられています。これの恐ろしいところは、遺伝子再集合と言って、同じウイルスでも遺伝子の違うものが集まり、それら同士が混ざり合うことで新種が誕生する可能性があるという点。今までにないインフルエンザが誕生すると、今のワクチンが効かない恐れもあります。だからこそ普段から免疫力を高め、自身の力で撃退できるように備えておく必要があるのです。

  • A型インフルエンザ
    最も激しい症状がでるタイプのインフルエンザ。通常、一度かかれば体内でそのウイルスに対する免疫機能が作られ、抵抗力がアップするのですが、A型は常に進化し続けるため、ワクチンなどでも予防しにくいことが特徴です。
  • B型インフルエンザ
    A型のように大きな流行を起こさないと言われているインフルエンザ。腹痛や下痢などお腹の症状に悩まされます。人と人の間でのみ感染します。
  • C型インフルエンザ
    ほとんどの大人が免疫を獲得しているインフルエンザ。通常の風邪程度の症状が出ます。