2025年を迎え、気持ちは前向きでやる気に満ち溢れていても、やはり寒波には敵わないもの。そうなると気になるのが慢性的な冷えです。暖房の前で体を温めてもなかなか芯からポカポカしてきません。そんな冷えの原因、気温以外にもあるのでしょうか?
体の末端から体温が届きにくくなっていく
まず冷えは『冷え症』と書かれることもありますし『冷え性』が一般的だという認識の方もいらっしゃることでしょう。実はどちらも正解ではありますが、少し意味合いが違います。
まず『冷え症』は、病院の検査で異常が見られ、治療が必要と診断された状態です。特に東洋医学においては一つの病気として確立されています。
一方『冷え性』は、異常がないのに体が冷えやすかったり寒気を感じやすい状態。つまり「冷え体質」の人を指す言葉です。とは言え『症』でも「性』でも、冷えを感じて悩んでいることに違いはありません。
どちらにも深く関係しているが血行の滞りや自立神経の乱れ。そして筋肉量の低下です。これらによって体温調節がうまく機能しなくなり、心臓から遠い部位から熱が届きにくくなってしまうのです。
こうして体温が下がり続けると大きく影響をうけるのが免疫。なんとたった1℃下がるだけで約30%も抵抗力が下がるともいわれています。これが「冷えは万病の元」と言われる所以でしょう。逆に腹部を温めると血中のリンパ球が増加し、風邪に強い体に変化するという試験結果も出ています。

冷えタイプ4種類
冷えが気になる部位によっても、その原因は様々です。そこでよくある4種類の冷え性についてご紹介しましょう。
四肢末端型
10代から20代の女性に多いタイプ。過度なダイエットや栄養不足が原因であることが考えられます。また肩こりや頭痛も併発することが特徴の一つです。

下半身型
姿勢の悪さや長時間のデスクワークによって骨盤がゆがみ、下半身の血流が滞ってしまったために起こる冷えです。しっかり入浴し、こまめにストレッチをすると改善されることもあります。

内蔵型
自律神経の乱れが原因となり手足の血管収縮が滞るため、内臓に血液が行き渡らなくなった冷えです。主にストレスが原因とされており、下痢や倦怠感を引き起こすこともあります。

全身型
基礎代謝が低下したために起こる冷えです。体温自体が下がりやすくなっているため、風邪をひきやすかったりお腹を壊しやすいなどの症状も現れます。

冷えやすい人は注意したい食べ物を薬膳から考える
寒涼性の食材に要注意
東洋医学で病気とされる『冷え症』。薬膳には食材一つひとつに特性があると考えれれており、主に寒・涼・平・温・熱の5段階に分けられます。読んで字の如く、体を冷やす・温めるという意味。寒と涼の特性を持つ食材は、冷えが気になる方はできるだけ避けた方がよいでしょう。


寒い日はホットコーヒを飲みたくなりますが、実は涼の特性があります。
発酵すると性質が変化!!

寒涼性の食材でも調理方法や発酵によって特性が変化することもあります。その代表が納豆やキムチ。大豆は平性ですが、豆腐になると寒涼性。納豆だと温熱性になります。
冬のお供”カイロ”の雑学
外出時のポカポカ対策

寒い日の外出時、ポケットや靴に入れたり腰に貼ったりして冷えから守ってくれるカイロ。漢字だと「懐炉」と書くことをご存じでしょうか。懐(ふところ)の炉(ろ:火を燃やす場所)とは、なんとも上手な言葉ですね。
カイロの歴史は古く、18世紀頃までは温めた石や砂を布にくるんでいたそうです。今の使い捨てカイロが登場したのは1975年以降。なんと24時間以上も温かさが続くものも登場しています。
鉄が酸素と結びつき、酸化鉄となる時に発生する熱を利用するという原理のカイロ。それを調節するために活性炭や保水剤、塩なども使い捨てカイロの中には含まれています。