脳をリフレッシュさせる!昼寝でパフォーマンスアップ

昼食後、ぼ~っと眠気に襲われて、そのまま夢の世界へ・・・なんてことありませんか?とても気持ちのいい昼寝、もちろん寝過ぎには注意ですが、驚くべき効能もあるのです。

眠くなったらベッドへ直行!!が望ましいですが、パワーナップをする時は起きやすさも大切。ほどよい雑音がある場所を選び、座ったままひと眠り・・・がおすすめです。

大企業でも取り入れる仕事効率アップの昼寝

ちょっと昔なら「仕事の合間に寝るなんてもってのほか!」という考えが当たり前だったかもしれませんが、人間の睡眠における作用に関しての研究が進むにつれ、逆に昼寝を推奨する企業が増えてきました。特に世界規模のIT企業をはじめ、今では日本でも仮眠室を設置する会社も珍しくありません。

昼食後、ぼ~っとした状態で仕事を続けるよりも、短時間だけ仮眠をとった方が、良いアイデアが生まれやすいとされています。

この仕事の合間の昼寝をパワーナップ(積極的仮眠)と呼びます。提唱したのは社会心理学者のジェームズ・マース氏。そして科学的効果を証明したのはNASA(アメリカ航空宇宙局)です。

1995年頃からNASAで行われている睡眠研究では、昼に26分間仮眠をすることで、認知能力が34%、注意力は54%も向上するとういう結果が出たそう。この理由は、人間の生体リズムに起因します。

まず、もともと人間の体内に備わっている体内時計は、夜眠くなり昼は目が冴えるというサイクルではありません。午前と午後の2~4時間頃に眠気が訪れるような周期になっています。そのため、昼下がりに眠くなるのは人体の摂理。昼間に一時的に睡眠をとり、眠気を解消することは生理的にも理にかなっているのです。

早食い・ドカ食いは要注意!!

昼間に眠たくなる理由とは?

お昼ご飯を食べた後、急激な眠気が・・・という経験、ありませんか?これは体内時計だけが影響しているのではなく、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足しているから。早食いドカ食いをすると血糖値が急激に上昇し、それを抑えるためにインスリンが過剰に分泌されます。そして血中のブドウ糖が逆に不足してしまい、脳がエネルギー不足に陥り、眠気が現れるのです。

急いで昼食を摂る → 血糖値が急上昇する → インスリンが過剰分泌

→ 脳のブドウ糖が不足 → 睡魔に襲われる・・・

※インスリンとは膵臓から分泌されるホルモンの一種で、血糖値をコントロールする働きを担っています。

とは言え、睡眠欲のままに眠り続けては本末転倒です。ポイントは「軽めに寝ること」。レム睡眠とノンレム睡眠という言葉をきいたことがある人も多いでしょう。眠りが深い状態のノンレム睡眠は4段階に分かれ、深くなればなるほど体も休まりますが、短時間で起きるのが難しくなってしまいます。そのため昼寝は脳の情報が整理される入眠後20分程度が効果的。頭がスッキリした状態で起きることができるため、その後の作業効率が大幅にアップするのです。

レム睡眠とノンレム睡眠

脳だけ休ませるのが昼寝のポイント

レム睡眠は覚醒後の浅い睡眠状態。体は休息状態でも脳は活発に働いており、情報の整理をしている状態です。そして夢を見て覚えているのもレム睡眠。ノンレム睡眠とは、体も脳も休んでいる深い状態の睡眠で、昼寝をする時はステージ2の睡眠深度が理想だとされています。市販のスマートウォッチで睡眠の質を計れるものもありますので、理想の昼寝を追求したいなら、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

睡眠不足が問題視

日本における経済損失はなんと〇%もあった!!

日本は先進国の中で特に睡眠時間が短いということが分かっています。なんと東京都民の平均睡眠時間は5時間台で、世界一眠らない都市と言われていることも。また、睡眠不足を原因として経済損失はGDPあたり約3%という調査結果も出ています。

眠りの質は脳の機能にも影響する

認知機能を維持するためにも良質な睡眠を心がけよう

アメリカで行われたある研究では、睡眠が安定している人に比べ睡眠障害を抱える人は認知機能に悪影響を及ぼす「アミロイドβ(ベータ)」という物質の蓄積が5.6倍多いことがわかりました。また最近の研究では、昼寝の習慣がある人は認知機能を維持しやすいこともわかっています。

ただし、何時間も昼寝をして良いわけではありません。認知機能の維持に役立つ昼寝の時間は20分~30分程度です。また15時以降の昼寝は夜間の睡眠に影響を及ぼしてしまいます。遅くても15時までに起床できるように調節しましょう。また、寝起きがつらい・・・という人は、昼寝前にコーヒを一杯飲んでおくのもススメです。カフェインの効果で、スッキリと起床することができます。