強力な紫外線から身を守りましょう

紫外線は体に良くない、健康に悪影響を与えるということは一般的に広く知られています。しかし、紫外線とは一体どんなものなのかを説明できる人は少ないのではないでしょうか。そこで、まずはどのような特性を持っているのかをご説明していきます。

健康的な小麦色の肌は本当に健康なのか

真夏の太陽で焼けた小麦色の肌、まさに健康美だと思いますか?答えは否。そもそも日焼けとは、肌が実際に焦げて黒くなっているわけではなく、私達の体が紫外線による被害を防ごうとするための防衛反応なのです。ただ、その効果を日焼け止めに例えると「SPF4」程度。SPFとは「サンプロテクションファクター」の略で、紫外線による炎症防止力を示した数値です。市販の「SPF30」などの日焼け止めと比較し、人体が持つ紫外線防衛力は非常に弱いことがわかります。

紫の線と言っても目には見えない光です

紫の外にある線と書いて紫外線。「紫外線って目に見えないのにどうして紫がつくんだろう?」と不思議に思って人もいるかも知れません。実はこの色、光の波長の長さで変化するんです。紫外線の波長は、人の目が色と認識できる光の波長よりさらに短くなっています。そのため紫と言いつつも、目で見ることができないのです。

太陽からの光は、波長によって赤外線、可視光線、紫外線に分けられる。およそ380〜780ナノメートルの可視光線より波長が短いものが紫外線。

紫外線が人体に及ぼす影響を数値化

紫外線にも、風のような強弱、気温のような体感があれば「多い・少ない」がわかりやすいのですが、見えないためそうもいきません。そこで国際的に定められた指標が「UVインデックス」です。数値が高いほど人体への影響が大きくなっており、天気予報の紫外線指数もこの「UVインデックス」を基準にしています。
下は2017年の月毎における日本各地の「UVインデックス」をグラフ化したもの。7月〜8月に紫外線が多くなっていることが一目瞭然です。この時季の外出時は必ず日焼け止めを塗り、帽子をかぶるようにしましょう。

11以上:極端に強い

8〜10:非常に強い
日中の外出はできるだけ控えましょう。どうしても外に出なければいけない場合は、必ず長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しましょう。

6〜7:強い

3〜5:中程度
日中は日陰を利用するようにしましょう。念のため、紫外線対策も忘れずに。

1〜2:弱い
安心して戸外で過ごせます。

3種類ある紫外線の違いを解説

紫外線と言っても、実は波の長さによって3種類に分けられています。ここでは、それぞれの紫外線の特性をご紹介します。

UV-A

波の長さが315〜380ナノメートルの紫外線。地球の周りにあるオゾン層を通過できる特性を持っています。人が浴びると肌の内部にまで影響を与えるとされており、コラーゲンやエラスチンといった美容成分を破壊してしまいます。

UV-B

人体にとって特に有害な紫外線。気象庁では、UV-Bの波の長さは280〜315ナノメートルと定めています。水や地面、コンクリートなどに反射する特性があり、空気中に長時間存在します。

UV-C

波の長さが100〜280ナノメートルの紫外線。オゾン層でほぼ全てが遮断され、地上には届きません。人工的に作り出されたUV-Cが、殺菌などに利用されることもあります。

紫外線をカットする地球のバリア!オゾン層を大切にしよう

紫外線問題を語る時、切っても切り離せないのがオゾン層。オゾンとは酸素の原子が3個くっついた成分のことです。地上から約50kmの高さに存在し、地球上の全ての生物に大きな被害を与えるUV-BやUV-Cという紫外線を遮る役割をしてくれています。特にUV-Cの生命への影響は絶大で、遺伝子レベルでダメージを与え、DNA配列の転写・複製を狂わせるほどです。つまりオゾン層がなければ私達は生きていくことができません。


なのにもかかわらず、人間はこのオゾン層を破壊するものを作ってしまいました。それがフロンガスです。塩素と炭素、フッ素からできたこの物質は、人体にとって直接的な悪影響がなく、燃焼もしないことからスプレーの噴射剤、エアコンや冷蔵庫の冷媒として広く活用されてきました。しかし、空気中に放出されたフロンは大気圏で紫外線によって分解され、オゾンを壊し続けることがわかったのです。そのため先進国では90年代半ばからフロンの製造を禁止しました。日本でもそれにならって、オゾン層保護法が制定されています。

紫外線をカットする衣類の豆知識

女性は特に気にする日焼け。日焼け止めはもちろん、帽子をかぶったり日傘をさしたり、様々な紫外線対策をしているのではないでしょうか。そこで、さらに紫外線をカットするための豆知識をご紹介。目には涼しくないかもしれませんが、濃い色は紫外線を遮る力が強いため、黒や群青、茶色などの服を着るのがオススメです。