信州安曇野の伝統行事「三九郎」

だいにち堂飯沼です。

ここ安曇野では小正月の行事として『三九郎』という昔から受け継がれる伝統行事があります。木や竹で骨組みをし周りに茅や藁、正月飾りやダルマなどを飾り付けたやぐらを無病息災や家内安全を願いながらお焚き上げて、地区の子供たちが木の枝に刺したまゆ玉やマシュマロを炭火で焼いて食べます。これに似たような行事は全国でもあるでしょうが『三九郎』と呼ばれるのは長野県内でも松本・安曇野地域の中信地方だけのようです。

この『三九郎』、以前は地区ごとに子供たちが主になり行っていましたが昨今は環境への配慮や少子化、保護者の都合により継承されず行われない地区が多々あるようです。

とある地区でも諸事情で地区行事としては行われなくなったのですが、伝統行事として継承されないことを疑問視した長年そこに住まわれるある人が一念発起、数年前から実家山林から竹や木々を伐採し自己所有の農地にやぐらを組み個人的に『三九郎』を小正月に行っています。その日は独立されたご親族やお孫さんが集まり料理も振る舞われ、こじんまりな中でも賑やかに執り行われるようです。

大きな火となりますのでもちろん消防署への書類提出も必要ですが、それもご家族が担当しています。そのご家族の心意気が伝わってくるようなあったかい話ですね。