食欲不振はどこから?夏こそしっかり食べよう

夏真っ盛り、じっとしているだけで汗が噴き出すような暑い日々が続きますね。暑いからと冷たいものばかり飲んでいたら、なんだか食欲がわかないという方も多いかもしれません。でも元気な体を作るためにはしっかりと食べることが大切です。そこで今回は、私たち人間の食欲について特集します。

食欲はコントロールされている

私たちに備わっている食欲は、空腹を感じて食物を食べる願望です。体内の状態を察知して、必要なエネルギーや栄養を摂るために調節されています。そんな食欲をコントロールしているのは脳の視床下部というところ。視床下部にある摂食中枢が「脳にエネルギーが足りていない、補給せよ」と指令を出します。これが空腹を感じる原理です。
反対に、食事を摂り血糖値が上昇すると満腹中枢が「エネルギー量は十分。もう食べるな」と指令を出し、お腹一杯だと感じる仕組み。それだけではなく視覚や嗅覚、味覚などの刺激や精神的ストレスなどによっても食欲は変化します。

睡眠や運動の不足に要注意

睡眠や運動も食欲に影響することが明らかになっています。生活リズムが乱れて睡眠不足や運動不足が続くと食欲のコントロールに影響して、食欲過剰になったり反対に食欲不振になったりします。規則正しい生活を心がけることが、正常な食欲を維持するために大切なのです。

現代人は胃腸の冷やしすぎ?

現代はコンビニや自動販売機などで冷たい飲み物がすぐ手に入ります。暑いからといって冷たい飲み物や食べ物ばかり口にしているうちに食欲がなくなってしまったということはありませんか。そうした過度な飲食が胃内の温度を下げて胃液を薄め、消化不良を引き起こす原因になります。胃の辺りにポチャポチャ水が溜まっている感じがしたり、お腹がグルグル動いている感じがする時は要注意です。

自律神経の乱れが食欲に影響する?

外の暑さとクーラーの効いた室内の温度差にさらされていると、気付かないうちに体を冷やしすぎていることがあります。体温調節がうまくいかなかったり、過剰な発汗で体の水分が不足している時は自律神経の働きが悪くなりがちです。健康体であれば食後は副交感神経が働き、胃腸機能が活発化して食べたものを消化していきます。しかし自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になり続けると消化機能が低下して、消化不良を起こすのです。夏バテがまさにこれにあたります。他にも、睡眠不足やストレスによる自律神経の乱れも食欲がわかない原因になります。
また、屋内で過ごす時間が多かったり、加齢などで運動量が低下すると、筋肉量が減り基礎代謝もダウン。下がった消費エネルギー量に見合うように食事量も減っていきます。さらに、胃液など消化に必要なものの分泌も減ってくるため、消化自体の力も下がって、量が食べられなくなってくるのです。

食欲が無い時は自分を労わる時

食欲が無い時は心身が疲れていることが多いものです。しっかり休養と睡眠をとり、体力の回復につとめてください。溜まったストレスを解消することも大切で、軽い運動をしたり、入浴などでゆったりと体を温めたり、リラックスする時間をもつように心がけてみましょう。
また、食事の摂り方も工夫が必要で、色々食べるのが難しい時は、不足しがちなビタミン類などの栄養を中心に確保することも大切です。

軽い運動も食欲改善に有効

食欲不振を改善するためには軽い運動も有効です。自律神経のバランスを整えてくれ、適度な疲労感は睡眠の質を向上させます。さらにはエネルギーを消費して食欲が増加したり、冷えに負けない体作りの助けに。有酸素運動は気軽に取り組みやすく、調子を整えるためにも有効ですのでぜひ取り入れてみてください。また「早寝早起き」「1日3食」など規則正しい生活を意識しつつ体を動かすことによって、食欲もわいてきて、気分もスッキリとしてくるでしょう。

食欲調節のメカニズム

食欲は、脳の視床下部にある「お腹が空いた」と感じる摂食中枢と「お腹一杯」と感じる満腹中枢によってコントロールされています。どちらか一方が活発に活動している時は、もう一方の働きは抑制されます。

いつもの食事に足すだけで簡単薬膳に!胃もたれ・食欲不振を改善

食欲不振の時には、薬膳を意識した食事がおすすめです。夏は火を使う料理もおっくうになりますが、普段の食事に胃腸機能を高める香辛料や香味野菜を加えたり、香菜やバジルをトッピングしたりするだけでも立派に薬膳メニューです。

おすすめの香辛料

  • 唐辛子
  • 山椒
  • 胡椒
  • フェンネル
  • クローブ
  • ナツメグ
  • シナモン

おすすめの香味野菜

  • ニンニク
  • ショウガ
  • タマネギ
  • ニラ
  • 香菜
  • バジル
  • ミョウガ

デザートは別腹って本当なの?

お腹一杯なのになぜかデザートなら食べられる…。皆さんも「デザートは別腹」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。この『別腹』の正体は、『オレキシン』という脳内ホルモンだと言われています。「甘いものはおいしい」という記憶・知識により食欲を調整する中枢を刺激。オレキシンの働きが胃を緩めて小腸に内容物を送り出します。そして、胃に新たなスペースが生まれて別腹の誕生となるわけです。つい手がのびてしまう食後のデザート。食欲があるのは良いことですが、食べすぎには注意しましょう。