えがおぶらり旅|新潟編

本州の日本海沿岸にある新潟県は、「端から端までが非常に長い県」としても知られています。そのため、この地域は行ったことがあるけど、こっちの地域は行ったことが無い…など、全ての地域を訪れたことのある方はなかなか少ないのではないでしょうか?また、それぞれの地域ごとに違った産業が盛んで、様々な特産品が多くあるのも特徴です。そこで今回は、私たちがお客様の取材で訪れた、糸魚川市と小千谷市について、これぞ!という有名なものをご紹介します。
※この取材は2019年に行ったものです。

【糸魚川市】日本最大のヒスイの産地

ヒスイ(翡翠)は宝石の一種で、古くから日本で広く長い間利用されてきました。地質学的にも「日本ならでは」の石であることから、平成28年(2016年)には日本鉱物科学会によって「国石」に選定されました。しかし当初は、日本にヒスイの産地はなく、海外から持ち込まれたものである、と考えられていたそうです。約5000年前の縄文時代、糸魚川でヒスイの加工が始まりました。その後の弥生時代、古墳時代を通して非常に珍重されましたが、奈良時代以降には全く利用されなくなってしまいました。そのため、糸魚川でヒスイが採れていたことも忘れ去られてしまったのです。
しかし、昭和13年(1938年)に糸魚川を流れる姫川の支流、小滝川で再びヒスイが発見されました。これらは、日本で出土した勾玉や大珠などと同じであることも確認され、さらに後の調査で、青海川上流でもヒスイが発見されたのです。これが、糸魚川の「ヒスイふるさと」の始まりでもありました。
現在は、明星山の切り立った岩壁が、小滝川の清流に落ち込んでいる一帯をヒスイ峡と呼んでいます。昭和31年に国の天然記念物に指定されたため、ここでヒスイの発掘をすることは禁止されていますが、上流から流れ着いたヒスイが見つかるスポットとして、ヒスイ海岸が観光客に人気を集めています。

【小千谷市】錦鯉の発祥の地

「泳ぐ宝石」とも呼ばれ、近年愛好家が増加中の錦鯉ですが、小千谷市が発祥であることはご存知でしょうか?錦鯉が初めて出現したのは、19世紀前半の江戸時代、文化・文政の頃。新潟県の二十村郷(現在の小千谷市・長岡市の一部)で、食用として飼われていた鯉に、突然変異で色のついた変わりものが現れたのが最初と言われています。その後、研究や改良が重ねられ、現在の美しい錦鯉へと移り変わりました。今では、錦鯉といえば小千谷市、と言われるほど全国的に知られるようになり、国内はもちろん海外においても高い評価を得ています。また、錦鯉は平成16年10月に発生した新潟県中越地震からの復興の象徴として「小千谷市の魚」に制定され、さらに新潟県のシンボルとして「県の鑑賞魚」にも指定されました。
そんな錦鯉の歴史を学び、実際に見ることができる世界唯一の施設が「錦鯉の里」です。大きな観賞池だけでなく、屋外には日本庭園が広がり、季節の草花と一緒に優雅に泳ぐ錦鯉の姿を楽しむことができます。
錦鯉の美しさの基準は、体形・色彩・斑紋の3つが基本になります。背筋がまっすぐでボリュームがあり、均衡のとれた「体形」。鮮明で深みのある「色彩」。左右のバランスがとれた「斑紋」。この他にも鱗の並びや艶など、錦鯉の見所はたくさんありますが、これらを総合的に満たし、品位があるほど美しいとされます。また、品種は代表的なものだけでも40種類ほどあり、色は赤や白、黒以外にも黄金色や藍色など様々です。皆さんも一度「錦鯉の里」に訪れ、お気に入りの錦鯉を探してみてはいかがでしょうか。