これからも若々しく過ごしたい!大人の女性「体と健康」

女性は40代に入ると体の不調が多くなるといいます。体が重かったり、気分まで憂鬱になる日があったり…。そこで女性特有の様々な不調を厳選してピックアップ。女性の体では一体何が起こっているのかを解説します。

【不調①】イライラ、発汗、動悸「更年期」「女性ホルモンの減少」

女性の体は45歳くらいから大きな節目を迎えます。加齢とともに卵巣機能が衰え、女性ホルモンが急激に減るためです。月経が不順になり、閉経へと向かっていきます。閉経の平均年齢は50.5歳。一般的にその前後10年間である、45〜55歳を更年期と呼びます。とはいえ、更年期は病気や不調を指す言葉ではありません。思春期と同じ、人生のひとつの時期を指す言葉です。

更年期になると、女性ホルモンが減少。それを感知した脳は「もっと女性ホルモンを分泌しなさい」という司令を卵巣に送り続けます。ところが、衰えた卵巣はそれに応えることができず、ホルモンバランスが崩れたままになり、脳がパニックを起こしてしまうのです。

さらに脳のパニックを受けて、自律神経も乱れ始め、それによって、イライラ…発汗…動悸…ほてり…といった自分の力ではコントロールできない更年期の典型的な症状が現れます。女性ホルモンは血液を通して全身を巡り、血管、粘膜、骨などあらゆる組織に作用して女性の美と健康を保つもの。そのため更年期になると、口の乾燥や頭痛、めまいなどが起こりやすくもなります。

更年期や女性ホルモン低下の影響を和らげるには、まずは体調を整え、バランスの良い食生活を送ることです。特に摂りたい成分がたんぱく質で、心の元気を保つために欠かせない栄養が含まれています。また、筋肉のもとにもなるので代謝の改善にも役立ちます。ぜひ、たんぱく質を積極的に摂ってみましょう。

▶1日に摂るべきたんぱく質の目安

  • 牛乳・・・コップ1杯
  • 豆腐・・・半丁
  • 納豆・・・1パック
  • ・・・約100g
  • ・・・切り身1切れ

【不調②】咳やくしゃみで出る、回数が多い「尿の悩み」

年齢を重ねるにつれて増える尿の悩み。尿漏れは、卵巣からのホルモンの減少によるもの。エストロゲンの分泌が減ったことで膀胱括約筋が緩んでしまうのです。そのため、咳やくしゃみなど、ちょっとした時に尿が漏れてしまいます。

一方、頻尿で悩む方も多いのではないでしょうか。頻尿を気にする方のなかでできるだけ水を飲まないようにしている人がいますが、これは逆効果。水分を摂る量が不足すると、血液が濃縮して、赤血球にも変化が。それを異物と感じた腎臓が、体から追い出そうとして、尿意を感じやすくさせてしまうからです。水分は積極的に摂るよう意識してみましょう。

尿漏れ、頻尿ともに女性向きの改善法としてオススメの運動があります。それが「骨盤底筋体操」と呼ばれる体操です。骨盤底筋というのは尿道、膀胱などを支える筋肉の総称で、これが弱まると頻尿、尿漏れの発生率が上がってしまいます。軽度の頻尿、尿漏れであれば、骨盤底筋を鍛えるだけでも改善できる可能性があります。ぜひ試してみましょう。

◎尿の悩みを解消する「骨盤底筋体操」:前後10歩×5セット

両足を前に揃えて座ります。両肘を上げて、腰をひねりながらお尻で骨盤を押し出すように10歩前へ進みましょう。
後ろへと10歩進みましょう。前後あわせて5セット行いましょう。

【不調③】年齢を重ねると折れやすくなる「骨粗しょう症」

女性は閉経後10年間で約15%骨密度が下がると言われています。そして、骨密度が70%を切ると骨粗しょう症と診断されるのです。ところが骨密度は日常的に目で見ることができません。本人に自覚がなく、ある日転んだら骨折してしまったなんてことも。腕や足が折れる骨折だけではなく、知らず知らずのうちに折れてしまう背骨の骨折なんかもあります。

これは背中が丸くなり、腰が痛くなるなど、老けていく大きな一因にもなるのです。また骨がもろくなると、生活の質が極端に下がり、引きこもり、運動不足、食欲不振の負のスパイラルが始まり、それが引き金で認知症になってしまうというケースもあります。その他、骨から分泌される体に良い成分オステオカルシンが減り、免疫力が下がったり、肝機能の低下も起こり得るのです。このようなことを防ぐためには、骨を健康に保つための生活習慣が非常に重要になってきます。

実は骨は新陳代謝をしており、その周期は一般的には約5ヶ月、全身の骨は3年ほどで生まれ変わります。骨の細胞が血液中のたんぱく質やカルシウムを得て、新しい骨を作っていきます。なかでもカルシウムはとても重要な成分で、心臓や血管と取り合いになり、骨がカルシウムを手放してしまうことも。

また、たんぱく質は骨を作るうえで土台になるので、こちらもカルシウムに並び重要な役割をします。加齢とともに骨を作る力は確かに衰えますが、新陳代謝があるため良い健康習慣を心がければいくつになっても骨は丈夫に育ちます。

◎かかと刺激で骨密度アップ!:10回×1日3セット

体重によってかかとにほどよい刺激が加わることで、骨の代謝を刺激し、新たな骨づくりを促します。

①つま先立ちになりましょう。
②ストンとかかとを落としましょう