今年も花粉症の季節がやってきた!

花粉症に悩まされている人は、毎年清々しい春を楽しみにくいもの。どんな年であれ、樹木はしっかり花粉を飛ばします。これを書いている私も、実は30年近く花粉症を抱えております。花粉の写真を見たりメカニズムを調べたりするだけで、なんだか鼻がムズムズしてきました。

今年の花粉の状況は多い?少ない?

さて、今年の花粉傾向は多いのか少ないのか、どちらなのでしょうか。2021年夏の気象条件および春の花粉数が平均よりやや少なかった状況から、2022年春の花粉飛散数は全国的に多くなる見通しで、東北から関東、北陸、東海にかけては、2021年の1.5倍から3倍に増加し、2022年春は花粉の飛散期間が長くなると予測されているそうです。万全の対策が必要ですね。

つらい時に飲むアレルギー薬

花粉症のメカニズムは免疫の過剰反応だと言われています。鼻腔内に侵入してきたスギ等の花粉を外敵だと認識し、くしゃみや鼻水とともに体外へ追い出そうという防御機能。とは言え1日中くしゃみや鼻水、かゆみが止まらないと仕事や家事は全く捗りませんし、テレビや本も楽しむことができません。

そこで、なんとか症状を和らげたい時に欠かせないのがアレルギー反応を抑制してくれる薬です。テレビCMなどで毎日のように放映されていますが、同時に『ヒスタミン』という言葉も目にしたことはありませんか?アレルギー抑制薬に必ずと言っていいほど記載されている『ヒスタミン』とは、一体何なのでしょうか。

ヒスタミンってよく聞くけど、ナニモノなの?

一般的にヒスタミンは、鼻水やかゆみを発症させる悪者のように認識されています。しかし、実は人体にとって欠かせない役割を担っています。

くしゃみや鼻水を発生させて外敵を追い出す機能以外にも、骨粗鬆症になりにくくしてくれたり、傷の治りを早くするなどの働きがあることがわかっています。さらに抗ストレス・抗疲労作用や、認知機能を高め頭をシャキッとさせる機能も確認されています。

抗ヒスタミン作用を持つアレルギー薬を服用すると、眠くなったりぼーっとしたり…そんな副作用が現れやすいのですが、これは本来のヒスタミンの働きを無理に抑えているためだと言えるでしょう。とはいえ、花粉症はつらいもの。薬とのバランスを考えて、上手く対処していかなければいけませんね。

【花粉症ランキング】最も悩んでいる人が多い県はどこ?

皆さまの周りに花粉症で悩んでいる人はどれだけいますか?実は東西南北、各地域によって花粉症に悩む人と花粉症でない人の比率は思っていた以上に差があることがわかりました。下は花粉症に悩む人が多い上位5都道府県と下位5都道府県を表にしたものです。

日本人と杉の関係

花粉症は、全国民のおよそ30%が悩んでいるとされている国民病。それによって杉の木は、かなりの悪者扱いをされているのではないでしょうか。しかし、実は日本人と深い関わりがある樹木です。

まず、杉の学名は『クリプトメリア・ジャポニカ』。隠された日本の財産という意味を持っています。1種1属で、日本にのみ生育する固有種です。環境への適応力や病害への抵抗力の強さも特徴で、さらに成長が早く二酸化炭素の吸収量も大きいという優れた点も挙げられます。

そんな杉の活用は弥生時代にまでさかのぼります。まず水田の矢板として利用され、室町時代には本格的な植林が始まりました。軽量で加工しやすく、湿度を一定に保つという建築物には欠かせない働きもあるとともに、香り豊かで美しい木目も人気の理由でした。現在では、日本の国土のおよそ12%を杉の人工林が占めています。