増大にも減衰にも注意!食欲を制する「ホルモン」

皆様、お腹空いた〜という食欲はどこから生まれるかご存じでしょうか?当然、脳…?いえいえ、お腹といえば、もちろん胃です。

日本で発見された食欲ホルモンとは?

事実、1999年に日本の研究所で胃から分泌されるグレリンという食欲ホルモンが発見されました。空腹時に胃から血中に流れ出し、脳の摂食調整部位に作用。「食べたい!」という欲求を増進させ、脂肪の蓄積などに深く関わることがわかっています。

と言うと、肥満ホルモンのように思われるかもしれませんが、答えは否。グレリンの分泌が低下すると運動に対する意欲もなくなってしまうのです。たくさん食べてたくさん動く!これこそ健康の証ですね。

しかし、もちろん食べ過ぎは厳禁です。そこで役立つのがレプチンというホルモン。食後に脂肪細胞から分泌され、満腹中枢を刺激。過食を防いでくれる役割を持っています。ただ、レプチンは食後20分程経つと分泌され始めます。そのため早食いし過ぎると満腹感を感じることができません。しっかりよく噛んでゆっくり食べることこそ、レプチンの力を十分に発揮させるポイントだと言えるでしょう。

まだまだあります!食事に関わるホルモン

「空腹」「満腹」という感覚以外にも、食事から摂取した栄養を活用するためのホルモンが他にもまだまだ存在します。そこでグレリンとレプチン以外の代表的なものを紹介します。

コレシストキニン

小腸から分泌される満腹ホルモン。栄養を分解し、吸収しやすくするための酵素を生み出すという働きを担っています。

コルチゾール

別名ストレスホルモン。これが増加すると空腹感が生まれ、甘いものや塩辛いもの、脂肪分を欲するようになってしまいます。

インスリン

炭水化物を摂取すると分泌されるホルモン。血中のブドウ糖をエネルギーとして各細胞に運ぶ役割を持っています。

GLP-1

食後に小腸から分泌され、満腹感を長く持続させることができるホルモンです。食べる量を抑えてくれることにも役立ちます。

GIP

インスリンの分泌にも関わるホルモンです。エネルギー源であるグリコーゲンと脂肪酸の合成を刺激し、脂肪の分解を抑制します。

食欲をそそるスパイスは天然のサプリメント

香りを感じるだけでどんどん食欲が湧いてくるスパイス。この風味と空腹ホルモンのグレリンは深い関わりがあるのでしょうか。また、スパイスには独自の栄養成分も豊富に含まれています。

マンダリン

みかんの皮を乾燥させたスパイス。クエン酸を多く含んでいるため、疲労回復や胃腸の働きを活発にする働きも期待できます。

レッドペッパー

トウガラシの種が原料。辛味成分であるカプサイシンは体脂肪燃焼を促し、体を温めることで代謝アップにも役立ちます。

シナモン

漢方の生薬としても用いられているシナモン。高い抗酸化作用を持ち、傷ついた毛細血管を修復する力があるともされています。

コリアンダー

別名パクチー。独特の香りで多くの人を魅了します。その力は、発熱の緩和や血液の浄化、さらには消化器系のケアなど実に多岐に渡ります。

カルダモン

香りの王様とも呼ばれるショウガ科のスパイス。健胃作用があり、脂の分解も促進してくれるため、デザートに使うことも適しています。

クミン

カレーの香りの源。消化液の分泌を活発にしてくれるため、食欲がない時には大活躍。また免疫力を高めてくれる働きもあります。