破顔一笑は破癌一生!笑う門には福来る

「にっこり笑って顔をほころばせること」の四字熟語、破顔一笑は、体を癌から一生守り続けてくれる「破癌一生」だとも言われています。「病は気から」とも言いますが、まさにその通り。心から笑うことは、健康を守ることに直結するという科学的なデータも多く見受けられるようになりました。

自分の治癒力を信じ、笑いで難病を克服

こうした研究は、アメリカのノーマン・カズンズというジャーナリストが、難病を笑いで克服したことから世界中に広まりました。49歳で強直性脊椎炎という病に罹ってしまいましたが、その時に「笑いやユーモアが副腎に作用し、免疫を強化するのではないか」と考え、友人の医師とともに笑い療法を取り入れるようになったそうです。すると彼の体は数カ月後には社会復帰を果たせるまでに回復したのです。誰もがこのノーマン・カズンズ氏のように、笑いだけで劇的に病状や悩みが改善されるわけではありませんが、やはり自分自身の治癒力を信じ、笑顔を絶やさず前向きに言い続けることが大切だと考えさせられます。

笑いは健康にとって良いことばかり!

それでは実際に、破顔一笑が破癌一生だというデータを見ていきましょう。下のグラフは、癌や糖尿病、リウマチの患者の免疫力の変化を表したもの。あるモノを鑑賞した後に、急激にアップしたというのですが…それが、落語や漫才です。ナチュラルキラー細胞(NK細胞)という免疫の活性度が、漫才を見る前は24%だったのに対し、鑑賞後は38%まで高まっています。注射などの医学の力を用いた場合は3日もかかりますが、1日たった5分間笑うだけでナチュラルキラー細胞が活性化されるのだそう。笑いの力、あなどれませんね。

血糖値を下げる笑いの効果を実証

また、笑いは食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。下のグラフは糖尿病患者の食後の血糖値の変化を表したもの。ご飯を食べた後に「興味のない講義を受けた場合」と「漫才で笑った場合」の数値を比較していますが、その差は明らか。血糖値が気になる人は、食後に漫才やお笑い番組を見るのも良いかもしれません。

笑顔の絶えない人生は頭脳明晰を維持する

さらに、笑いの効果は免疫活性や血糖値抑制だけにとどまりません。年齢とともに気になり始める記憶力の問題。生きている限り頭脳明晰でいたいというのは永遠のテーマです。これを実現させるために一役買ってくれるのも「笑い」。脳の記憶の貯蔵庫である海馬は、笑うことで活性化され、またアルファ波が増えるためリラックスにつながります。その結果、健康な頭脳を維持できると考えられています。

なかなか笑えない人は作り笑いから始めましょう

笑いによる健康効果に納得しても、簡単に笑えない…という方にぜひ試してもらいたいのが「作り笑い」です。「ワハハ!」と声に出して笑顔を作るだけでも、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、免疫力がアップすることがわかりました。風邪をひいたり怪我をしたり、つらく苦しい時ほど塞ぎがちになってしまいますが、それを乗り越え一生懸命前向きに笑うことで体は元気を取り戻していきます。
まさに健康にとって良いことばかりの「笑い」。皆様も笑顔で毎日をお過ごしください。

笑顔を引き出すプロフェッショナル!笑い療法士が活躍中!

2005年から登場した民間資格「笑い療法士」をご存知ですか?笑いをもって自己免疫力を支えるプロフェッショナルのことです。なかなか笑顔になれない入院患者に寄り添い、心を通わせて自然な笑いを引き出すことで生きる力をサポートしています。

笑いの伝染で健やかな輪を。笑顔の伝え合いは『高め合い』

赤ちゃんの屈託のない純粋な笑顔を見ていると、それにつられて自分もニコッとしてしまいますよね。このように笑顔は伝染するものであり、これは科学的にも解明されている事実なのです。
霊長類にはミラー・ニューロンという脳の神経細胞が備わっています。これにより、他人の行動を見聞きした時に、まるで自分がその行動をしているかのように脳内で状況を再現することができるのです。難しく言いましたが、これを簡単にまとめると、共感。人間は社会を形成する動物であり、他者との繋がりを断ち切ることはできません。そのため、この神経細胞が他の霊長類と比べ発達していると考えられています。
伝染するのは、笑いだけでなく怒りや不安なども含まれます。自分が笑えば相手も笑う、自分が怒れば相手もイライラ…。笑顔を伝え合って健やかで元気な輪を広げていきましょう。