実は悪者ではなかった!?コレステロールのキホン

コレステロールは脂質(あぶら)の一種で、全身の細胞膜やホルモン、胆汁酸(脂質の消化・吸収を助ける物質)などの材料として、重要な働きをしている成分です。

コレステロールは大切な栄養素

「体に悪そう」というイメージで見られがちなコレステロールですが、実は私たちの体にとってなくてはならない存在。もしも、コレステロールが不足するような食事を続けると、たんぱく質やビタミン、ミネラルも不足し、しっかりとした細胞膜が作られなくなり、体の防御機能が衰える原因になります。だから健康維持に十分なコレステロールが必要なのです。

体内コレステロール量は調整されている

私たちの体に必要なコレステロールは、約80%が肝臓から作り出されています。残りの約20%を毎日の食事から摂っているのです。この肝臓の働きによって、体内のコレステロールの量は、常に一定に保たれています。例えば、食品からコレステロールを多く摂取すると肝臓で作られるコレステロールは減少。反対に食品から摂るコレステロールが少ないと肝臓で作られるコレステロールを増加させてバランスを保つわけです。

食事から補うために卵を食べましょう

食事で摂取したコレステロールは、そのまま血中総コレステロール値に反映されるわけではありません。つまり卵を食べる量が多いからといって、コレステロールの摂りすぎになるわけではないということ。むしろ年齢を重ねるにつれて肝機能が低下すると、コレステロールが作られにくくなるので、毎日の食事から補うことが大切です。特に卵は消化・吸収しやすく、最適な食品と言えるでしょう。

朝は卵でおいしい習慣を

朝食に卵を食べるという習慣は、ほぼ万国共通であります。卵かけご飯やハムエッグ、オムレツ、目玉焼きと料理は色々。なぜこれほど、世界中の朝食に卵が登場するのでしょうか。それは、卵が朝食に求められている条件を満たしているから。朝食は、休んでいた状態の体を活動状態に切り替える大切な食事です。この切り替えをすばやく行い、体温を上げ、スタミナを維持する必要があります。そこで有効な栄養素がたんぱく質。なかでも必須アミノ酸9種を含む卵のたんぱく質は最も良質とされます。つまり卵は朝食の栄養源にも、コレステロールの補給にもピッタリの存在と言えるでしょう。

LDLとHDLって何?

「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」という言葉をよく耳にしますが、このLDL、HDLとは何でしょうか。
LDLは、主に肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ「運送トラック」のような役割。一方、HDLは、余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す「清掃トラック」の役割です。どちらもコレステロールを滞りなく全身に行き渡らせるための重要な存在。しかし、生活習慣や加齢により肝臓機能が低下するとLDLが増え過ぎたり、HDLが少なすぎたりとコレステロールのバランスが崩れてしまいます。やがて血管内にコレステロールが蓄積して、血管を傷つけたり血管の内側を狭める原因に。そうならないために、バランスを崩す原因となりやすいタバコやアルコールを控えたり、適度な運動を心がけましょう。

卵が先かニワトリが先か

ものごとの始まりが、どちらが先か分からない例えで「卵が先か、ニワトリが先か」と言いますよね。では実際、ニワトリと卵はどちらが先に生まれたのでしょうか。調べてみると今から約1億5千万年前、爬虫類の一種が生んだ卵から鳥類の先祖が現れたことが、ドイツで発見された始祖鳥の化石の調査からわかったそうです。もしかすると卵の方が先…なのかもしれませんね。