古くから人を惹きつける壮大な山の姿 

世の中も少しずつ落ち着いてきていますが、まだまだ外出を控えて過ごしている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、長野県にそびえ立つ大自然の山、御嶽山について特集します。

長野に美しくそびえる御嶽山

御嶽山は、だいにち堂がある長野県と岐阜県の境にそびえ、現在も活動をしている活火山です。中央火口丘の剣ヶ峰(けんがみね)は標高3067メートルにもなります。7合目付近まで車やロープウェーで行くことができるため、日帰り登山も可能です。初心者でも登りやすい人気の百名山でもあります。

火山活動のはじまり

御嶽山は、今から約8万年前に大噴火してカルデラを作り火山活動をはじめました。1979年に小規模な噴火をして以来、数年おきにガスや蒸気を吹き出す噴気活動を繰り返しています。そして2014年に起きた噴火では、山好きに限らず、日本に住む人であれば知らない人はいないほどの火山災害となりました。火山の驚異的な力をまざまざと見せつけられた噴火です。

火山が生んだ温泉天国

そんな火山ですが、温泉が湧くという利点もあります。御嶽山の麓にもいくつもの温泉が点在しています。火山の近くにはどうして温泉が出るのでしょうか。まず火山の下に、地中深くから上がってきたマグマが溜まり、そのマグマから熱い水や水蒸気、ガスが出ます。それが地中にしみ込んだ雨水と混ざることで温泉となるのです。

火山噴火のメカニズム

火山はどうして噴火するのか疑問に思ったことはありませんか? まず地球の表面を覆うプレートが、大陸の下に沈み込むとき、マントルの一部が溶けます。これがいわゆるマグマ。マグマは、周辺の岩石よりも比重が軽く、高温な液体のため、地表から5~20kmの場所まで上昇して留まります。

マグマには、水蒸気をはじめとする様々なガスが溶け込んでいます。マグマが上昇して、圧力が減るとその体積が徐々に増えます。そしてマグマの体積が増えると、地表に出ようとする力が働く。それによって圧力が減り、また体積が増えるとき、マグマが一気に火道を上昇して、火口を押し開きます。これが噴火です。