南信州が誇るブランド干し柿『市田柿』とは!?

昔はこの時季になると、家の軒下に柿を吊るし干している家庭が多くありました。最近ではその風景を見かけることも少なくなってしまいましたが、南信州では“地域ブランド”として干し柿に力を入れています。それが「市田柿」です。

おいしくて栄養満点のおやつ

「市田柿」はもっちりとした食感と品のある甘味が特徴。さらにビタミンやミネラル、ポリフェノール、食物繊維なども多く含まれているため健康的なお菓子として人気を集めています。
また、自然の甘さをもつドライフルーツであると同時に高級和菓子にも位置づけられているので、贈り物にもぴったりです。

市田柿ができるまで

今回はそんな「市田柿」の生産を行っている就労支援施設のこぶし園さんに取材に伺いました。(この取材は2018年に行ったものです。)

柿の収穫は毎年10月下旬頃に行いますが、収穫が終わった段階で、すでに次の年に向けての準備が始まります。枝の剪定や粗皮削りと呼ばれる木の古い皮を削る作業や、実が成った後も虫や菌が付かないように管理を徹底しています。

そして11月、いよいよ収穫した柿を干す作業。柿暖簾という金具のついた専用の紐に1つずつ柿のヘタを引っかけ、ビニールハウスの中で約1ヶ月半の間吊るしておきます。

ただし、干し終わりのタイミングは長年の経験があってこそ。縦スジの入り方や重さなど柿の状態を見極めて判断します。重さの目安は、干す前の約3分の1から5分の1ほど。しっかりと水分を抜くことで渋みがなくなり、その分甘みがギュッと凝縮されます。

ブランドを支えるこだわり

こぶし園さんで最もこだわっているのは、衛生管理と品質管理。作業するときは必ずエプロン、手袋、マスクを着用して徹底しています。また、作業中に柿同士が当たって傷がつかないよう、1つ1つのヘタを手作業で短く丸く切っています。こうした取り組みや気遣いも「市田柿」のブランドを支えている要因のひとつでしょう。

今では高級品というイメージがある「市田柿」ですが、特別な日や頑張った時の贅沢スイーツとしてもおすすめです。
皆様もぜひ一度、信州産の「市田柿」をご賞味ください。