日本独自の文化「年忘れ」今どきの忘年会事情

今年も残すところあとわずかになりました。そんな年末といえば家族や仲間が集まって1年を締めくくる「忘年会」です。昨今では、感染症の拡大やそれに伴う様々な影響によって思うようにいかないこともたくさんありました。落ち着きを取り戻しつつある今、忘年会はどのように変化したのでしょうか。

忘年会は神聖な行事だった?

そもそも忘年会というのは、いつから始まったものなのでしょうか。その歴史には諸説ありますが、有力な説として鎌倉時代に開催された「年忘れ」という会にあると言われています。

その内容は、現在の忘年会のようなお酒を酌み交わしながら盛り上がるようなものではなく、貴族や武士が連歌を詠み合う、厳かで優雅な会であったのだそうです。

現在のような形になっていった起源は、江戸時代に入ってからであり、庶民の間にお酒を酌み交わしながらの「年忘れ宴会」が広がったことに起因します。そして、年忘れ宴会がお祭りムードのものとして本格的に浸透していくようになったのは、明治時代以降のことになります。中心となったのは、年末に里帰りしなかった学生が年の瀬に宴会で盛り上がったことや、官僚らが冬のボーナスで飲みに出かけて行ったことなどが忘年会として定着していきました。

その中でも、勤めている企業で行われる忘年会が一般化したのは、昭和の高度成長期の頃からだと言います。

令和の忘年会…今の主流はコレ!

忘年会といえば、大勢で集まりワイワイ賑やかに、普段は顔を合わせることの少ない職場の仲間や友人たちと交流できる特別な機会でもあります。ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけにその様相は大きく変化しました。

感染拡大が非常に警戒されていた当初は、オンラインで開催するなどの対処がされ、忘年会に限らず様々な催しが中止、延期となっていました。そんな経験を経た現在の忘年会は、少人数で行うのが主流となっているようです。

コロナ禍が明けた後も、忘年会は行わないもしくは部署ごとに少人数の任意参加で実施することを検討している企業も多いのだとか。忘年会がなくなった代わりに、高級なお肉やギフトカードが配られたという企業もあるそうです。

特に若い世代の方たちは、趣味仲間や学生時代の友達同士など、気の合う少数の仲間だけで忘年会を行うことが多くなっています。

思いやりをもって皆が楽しい忘年会を

比較的以前の生活が戻りつつある近頃ですが、まだまだ大人数の場に行くのは抵抗があるという方、対策をして楽しみたい方など様々な意見の人がいるでしょう。また、お酒を飲む場では羽目を外し過ぎてしまうこともあるかもしれません。
ひとりひとりが節度や思いやりを持って、皆が楽しめる忘年会にできると良いですね。

【お酒好き必見】年末年始の飲みすぎに注意!悪酔い・二日酔い対策

食事と一緒に楽しむ

空腹の状態でお酒を飲むと胃の中に食べ物が何もないためアルコールの吸収が早くなり、酔いがまわるのが早くなってしまいます。食事と一緒にお酒を飲むことで、胃を荒らすことが少なくなりアルコールの吸収を緩やかにして、お酒のペースを抑えることもできます。

適量をマイペースで

お酒の適量は人によって異なり、その日の体調によっても変化してきます。一般的に節度ある適度な飲酒量は、1日平均純アルコールで約20g程度と言われ、ビールなら中瓶1本(500ml)、ウイスキーはダブルで1杯(60ml)、日本酒では1合(180ml)程度になります。ゆっくりと味わって飲みましょう。

おすすめのおつまみ

アルコールによってミネラルやビタミンが失われやすいため、これらを豊富に含んだサラダや塩分控えめの枝豆、冷奴などがおすすめです。また、アルコールを分解するためにたんぱく質を必要とすることから、焼き鳥や刺身なども良いでしょう。飲酒前にチーズを食べることで胃腸粘膜を保護する効果も。

お水も忘れずに

悪酔いを防ぐために大切なことは、水を十分に補給しながらお酒を飲むことです。水と交互に飲むことで胃腸への負担を緩和するとともに、血中アルコール濃度の急上昇も抑えられます。また、アルコールには利尿作用があり脱水症状の危険も。お酒は水分補給にはならないので注意しましょう。

飲みすぎてしまったら

体内でアルコールが分解されるまでには時間がかかります。そこで役立つのが果物です。果物に含まれる果糖やビタミンCにはアルコール分解を助ける効果があり、グレープフルーツジュースなど柑橘系の果汁が入った飲み物を飲むのも良いでしょう。そして、とにかく睡眠と水分補給をしっかりと。