寒い時、手足の冷えを感じることはありませんか。
冬になると気温が低くなるため体温が下がってしまったり、夏でも室内や電車内の冷房によって冷えてしまう。。。
冷えの悩みを1年中抱えているという方も少なくないでしょう。
冷えは血流を悪くして、代謝の低下も招きます。ひどい時は手足がかじかんだり、肩や腰に痛みが出ることも。しかし、湯たんぽやひざ掛けといった外側からの対策をしてもなかなか温まりにくいものです。
そこで注目したいのが「しょうが(生姜)」。
しょうがには、体の内側から末端まで温めてくれるポカポカ成分が豊富に含まれています。そんなしょうがの種類や特徴を知り、楽しく摂り入れて、冷えに負けない体作りを目指しましょう。
しょうがの種類
しょうがは、ショウガ科に属する多年草であり、世界中で親しまれている植物です。普段、私たちが食べているのは「根」ではなく、地中の節くれだった茎が肥大化したもの。食欲増進作用や殺菌作用を持つことから、民間伝承として扱っている国もあります。そんなしょうがの代表的な種類を見てみましょう。
根しょうが
一般的に流通していてお店でも目にすることが多いしょうがのことで、「老成(ひね)しょうが」とも言います。ふっくらと丸みがあり、皮は薄茶色。秋に収穫した後、2ヶ月以上貯蔵したものが随時出荷されるため、通年出回っています。香りと辛味が強く、主な用途は薬味。

新しょうが
初夏に収穫される若い根しょうがのことで、貯蔵せずに繊維が柔らかくみずみずしい状態で使用します。皮は白色で茎の付け根は赤く、さわやかな辛味が特徴。甘酢漬けや味噌漬け、醤油漬けなどに用いられます。

葉しょうが
小さな根茎に茎葉がついたもので、5~9月頃が旬とされています。根茎は細くて皮は白く、茎の付け根が赤いのが特徴。有名な品種「谷中(やなか)しょうが」は、江戸時代に現在の東京都台東区谷中が主産地だったことが名前の由来です。葉しょうがは甘酢漬けや味噌をつけてそのまま食すのが一般的。

しょうがのパワー!期待できる3つの効果

しょうがは、健康をサポートする様々な作用を持っています。
注目の3つの働きを見ていきましょう。
①体を温める「ジンゲロール」
しょうがの主な辛味成分であるジンゲロールには、血管を拡張して血流を促し体を温める作用があります。またジンゲロールは加熱や乾燥によってショウガオールという辛味成分に変化。体の深部で熱を作りだして体内温度を上げることから、冷え性の改善にも効果が期待できます。冷房や冷たい飲み物などで低体温になりやすい現代人には、欠かせないメラメラ成分と言えるでしょう。
②代謝アップでダイエットにも
しょうがは漢方薬の8割近くに使われているほど多くの優れた効能を誇ります。 交感神経の働きを高め、エネルギー消費量をアップ。さらにジンゲロールやジンゲロンといった成分は脂肪分解を促すためダイエットの味方に。また、発汗作用や循環機能を活性化する作用、排尿・排便を促す作用などから、不要なものを取り除く解毒の効果もあると言われています。
③体の防御機能を高める
抗炎作用を持っているため、外から入ってくる異物に対しての防衛機能を高めます。そして殺菌作用があるため夏場には食中毒を予防。また、辛味成分によって体が温まることで免疫力の向上にも繋がります。
こんな方はしょうがを摂りましょう
しょうがは冷え対策や健康維持のために日頃から食べておきたい食材です。特に下記いずれかに当てはまる方は積極的にしょうが成分を摂りましょう。
- 冷えが気になる方
- 汗をかきにくい方
- 年齢を感じることが増えた方
- 生活が不規則な方
- 食事のバランスが気になる方
- 体脂肪が気になる方
- 朝からシャキッとしたい方
しょうがを楽しむレシピ3選
豊かな風味や香りを持つしょうがは、さまざまな料理に活用されています。
ここからは、しょうがの特徴を活かしたオススメのレシピ3つをご紹介。
ぜひ普段の献立に加えてみてください。
定番!しょうが焼き

しょうが料理の代表といえば、しょうが焼き。しょうがの風味と香りがお肉に絡むことで、美味しさも食欲も引き立たせてくれます。豚肉は疲労回復、しょうがは冷え性対策に。体の元気をサポートしてくれるメニューです。
材料:4人分
- 豚ロース・・・600g
- 薄力粉・・・大さじ2
- ごま油・・・大さじ2
- キャベツ・・・300g
★すりおろししょうが・・・大さじ4
★しょうゆ・・・大さじ4
★砂糖・・・大さじ2
★料理酒・・・大さじ2
作り方
- キャベツの芯を切り落とし、千切りにする。
- 豚ロースに薄力粉をふるい、下ごしらえ。
- ★をボウルに入れて混ぜ合わせ、タレを作る。
- フライパンを中火で熱してごま油をひき、豚ロースの両面を焼き色が付くまで焼く。
- フライパンにタレを入れて、中火で炒めて豚肉にタレをなじませる。
- 千切りにしたキャベツとしょうが焼きをお皿に盛りつけて完成。
簡単あんかけ生姜うどん

ダシのきいたあんかけスープに、体を芯から温めるしょうがをたっぷり入れたうどん。スープを飲み干してポカポカ!手間をかけずにしょうがを楽しめる1品です。
材料:1人分
- うどん・・・1玉
- しょうが・・・1かけ
- 万能ねぎ・・・適量
★片栗粉・・・大さじ1
★水・・・大さじ2
☆塩・・・小さじ1/3
☆みりん・・・大さじ1
☆薄口しょうゆ・・・大さじ1
☆だし・・・300㏄
作り方
- うどんを茹で、その間に別の鍋に☆を入れて、沸騰させる。
- ★を合わせ、水溶き片栗粉を作っておく。
- ①のうどんだしが沸騰したら、しょうがを皮ごとすりおろして入れる。
- 火を弱火にして、②を入れ、ダマにならないように混ぜる。
- もう一度沸騰させてとろみを安定させる。
- 器にうどんを入れ、④のあんをかけて、きざみネギを乗せたら出来上がり。
おろし生姜とねぎの厚揚げ焼き

こんがり焼いた厚揚げにさっぱりしたおろししょうがが良く合い、おかずにもおつまみにもピッタリです。厚揚げはタンパク質やカルシウム、マグネシウム、イソフラボンなど豊富な栄養素を持つため、しょうがと一緒に摂ることで丈夫な体作りの助けとなるでしょう。
材料:2人分
- 絹の厚揚げ・・・2枚
- 万能ねぎ・・・4本
- おろししょうが・・・1かけ分
- 鰹節・・・適量
- しょうゆ・・・適量
作り方
- フライパンに油をひかずに火にかけ、厚揚げを入れて両面をこんがり焼く。
- 万能ねぎは小口切りにする。
- ①の厚揚げを食べやすい大きさに切り、万能ねぎとしょうがをのせて、しょうゆを少々をかける。
基本のしょうが湯

はちみつやオリゴ糖で作る基本のレシピです。 片栗粉などでとろみをつけてくず湯のようにすればより温まります。お好みでレモンを加えても美味しく召し上がれます。好きな味付けにアレンジして体を温めましょう。
材料:1人分
- しょうがスライス・・・2切れ
- はちみつやオリゴ糖・・・小さじ1
- 湯・・・150ml
作り方
- しょうがスライスは細かく刻む。
- コップに①、はちみつやオリゴ糖を加えて湯を注ぎ、よく混ぜる。
あわせて摂ると効果的なスパイス
しょうが単体でも多様な作用を持っていますが、相性のいいスパイスを足すことで相乗的な効果が期待できます。
●黒コショウ

黒コショウをプラスすればピリッとした味わいになり、刺激によって代謝もアップ。黒コショウの「ピペリン」という辛味成分が血管を広げ、血液の流れを促進します。しょうがと合わさることで、より体を温める効果を高めてくれるでしょう。
●シナモン

シナモンも相性がいいスパイスの1つ。体の冷えを取り除き、血の巡りをよくする成分を含むシナモンは、しょうがと一緒に摂れば内側からポカポカと温めてくれます。
しょうがで負けない体作り
いかがでしたでしょうか。冷えが気になる時や元気がほしい時にはしょうがのパワフル成分を摂り入れて、手足の先までハツラツとした毎日を過ごしましょう。