冬に気を付けたい健康問題

取り返しがつかなくなる前に、しっかり対策を

本格的な寒さが続く毎日…冬は風邪やインフルエンザ以外にも注意したい健康問題がたくさんあります。しかも、何気ない日常に潜んでいるため、気付いた時には大変なことに…ということも少なくありません。そこで特に危険な4つをご紹介。しっかりと対策をして元気に何事もなく冬を乗り越えましょう。

低温やけど|普通のやけどより症状が重くなることも

湯たんぽやカイロなど、約45℃~50℃ほどのものに長時間触れていると起こる低温やけど。見た目には症状が分かりにくいため軽症だと勘違いしやすいので要注意です。

まず低温やけどを引き起こす熱源に触れていると、ヒリヒリとした痛みを感じるようになります。そしてさらに熱源に触れ続けていると皮膚に赤みが増し、水ぶくれが発生。しかし、肌表面ではなく内部に熱が蓄積しているため、冷やすなどして熱を逃がしにくいのが低温やけどの怖さです。最悪の場合、皮膚が懐死してしまうこともあり、普通のやけどより重症になることもあります。

特に皮膚が薄くなっているシニア層は絶対に油断しないでください。熱源の影響をダイレクトに受けやすいため、取り返しがつかなくなることも珍しくありません。

低温やけどを避ける方法は、熱源に触り続けないことしかありません。湯たんぽや電気アンカは、就寝時には必ず布団から取り出すようにしてください。厚手のタオルや専用のカバーなどで包んでも、低温やけどを引き起こすことがあります。これらはあくまでも、布団を温める目的で使用しましょう。電気毛布を使っている方は、就寝中は電源をオフに、使い捨てカイロは必ず衣類の上から貼るようにして、絶対にそのまま眠らないでください。

「そんなこと言われても寒いから無理」と思わず、低温やけどのリスクを回避しましょう。

寒冷蕁麻疹|痒いだけではなくショック症状にも注意

突然、赤みやミミズ腫れのような症状が出て、痒くて痒くて耐えられない…ということはありませんか?

蕁麻疹は約20%の人が一生の内に一度は経験すると言われている皮膚の病気。食べ物や薬などのアレルギーで起こることが一般的ですが、寒冷蕁麻疹は冷たい外気に晒される、プールに入る、フローリングを素足で歩くなど、体が寒さを感じた時に発症します。ただ、冷えるとなぜ蕁麻疹が出るのかというメカニズムははっきりとわかっていません。主に頬や手の甲などからブツブツが出始めることが特徴です。

通常の蕁麻疹であれば、患部を冷やすと有効な場合が多いのですが、寒冷蕁麻疹の場合は逆効果。発疹が出ている部位を温めるなどして、皮膚を冷やさないことが重要です。全身に症状がある場合は、血圧が低下して意識を失い、ショック症状が出ることがあるため油断大敵です。

絶対に放置せず、皮膚科を受信するようにしてください。

ヒートショック|冬場の温度差にご用心。命を守るお風呂の入り方

寒い日に入る熱いお風呂、気持ち良いですよね。ところが、一歩間違うと命の危険に晒されることもあるのです。2006年のデータですが、なんと14000人がヒートショックによって亡くなっているそう。もはや他人事ではありません。

ヒートショックは血圧の変動によって起こります。暖かい室内から冷えた脱衣所や浴室に入ると血管が縮んで血圧が上昇し、その状態で湯舟に浸かると、一気に血管が拡張され血圧が急激に低下します。めまいやふらつきが起き、最悪の場合は意識を失ってしまうこともあります。

これを避けるためのポイントは3つ。まずは浴室を暖めることです。湯船のフタを外したり、温かいシャワーを出しっぱなしにして、15分ほど放置するのがオススメ。次に、お風呂の温度は42℃以上にしないでください。心臓に負担がかかり、ヒートショックの危険性が高まります。

最後は、ゆっくりと湯舟から出ること。急に立ち上がるとめまいを起こすことがあります。冬のお風呂は何よりも癒しの時間。これら3つを守って安全にリラックスできるバスタイムを楽しみましょう。

寒暖差疲労|室内外の温度の差が疲れを蓄積させる

冬になると、なんとなく疲れがとれにくい…と感じたことはありませんか?

寒暖差疲労とは、外気温の変化によって体温調節を行う機能が混乱した状態のことを言います。

特に暖房器具が欠かせない真冬は室内外の気温の差が大きく、これに対応するために何度も体内で熱を作ったり逃がしたりする必要があります。そのためエネルギーが余計に消費されることになり、結果として日々の疲れを解消するだけの元気が失われてしまうのです。

寒暖差疲労を溜めないために実践してほしいのが、体を温める食材を食べること。特に鍋がオススメです。ニラやネギ、生姜、にんにくなどをたくさん入れましょう。また、冷たい飲み物はできるだけ避けて、白湯やスープなどを積極的に飲み、体の内側からじんわり温めてください。