豆を撒かなかった節分の始まり
豆を撒いて鬼を追い払う、そんな節分。小さなお子様やお孫様のいらっしゃるご家庭では、一年の中でも特に盛り上がる行事ではないでしょうか。
↓鬼を追い払うために必要な豆についての記事もぜひご覧ください!!↓
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この起源は古代中国までさかのぼります。節分とは季節の分かれ目。今でこそ立春の前日を示す言葉として定着しましたが、もともとは「追儺(ついな)」という邪気を払う行事でした。日本で広まったのは平安時代だとされています。その頃は豆を撒くのでははく、貴族が弓矢で鬼を追い払っていたそう。
邪気を払って無病息災

魔(マ)を滅(メ)す力があるとされてきた豆。また、もともと種子でもあり生命の起源という理由から、子孫繁栄の願いも込められています。
鰯(いわし)の頭も信心から
焼いて嗅がして鬼払い!!

柊(ひいらぎ)の枝に焼いた鰯の頭を刺して飾る節分。この理由は柊のトゲと焼いた鰯の臭気で鬼を寄せ付けず追い払うためだとされています。「鰯の頭も信心から」ということわざは、この風習から生まれました。何事も信じる人には大切なものであるということ。信じる力はとても大きい。「病は気から」に通じるものがありますね。
本来の「オニ」ってどんな意味?
さて、悪者役ばかりの鬼。恐るべき存在でありながら、ことわざや熟語にも「鬼」という文字は多く使われたり、また鬼ごっこなどの遊びでも「鬼役」がいたり、人々の生活と密接な関係を持っていることがわかります。
そんな鬼が誕生したのも節分が定着した平安時代だと考えられています。語源は「隠(オヌ)」、つまり目に見えない超常的な現象や存在を示す言葉でした。それが次第に、中国から伝わった魂を表す「鬼」という漢字が用いられるようになったそうです。
また「鬼」という漢字は「カミ」や「シコ」と読まれることもあります。昔の人は、あらゆるものに神や精霊が宿っていると考えていました。そのため神様として鬼を祀っている神社も全国に点在しています。
人の心に巣くう5色の鬼とは?
鬼は宗教にも密接な関係があることは、皆様ご存じの通りでしょう。例えば仏教では5つの煩悩を下のような5色の鬼に当てはめています。

疑惑(ぎわく)
他人だけでなく自分も疑う心や愚痴、不平不満などを映し出すのが黒鬼とされています。

惛沈・睡眠(こんちん・すいめん)
だらけてばかりでやるべきことをしない、怠けた心による不摂生や不養生の鬼です。

掉挙・悪作(じょうこ・おさ)
浮ついた心や甘え、執着などの気持ちの弱さのこと。黄色ではなく白鬼とされる場合もあります。

瞋恚(しんに)
怒りや恨み、憎しみなどの感情をまとめた言葉です。

貪欲(どんよく)
欲望そのもの。赤鬼が最も有名なのは、この貪欲があらゆる邪気の象徴だからかもしれません。
鬼のパンツは何で虎柄?
陰陽道と深い関わりがあった
鬼と言えば、立派なツノに虎柄のパンツではないでしょうか。実はこのスタイルにも理由があります。陰陽道では「鬼が出入りする不吉な方角」を鬼門と呼び、丑寅(うし・とら)に当たる北東だと伝えられてきました。つまり鬼の頭に生えているには牛のツノ。そして下半身は虎ということになるのです。そのため、この考え方が伝来するまでの日本の鬼には、ツノがないものも多くいます。

北信州の節分には欠かせない
摺りおろして食べるツノ!?
節分に食べるものと言えば、豆や恵方巻、そして節分そばが有名ですが、北信州では長芋を食べる文化が残っています。これは「旅人に化けた鬼を親切なおばあさんが一晩止めてあげる」という昔話がもとになっています。鬼は夜中におばあさんを食べてしまおうと台所へ向かいます。するとおばあさんは長芋を摺りおろしていました。しかし鬼はツノだと勘違いし、慌てて逃げていったそうです。

あなたの近くに鬼はいますか…?
今回は日本人にとって最も馴染み深い悪役「鬼」を特集しました。ある時は恐ろしい怪物、ある時は人々を見守る神様、そして人の心の闇…鬼の正体は実に様々です。ほら、あなたのすぐ側にも…なんて言われるとちょっとドキッとしますね。だいにち堂には鬼がいます。その名も「皆g…」いえ、やっぱりいませんよ?だいにち堂の社長はとっても優しい笑顔に溢れています。