「うっかり・ぼんやり時代到来!?」頑張れば100歳でもシャキッ!

年齢を重ねるとともに、私たちの脳や体の機能は衰えていきます。「うっかり」「ぼんやり」は誰にでも訪れるもので、現代の複雑な生活により、これに悩む方も増えるのだそう。そこで、理解を深めて早めのケアをするための情報をお届けします。

物忘れが健康問題の大きなテーマに

厚生労働省の推計によると、日本で「うっかり」や「ぼんやり」で悩む方は300万人を超えていると言われています。2025年には65歳以上の方のうち、悩む方の数は700万人にもなるといった推測も出てきているほどです。2013年ロンドンで行われたG8のサミットでは、2050年になると、全世界で1億3500万人ほどまで「うっかり」「ぼんやり」で悩む方が増えるとも。これは日本の人口に勝る数字で、いま世界規模の大きなテーマとして扱われています。

「うっかり」「ぼんやり」の主な原因は脳の老化です。50歳くらいから衰えが始まることがわかっています。もちろん原因は加齢だけではなく、喫煙や運動不足、食生活の偏りなど、生活習慣によるところも大きな割合を占めます。

特に現代は情報量が多くなったせいで、複数のことを同時に処理する場面が増えてきました。複数のことを処理するため、「この仕事は頑張らなくてはいけない」と「もうゆっくり休みたい」など相反する処理を1つの脳でしなくてはいけないことも。こういったストレスも、脳の衰えに拍車をかけていると言われています。

もの忘れが気になったり、人から指摘されたら「うっかり」「ぼんやり」の始まりかもしれません。「脳の老化チェック表」で確認をしてみましょう。

脳は80代でも伸ばすことができる!

これまでは、脳や筋肉など体の器官は一度老化をするともう戻らないと考えられてきました。ところが最近になって、脳や筋肉の中にも、再生能力が備わっていることがわかったのです。脳は年齢とともに衰えるのだから100歳まで成長するはずがない。そんな風に思われる方も多いと思いますが、それは大きな間違いとも言えそうです。

ほかの臓器と同様に年齢とともに衰えはしますが、反対に年齢を重ねてからではないと使いこなせていない箇所もあります。中高年まではいわば、脳の確立の時期。それからは脳全体を使うステージに入っていきます。情報を集め、深く理解し、人間力や豊かな感情を生かすことで脳が伸びていくことになります。若い頃とは違った、新しい脳の使い方を発見できるチャンスがあるとも言えるでしょう。大切なのは「年齢のせいだ」と諦めたりせずに、日々の生活を見直したり、脳に良いことを早めに続けていくことです。

まずは固定観念を捨てて、ケアはできると認識しましょう。

脳のお助け食べ物&生活習慣

脳は年齢により衰えるものですが、食生活に気をつけたり、トレーニングをすることで若々しく保つことができます。ここでは、日々簡単に取り入れられる脳のお助け食べ物や生活習慣をご紹介します。ケアは早いほどオススメです。ぜひ、今日から実践してみましょう。

【コツ1】食卓には7色揃える!

脳を衰えさせないためにも、毎日の食材選びのコツがあります。それは「彩り」です。赤、緑、黄、白、紫、茶、そして黒と、全部で7色が揃っていたら、それは栄養バランスがとれた食事である証拠です。色鮮やかな野菜や果物はもちろん、肉や魚、海藻にいたるまで7色が揃うように意識しましょう。

ここで大切なのは、色を揃えることだけにこだわるのではなく、様々な食材を多種多様にバランスよく取り入れるということです。

【コツ2】脳を鍛える「ひとりじゃんけん」

昔から言われることで「手先を使うと脳に良い」というものがあります。たしかに現代の研究でも手指を動かすことは、脳を活性化させることがわかっています。手指を使うと、脳が刺激され血液が多く流れるのです。毎日の生活でも手を使うことはたくさんあると思いますが、手慣れた家事や仕事、変化のない作業では、脳をあまり刺激しません。ちょっと考えて動かしたり、普段しないような動かし方がオススメです。

そこで、ご紹介するのが「ひとりじゃんけん」。自分の右手と左手でじゃんけんするのですが、掛け声は「じゃんけんポン・ポン」とポンを2回言いましょう。最初のポンで左手を出し、2回目のポンで右手を出します。最初は必ず左手で勝つように動かすのがルールです。慣れたらスピードを徐々に上げていったり、右手が勝つように動かしてみましょう。手を動かすことが目的となりますので、「グー」はしっかりにぎる、「チョキ」は2本指をしっかり伸ばす、「パー」は手を開くことを意識して行ってください。

【コツ3】計画的な人は脳が元気に!

明日や半年後、1年後など未来から逆算して計画することは、脳が刺激されて、良い運動になります。今日はこれとこれをやって、明日はこれとこれをやるなど、スケジュールを立てて生活してみましょう。

脳が動き出し、記憶力にも変化が訪れます。また50歳以降は1年を通して季節や月を意識することがとても大切です。季節の移ろいの中に発見があったり、お盆や正月、お花見など年間行事に積極的に参加したりすることで脳の若さを保つことができます。

【コツ4】DHA・EPAが豊富な魚料理がシャキッのもと!

魚が健康に良いことは私たち日本人であれば周知の事実。青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)はサラサラ成分と呼ばれ、高齢の方にぜひ摂って欲しい成分です。多くの研究や実験からも、その有用性は認められています。

DHA・EPAを多く含む魚の代表は、あじ、うなぎ、かつお、サバ、さんま、ぶり、いわしなど青魚ではないですがサーモンも身近でオススメな食材。

適量は1日1切れ。干物でも刺し身でも焼き魚でも、色々な料理法で楽しめるのも魚の魅力です。そこで、だいにち堂の管理栄養士がとっておきの魚レシピをご紹介。ぜひ皆様のレシピに加えてくださいね。

【脳のお助けレシピ】サーモンのカラフル和え

<材料>
  • サーモン・・・100g
  • アボカド・・・1/2個
  • パプリカ(黄・赤)・・・各1/4個
  • レモン汁・・・小さじ1
  • レタス・・・1枚
  • Aしょうゆ・・・大さじ1/2
  • Aごま油・・・小さじ1
  • Aすりごま・・・大さじ1
  • Aわさび・・・適量(お好みで調節を)
<作り方>
  1. サーモンは食べやすい大きさの角切りにして、レモン汁をかけておく。
  2. アボカドは半分に包丁を入れて皮と種を取る。パプリカも種を取り除く。
  3. ②を①のサーモンと同様の大きさに切る。
  4. ボウルに①、②、③と混ぜ合わせたAを入れて和える。
  5. お皿にレタスをひき、④を盛り付ける。
    ※魚の脂が空気に触れて酸化する可能性があるので、お刺身を購入するときはできるだけ、切ってあるものよりもサクのものを選ぶと良いでしょう。

【脳のお助けレシピ】サバ缶のスープカレー

<材料>
  • サバ缶・・・1缶
  • 玉ねぎ・・・中1/2個
  • トマト・・・中1個
  • 人参・・・1/4個
  • じゃがいも・・・中1/2個
  • エリンギ・・・中1本
  • おくら・・・2本
  • なす・・・1本
  • Aしょうゆ・・・大さじ1
  • A酒・・・大さじ1
  • Aはちみつ・・・小さじ1
  • 水・・・300cc
  • コンソメ・・1個
  • 油・・・小さじ1
  • 温かいご飯・・・2杯
  • *にんにくみじん切り・・・小さじ1
  • *しょうがみじん切り・・・小さじ1
  • *カレー粉・・・大さじ1〜(お好み)
  • *クミンシード・・・適量
  • *ガラムマサラ・・・適量
<作り方>
  1. サバ缶を開けておく。(汁ごと使います)
  2. 玉ねぎと人参、エリンギはスライス、トマトは沸騰したお湯に入れて湯剥きをして、角切りにする。
  3. じゃがいもは4等分して柔らかくなるまで下茹でする。おくらも下茹でしておく。
  4. なすはスライスして水にさらし、水気を拭いたらフライパンに油をひいて両面焼く。
  5. 厚手の鍋に、油をひき*を入れて炒め、香りが出てきたら玉ねぎとトマトを加えてさらに炒め、玉ねぎがしんなりしてきたら人参とエリンギ、水とコンソメを加えて煮る。
  6. 人参が柔らかくなってきたらAを加えて味付けをして①のサバ缶を入れて3分程度煮る。
  7. 器に盛って③と④を飾って出来上がり。

【コツ5】脳を活発化する脳トレーニング

「頭を使うこと」は脳を刺激し、活発化させます。クイズを解いて、頭を使ってみませんか?