猟師のお話聞いてきました。

猟師とは「獲物を狩る人」のこと。漁師が海で魚を獲るように、猟師は山で鹿や猪などの動物を狩っています。皆さまもニュースで耳にすることがあると思いますが、近年では、野生動物による農業被害や住宅への侵入などが問題になっています。そんな時に要請を受け、駆除をするのが猟師です。今回は、約6年前に狩猟を始めたという尾澤さんのもとへ、色々なお話を聞きに行ってきました。

始めたきっかけは?

自身の養蜂場を持っている尾澤さんは、ミツバチや巣箱が熊に荒らされた年があったそうです。当時は地元の猟師も少なくなっていたため、「自分のミツバチは自分で守らなければ…!」と思い、狩猟をするように。
それから色々と勉強をしていくなかで、農被害や環境被害のこと、貴重な高山植物が猪などに食べ尽くされ雷鳥の住処がなくなってきていること、北上してきた川鵜が川の在来種を食べ尽くしてしまっていることなどを知り、自分がやっていることが地域貢献になるならばと思い、今でも続けているそうです。

猟師になるには?

猟師になるためには、狩猟免許を取らなければなりません。第一種銃猟(散弾銃やライフル)、第二種銃猟(空気銃)、網猟、わな猟…この四種の猟法は簡単にかつ大量に獲物を獲ることが出来てしまうため、必ず免許が必要なのです。
尾澤さんは、最初に鉄砲の取り扱いに慣れるために「鳥猟」から始め、「鹿猟」や「猪猟」を経て「熊猟」をするようになりました。
獲る動物によって使う銃は変わります。しかし、それらの銃を所持するのにはもちろん許可が必要なので、さらに講習、試験をしなければなりません。お話を聞いた限りでは、狩猟の免許取得はかなり複雑そうです…(笑)興味がある方は調べてみてください!

猟犬と一緒に

尾澤さんは、1歳9ヶ月になるラブラドールレトリバーの「ヴィンチ」と一緒に鳥猟を行っています。猟犬は、普通の散歩程度の運動量では全く足りないため、とにかくトレーニングを積み重ねていくのが大切!ということでした。

実は色々な制約も?

猟師の免許を取ればいつでもどこでも猟ができるのか?というと、実はそうではないんです。狩猟の期間は毎年11月15日から翌年2月15日まで(※有害鳥獣駆除の場合は1年中OK)、県外では狩猟をすることはできないなど、細かく制定されているのだそうです。自身が住む地域とは別の場所にも養蜂場を所持している尾澤さんですが、そこは尾澤さんが持つ有害鳥獣駆除の資格の管轄外のため、手出しはできないのだとか…。

尾澤さんは最後に、野生動物による被害が増え続けている今、若い猟師も増えてほしい、興味を持てるようにしていきたいと仰っていました。