モクモク!フワフワ!空に浮かぶ雲の不思議

陽光きらめく季節がやってきました。見上げると、澄んだ青空に真っ白な雲が浮かんでいて…。綿菓子やアイスのように見えたり、フワフワとした雲に寝転がったら気持ちよさそう、なんてことを一度は想像したことがあるのではないでしょうか。実際には手で触ったり、食べたり、乗ったりすることができない雲は一体何でできているのでしょうか?

見えるのに掴めない雲の正体とは?

遠くから見ると白い塊に見える雲。その雲は小さな水や氷の粒が集まることで成り立っています。大きさはだいたい10マイクロメートルと1ミリメートルの100分の1くらいです。一つひとつの粒は目に見えませんが、たくさん集まることで雲として見えるのです。

夏には冷えた飲み物を飲むことが増えますが、グラスのまわりには水滴がつきます。これは空気中にある水蒸気が水の粒となったもの。実はこれは雲が作られる仕組みと同じなのです。

雲ができ、雨や雪が降る仕組み

雲は、空気中の水蒸気が上空で冷やされて、小さな水滴や氷の粒に変わったものの集合体です。その仕組みは下の図をご覧ください。まず海や地面が太陽の光で温められます。すると水が蒸発して水蒸気になり、空気中の塵と混ざります。水蒸気は温かい空気の上昇気流で上空に上がっていきます。上空で空気が冷えると塵に水蒸気がついて水や氷の粒ができるのです。この小さな水や氷の粒がたくさん集まったものが雲になります。

また、雨や雪を降らせる雲はさらに上昇を続けていきます。すると雲は発達。そして温度が0℃以下になると水滴から氷の粒に変わり、水滴や氷の粒が大きくなると雨粒や雪の結晶になるのです。これらの粒が重くなると浮かんでいられなくなり、雨や雲となって地上に落ちてきます。その途中で溶けると雨になり、溶けずに落ちてきたのが雪になるのです。

高度で変わる雲の種類

空に浮かぶ雲はどれも同じ形をしていません。雲の種類は形だけでなく、雲ができる高さによって分けられています。高さは下の図のように上層雲、中層雲、下層雲と3つに分類されています。

上層雲とは地上から約6000メートル上空のとても高いところにでき、ほとんどが氷でできている雲です。よく知られているものでは「うろこ雲」があります。

中層雲とは地上2000メートル〜6000メートルほどの高さにできる雲。その時の気温により氷の粒でできていたり、水の粒でできています。「ひつじ雲」もこの中層雲に当たります。

下層雲は約2000メートル以下の低い空にできる雲。高い山に登った際に見える雲海がこの下層雲に当たります。代表的なのは「入道雲」です。

高度で変わる雲の種類

【上層雲】地上約6000m以上にできる雲

【巻雲(けんうん)】
薄くはけで書いたような雲。すじ雲とも呼ばれます。

【巻積雲(けんせきうん)】
小さな雲が集まった雲。うろこ雲とも呼ばれます。

【巻層雲(けんそううん)】
うすいベールのような雲。雨が降ることも多いです。

【中層雲】地上約2000m以上にできる雲

【高積雲(こうせきうん)】
羊の群れのように集まる雲。ひつじ雲とも呼ばれます。

【高層雲(こうそううん)】
空全体を覆う灰色の厚い雲です。雨が降ることも多いです。

【乱層雲(らんそううん)】
暗い灰色の厚く広がる雲です。雨雲とも呼ばれます。

【下層雲】地上約2000m以下にできる雲

【積乱雲(せきらんうん)】
もくもく上に大きく成長した雲。入道雲とも呼ばれます。

【積雲(せきうん)】
晴れた空にぽっかりと浮かぶ雲。わた雲とも呼ばれます。

【層積雲(そうせきうん)】
細長く広がる雲がいくつも並びます。雲の上は晴れています。

これってホント?夕焼けがキレイだと翌日晴れる?

「今日は夕焼けがキレイだから明日は晴れるね」こんな会話を聞いたことはないでしょうか。

こういわれている理由は、風と雲の動きに関係しています。日本の上空には偏西風が吹いていて、だいたいの雲は西から東に移動します。また太陽は東から西に移動するため、夕焼けがキレイに見えるということは西の空には雲がないということ。そのため天気の良い状態が近づいてきて晴れやすいのです。昔の人は長年の経験から「山に雲がかかっていると雨になる」や、「夕焼けがキレイだから明日は晴れる」と雲の様子で翌日の天気を判断していたんですね。