日照時間の短くなる秋に|運動でセロトニン不足解消

秋になると日没時間が早くなりますね。日光を浴びる時間が減ると体内ではセロトニンの分泌量が減少する傾向にあります。セロトニンとは、「幸せホルモン」とも呼ばれ、心の安定に欠かせない脳内物質です。例えば、なんだか寂しく感じたり、やる気が出ない、体がだるい、眠気が取れない、食べ過ぎてしまうなどの変化を感じたら、セロトニン不足が原因かもしれません。特に日没が早くなる10月から11月にかけては注意が必要。そこでセロトニンを増やすのに効果的なのがリズム運動です。

セロトニンを増やす「リズム運動」

リズム運動とは、ウォーキングやジョギング、サイクリングなど一定のリズムで筋肉の緊張と弛緩を繰り返す運動のこと。リズムと言っても、ダンスのような難しいものでなくていいので、リズミカルな運動を継続することが大切です。リズム運動でセロトニンが増えれば、目覚めが良くなり、頭がスッキリしてポジティブな気分で過ごせるようになるので、表情も明るくなります。

楽しく程よい運動がポイント

リズム運動の中でも、最も手軽で効果的なのはウォーキングです。歩く時には他のことを考えず、歩くことに意識を集中するとセロトニンの分泌が活性化します。「1,2」「1,2」とリズムを意識しながら、同じペースで歩きましょう。20分~30分程度歩けば脳内のセロトニンは十分に高まります。逆に疲労するとセロトニンの分泌を抑制してしまうので、心地よい、楽しいと感じる程度に毎日続けることがポイント。また、朝の時間帯に歩くと効果的です。

歩行以外には「噛むこと」もおすすめです。例えば、ガムを20分程度噛んでいるだけでもセロトニンが増えることがわかっています。よく噛めばリズム運動として効果を発揮しますし、脳への血流がアップするため認知症予防にもつながります。

体内時計が運動のカギ

人は朝、体と脳が目覚めます。逆に夜中はトイレや物音で目覚めても、脳も体もまだ活発になっていないためボーっとします。朝起きて、自然に体を動かしたり胃や腸、肝臓などが働くのは体内時計があるためです。

体内時計は大きく分けて2種類あります。1つは脳にある25時間周期の時計。もう1つは臓器にある24時間周期の時計です。早起きするのは大変なのに、徐々に夜更かしして寝る時間が遅くずれ込むのが簡単なのは、脳が25時間周期であるためです。規則正しい生活をして朝体が自然に目覚める体内時計を目指しましょう。

セロトニンが出る3つの生活習慣

運動とともにセロトニンを増やしてくれる3つの習慣をご紹介します。

  1. 太陽光を浴びる。
    セロトニンは朝、目から入る太陽光の刺激でも分泌されます。
  2. スキンシップをする。
    家族、友達、動物などと触れ合うことも、セロトニンの分泌が活性化します。
  3. バランスの良い食事をする。
    食事から摂取する栄養素はセロトニンを作る材料になります。バランスの良い食事を心がけ、よく噛んで食べることが大切です。

セロトニンを作る栄養素

リズム運動に加えて、セロトニンを作り出す栄養素を補うことも大切です。セロトニンの材料となるのは「トリプトファン」という必須アミノ酸。豆類や赤身の魚、乳製品、チーズやバナナなどに多く含まれます。また、トリプトファンがセロトニンに変化するには「ビタミンB6」が必要。ビタミンB6が豊富なのは、鶏肉、じゃがいも、バナナなど。秋の味覚のさんまやサツマイモにも多く含まれます。これらの食材で2つの栄養を補いましょう。