目指せ!骨太人生!意外と知らない骨のコト

人の骨は生まれた時は約305個ありますが、成長するにしたがって離れていた骨が同化し、約206個にまで減ると言われています。
そして体重のおよそ15~18%を占める骨には、体の支柱となる以外にも様々な役割があります。そこで今回は意外と知らない骨の仕組みや働きについて特集します。

体を支えるだけじゃない骨の役割とは?

まず1つ目が、骨同士が結合し、関節となること。これによって曲げる・伸ばすなど複雑な動作が可能になっています。
2つ目が、体の器官を保護する役割。脳や臓器など生命に関わる部位は、頭蓋骨や肋骨に守られており、強い衝撃にも耐えられるようにできています。まさに骨は、鎧であり兜なのです。さらに、ただ硬いだけではないのが骨の優れたところ。骨の外側は緻密質(ちみつしつ)と言って、構成成分がギュッと詰まっているのに対し、内部は網目状の骨が張り巡らされており、軽量化を実現するとともに、衝撃を分散させられるような構造になっています。
3つ目は血液を作り出す役割。骨の内部にある骨髄(こつずい)という組織には、血中に含まれるあらゆる細胞に変化できる万能細胞が存在しており、赤血球や白血球、血小板となって全身へと送り出されています。
最後に、4つ目はカルシウムなどのミネラル貯蔵庫の役割。偏った食生活などでミネラルが不足すると、骨から必須ミネラルが溶け出し、必要な細胞へ供給されるようなメカニズムになっています。

分解と構築を繰り返す骨の新陳代謝

生命活動に欠かせない役割を持っている骨は、他の細胞と同じように新陳代謝を繰り返しています。これを「骨のリモデリング」と言います。骨の古くなった部分を破骨細胞(はこつさいぼう)が酸と酵素で分解。その後、骨芽細胞(こつがさいぼう)が、カルシウムなどを使って補修してくれます。全身の骨が生まれ変わるまでの期間は、成人で約3~5年と言われています。

骨の強さを表す骨密度と骨質

新陳代謝によって、常に新しい状態を維持し続けている骨ですが、それによって強度も高まっていくのかと言うとそうではありません。骨の強さの限界は、その人ごとに元から持っている骨密度と骨質が関わってきます。
まず骨密度ですが、これは骨に含まれるカルシウムなどのミネラル量を算出した値。簡単に言えば、貯金のようなものです。若い頃はカルシウムをたくさん溜められますが、50代以降はその貯金を切り崩すことになってしまいます。そのため、毎日の食生活でカルシウムを積極的に摂り、できるだけ骨密度の減少を食い止める必要があるのです。
そして骨質とは、骨に含まれるコラーゲンの強さのことを言います。骨を鉄筋コンクリートの建物に例えると、カルシウムがコンクリートで、コラーゲンが鉄筋の梁になります。いくらカルシウムが多くても、梁であるコラーゲンが不足していたり、弾力性が失われていると骨折のリスクが高まってしまいます。

実は複雑!!骨の構造

骨はただのカルシウムのかたまりではなく、非常に複雑な構造をしており、生命活動に欠かせない組織も存在しています。

骨の原料が枯渇中…食生活に気を使っていても摂りにくい成分

骨は約70%がカルシウムで作られています。そのため、骨の新陳代謝にはカルシウムの摂取が欠かせません。しかし、厚生労働省が実施している国民健康・栄養調査によると、全ての年代でカルシウムが不足しているという結果が出ました。60代以上の男性だと1日あたり700㎎。女性だと600~650㎎の摂取が推奨されています。この量をクリアするためには、牛乳をおよそ600mlも飲まなくてはなりません。そのため、カルシウムを効率的に摂取するためには、サプリメントで補うのがオススメです。