ストレスを抱えながら笑えない日々を送っていると…

今月の記事で「笑いによる健食への効果」を特集しましたが、逆に笑えない日々が続いたらどうなってしまうのでしょうか。特に春は年度の終わりであり、生活の変化への不安が大きい季節だとされています。そこでこの記事では、ストレスによる体への影響や心の健康についてご紹介します。

ストレスから血管が破裂する!?

まず、過度なストレスを抱えると特に大きな影響を受ける部分が血管です。血管は自律神経によって、収縮を強めたり緩やかにするといった動きが調整されていますが、ストレスによって緊張状態が続くとキュ~ッと締め付けられるように細く硬くなってしまいます。それが非常に負担となり、次第にダメージが蓄積していくことにより、心筋梗塞や脳卒中などの危険性が高まってしまうのです。

ストレスが血管に与える影響

  1. 自律神経・内分泌系の異常が代謝機能を乱す
    ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、ホルモン分泌に変調をきたすことで、コレステロールなどが増加し、血圧や血糖値が上昇します。
  2. 血液中の赤血球が増加する
    赤血球が増えすぎてしまい血液の粘度が高まることで、詰まりやすい状態に。狭心症などを引き起こしてしまいます。

ストレスによるイライラは脳内ネットワークが混乱中

ストレスを感じると誰でもイライラしてしまうもの。人や物に当たってしまったり、何をするにも雑になってしまったりしたことはありませんか?
喜怒哀楽を感じたり、何かを思考する時、脳内には様々な神経伝達物質が行き交っています。「甘いものを食べて幸せ」「お風呂は気持ち良い」「会議資料のことを考えると憂鬱」「近所の騒音にムカムカ…」など、こうした感情や心を作り出す源とも言えるでしょう。ストレスを受けるとイライラして怒りやすくなったり、突然悲しい気持ちになったり、感情のコントロールが上手くできなくなりますが、これは脳内神経伝達物質の分泌やバランスが狂い、神経ネットワークが大混乱状態になってしまうからなのです。

心や感情を作る神経伝達物質

  • セロトニン
    精神を安定させる神経伝達物質。大脳の視床下部という場所に広く存在します。濃度が低下するとうつになったり、攻撃的な性格に変わってしまいます。
  • ドーパミン
    嬉しさ、楽しさなど気持ちの盛り上がりを感じさせてくれます。例えば、お酒を飲むと気持ちが大きくなるのもドーパミンが多く分泌されるから。しかし、過剰に分泌され続けると、依存症も併発します。
  • ノルアドレナリン
    怖い、不安、嫌だ…などのマイナスな感情を生む神経伝達物質です。これが過剰に分泌されると血圧や脈拍が急激に上がり、パニック障害や神経症を引き起こすとされています。

心のダメージに気付きましょう

ストレスは自分でも気付かぬ内に溜め込んでしまうものです。徐々に心を蝕んでいき、いつの間にか「全力で笑ったのはいつのことだっただろう…」なんてことになりかねません。そんな暗い毎日にならないよう注意したいですね。
そこで、まずは下のストレッサー(ストレスの原因)の有無をチェックしてみてください。もし3つ以上ある方は心労が溜まっているかもしれません。無理をせず、時には好きなことを満喫してストレスを発散し、休養をとるように心掛けましょう。


また、下のストレスを受けやすいタイプ診断は、当てはまる数が多いほど、うつ状態になりやすい傾向があります。何事も一人で抱え込まずに、家族や友人に何でも話して相談したり、一歩ずつでいいので心をオープンにするよう自分を変えていってみてはいかがでしょうか。

ストレスを感じない人はいるの?ストレスは人生のスパイス

「ストレスが全く無くなったら楽だろうな…」なんて考えたことはありませんか?好きなことを好きなだけして、嫌なことに縛られない生活、憧れますよね。しかし、本当にそれは幸せなのでしょうか。
カナダのハンス・セリエというストレス研究の第一人者が、知人から「ストレスを感じない人はいるのか?」という質問をされました。ハンス・セリエは、その知人に「いますよ、今から会わせてあげます」と言い、ある場所に連れていったそうです。さて、一体どこだったと思いますか?答えはなんと…墓地です。
ハンス・セリエによると、ストレスを感じないのは死者だけだと言います。人間は生きている限り、少なからずストレスを受けています。それをプラスにして飛躍や進展のきっかけにするか、マイナスにするかは自分次第。「ストレスは人生のスパイスのようなもの」と、ハンス・セリエは提唱しています。