寒~い季節がやってきた!子供は風の子、大人は火の子

この季節になると、子供の頃に冬でも半袖半ズボンで走り回っていた友人を思い出しませんか?まさに『子供は風の子』を体現しているように元気満点です。しかし年齢が上がるに連れ、寒さに弱くなるように…。この差は一体、なんなのでしょうか。

基礎体温で激変する代謝量と寒さへの防御力

皆さん、自分の体温をご存知でしょうか。人間の体温は、年齢とともに徐々に下がり、赤ちゃんや子供と比較すると最大でおよそ1℃ほどの違いが出るとも言われています。
ここで「たった1℃ってたいしたことないんじゃない?」と思った方、侮ってはいけません。まず寒さに対する強さは、体内でいかに熱を発することができるかに比例します。体内の熱、それは代謝によって生まれます。つまり食べたものをエネルギーとして変換する力のことです。この過程において、熱が生じ、血液によって体温として全身へ運ばれます。体温が1℃上がるだけで代謝効率は約15%も高まるというデータもあり、逆に代謝が衰えれば比例して体温も下がり、結果として寒さにも弱くなる…といった悪循環に陥ってしまうのです。ちなみに体温が35℃の方の基礎代謝量を1200キロカロリーとした場合、体温が36℃になるだけで1380キロカロリーまで上昇し、その差なんと180キロカロリー。これはウォーキングなら約1時間分の運動量と同等になります。この代謝量こそ、子供と大人の寒さに対する強さの答えでしょう。子供は細胞の生まれ変わりが活発であり、常に代謝を繰り返しているもの。どんどん体内で熱が生まれ、体温も上がるためちょっとの寒さではびくともしません。

女性で言えば、9歳以下の子どもと80歳以上を比較すると、冷えに悩んでいる人の割合はなんと100倍ほどに激増。(※平成28年 国民生活基礎調査)
こうしたデータからも「子供は風の子、大人は火の子」ということわざが正しかったと証明されています。

体温調節のメカニズム

  1. 皮膚で寒さや暑さを感じる
  2. 視床下部(自律神経)から体温を一定に保つ命令が送られる
  3. 血管を縮めて血液が熱を逃がしにくくしたり、広げることで汗をかいて熱を追い出す

皮膚が気温の変化を感じると、その情報が脳の自律神経まで送られます。そしてここから体温を一定に保つよう司令が出されます。寒い時は血管を縮めて体温を逃がさないようにします。また、寒さでふるえるという現象、これは筋肉を振動させて体温を上げようとする反応です。

冷えに弱くなる原因を徹底追求!

また、代謝量による体温低下の他、年齢が上がると様々な体の不調に悩まされ、それが冷えの原因となることも。特に冬だけではなく、夏なのに冷えを感じるという方は注意が必要です。手足の末端が慢性的に冷たく感じるようになる『冷え性』になってしまいます。

この原因としてまず考えられるのが、自律神経の乱れ。ストレスや不規則な生活習慣、その他に室内外の寒暖差などでも狂いやすくなるため、エアコンを強くしすぎないよう気を付けましょう。
また、きつい下着などで体を締め付けることは血流を停滞させることにも繋がります。これが体温を全身へ行き渡らせることを阻むため、冷えに悩む女性は補正下着などはできるだけ避けるようにしましょう。また、加圧シャツなども冷えの原因となる可能性があります。
他にも、血液循環の悪化や筋肉量の低下、ホルモンバランスなど、寒さに弱くなる原因は様々。子供の頃のように、とはいかなくても、毎日こたつに入りっぱなしで亀みたいになってしまった…という生活は避けたいものです。

冷えを感じる5大原因とは?

「特に寒さに弱い」「年中、冷えを感じることがある」という方は、体温だけでなく他に原因があるかもしれません。

自律神経の乱れ

常にストレスにさらされていたり、生活習慣が乱れると体温調節をする自律神経が正常に働かなくなってしまいます。夏なのに寒い、冬なのに汗が…などの経験がある方はこれに当てはまる可能性が大。

皮膚感覚の乱れ

きつい下着や靴などで体を締めつけたりすると血行が滞り、「寒い」と感じる皮膚感覚が麻痺することがあります。そのため体温調節の指令が伝わりにくくなってしまいます。

血液循環の悪化

貧血、低血圧や血管系などの疾患がある人は、血流が滞りがちになります。

筋力の低下

運動不足で筋肉が弱くなると、熱を発する力が低下してしまいます。女性が男性に比べ冷えを感じることがあるのは、この筋肉量の差だとも考えられています。冷えを感じたら、筋トレもオススメ!

女性ホルモンの乱れ

更年期に入り女性ホルモンの分泌が衰えると、血行にも影響を及ぼします。結果、手足などの末端に体温が行き渡らず、慢性的な冷えに陥ることに。