若々しさは脳の健康から

「探し物がなかなか見つからない」「なんだか転ぶことが増えたなあ」「単語がスッと出てこなくて」…。こんなことを感じた経験はありませんか？その原因、加齢やストレスによる「脳」の衰えかもしれません。そこで今回は脳の働きと健康維持の秘訣を特集します。

すごいぞ！脳の働き

健康で過ごすためには、生命活動の司令塔である「脳」の元気を保つことが大切です。そもそも、私達の脳はどんな役割を担っているのでしょうか。主な脳の働きをご紹介します。
まず、筋肉を動かしたりする運動機能を担当。また視覚や聴覚などの知覚を感じる、いわゆる五感の働き。さらに話す・聞く・読み書きの言語機能を担っています。感情のコントロール、記憶をコントロール、思考・判断する役割もあります。そして最も重要な働きとして、呼吸や睡眠、体温調節など生命活動を保ってくれているのも脳なのです。

記憶力の低下は40歳ごろから

脳の健康といえば、やはり気になるのは記憶力ではないでしょうか。記憶力は年齢を重ねるにつれて低下してしまいます。50代になると、全盛時（25歳）の記憶能力の半分が失われ「あれ、何をしようと思ったんだっけ？」ということもしばしば。70歳を超えると、なんと最大で4分の1に低下するとも言われています。
記憶の定着には1日6～7時間半の睡眠が理想的です。特に午後10時から午前2時は記憶力UPのゴールデンタイム。この時間帯に眠るとより記憶が定着しやすくなるのです。
また「エビングハウスの忘却曲線」をご存知ですか。1度覚えたことは時間を置かずに復習すると記憶しやすく、時間が経つと再び記憶するまでに最初と同じくらい手間がかかるというもの。短い期間に反復することが記憶定着の王道なのです。

脳を元気にする生活習慣

栄養（食べ物）
日本人成人の脳の重さは、体重の2％ほどです。しかしエネルギーや酸素の消費量は約20％と大量。これは体全体の筋肉と同じ消費量です。だから毎日の食事で栄養素を摂ることが必要です。そこで、脳の栄養素といえば「ブドウ糖」。ブドウ糖がたくさん含まれている食品の代表格はご飯、パン、砂糖ですが、血糖値が気になる方はライ麦パンなどGI値の低い食品を選ぶのもオススメ。さらに「美味しい」「楽しい」「うれしい」といったプラスの感情を持つ機会が多いほど、脳は若々しくなることがわかっています。美味しいご飯を食べて脳を活性化しましょう。
有酸素運動
運動が与える刺激は、脳を元気にさせることが明らかになっています。運動といっても息が切れるようなハードな筋トレやスポーツではなく、1日30分程度の軽めの有酸素運動で十分です。ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を続ければ、脳の神経細胞のエネルギー源となる重要な栄養素が体内で作られ増えてくれます。体を動かして脳を元気モリモリにしましょう。
気持ちよく眠る
脳は、私達が眠っている間もずっと働いていて、脳の神経細胞ネットワークのメンテナンスをしたり、記憶の整理整頓などを行っています。睡眠不足になると、身体に相当な負担がかかり、脳のメンテナンスや記憶整理が上手く行えず、脳の老化が早まることに…。そこで、スヤスヤと気持ちよく眠るにはいつも同じ時刻に起きる習慣が大切です。また、寝る間際の食事を控えることで、胃に負担をかけることなくぐっすりと夢の中へ。
会話のススメ
他愛のない世間話をしている時も、相手の話を聞いて理解したり、考えて話したり、相手の気持ちを思いやったりと脳はフル活動。特に「前頭葉」は年齢を重ねても会話で活性化することが分かっています。会話のある生活で脳を元気にしましょう。

過去を懐かしむと脳が健康になる！？

「また昔の話ばかりしてる」と言われたことがある方に朗報です。実は「懐かしさが脳に良い」という脳科学の研究があり、回想が物忘れ予防やストレスの解消になるというのです。そこで回想を効果的にするための3つのポイントをご紹介します。

知的好奇心
若さを保つには知的好奇心が大切と言われています。細部まで観察したり、思い出すことで懐かしさをたっぷり感じれば脳の活動や感情の起伏が増えて効果的です。
運動しながら
身体を動かしながら回想すると相乗効果がねらえます。特にオススメなのが思い出の地をウォーキングすること。母校を歩いて訪れてみるのも面白いでしょう。
コミュニケーション
同じ世代の集まりに参加し、共通の昔話ができると回想脳が鍛えられると言います。なかでも同窓会は人と繋がりながら昔を懐かしみ、脳を元気にする最適な場です。