えがおぶらり旅|広島編

本州西端の中国地方に位置し、瀬戸内海に面している広島県。海や山などの豊かな自然、工業・商業で栄え、バランスよく盛んな農業・漁業、地域差のある気候などから、「日本の縮図」と呼ばれることがあるそうです。さらに広島県には、「原爆ドーム」や「厳島神社」などの世界遺産があり、近年は外国人観光客にも人気の観光地となっています。実際に今回の取材中にも、駅やお店でたくさんの外国人を見かけました。

※この取材は2019年9月に行ったものです。

広島のグルメ「広島風お好み焼き」

広島のグルメといえば、やっぱり「広島風お好み焼き」が有名ですよね。お好み焼きがジュ~っと焼ける音にちなんで、毎月10日は「お好み焼きの日」とされているそうなんですが、なんと私たちが取材に訪れたのは9月10日!すごい偶然に驚きながら、せっかくなのでと広島風お好み焼きを味わってきました。

広島風お好み焼きの特徴は、薄く焼いた生地の上にキャベツや肉を乗せていく「重ね焼き」。焼きそばを入れることが一般的なためボリュームがあり、食べ応えも抜群です。また、具材を混ぜないからできる様々なトッピングも醍醐味で、牡蠣や牛すじ、トマトなどバラエティーに富んだ味を楽しめるのも人気のひとつです。

そもそも、広島風お好み焼きが始まったのは戦後のこと。アメリカから支援物資として配給された少量の小麦粉を使い、かつては子供のおやつだった「一銭洋食」を参考に料理を始めました。具には、安価であったキャベツやもやしを入れ、鉄板の上で重ねて焼きました。後にお好み焼きは空腹をしのぐ食べ物として屋台や店舗でも売られるようになり、腹持ちを良くするために焼きそばを加えるものも出始めました。これが広島風お好み焼きの原型となり、今でも広島復興のシンボル的な食文化として親しまれているのです。

広島の原点「広島城」

広島の街は、今から約400年前の戦国時代末期に誕生した広島城の城下町として栄えました。八丁堀や薬研堀、鉄砲町、袋町など広島中心部にはその頃の町名が今も数多く残されています。そんな広島の原点ともいえる「広島城」も人気の観光名所のひとつです。

「広島城」は別名「鯉城」や「在間城」とも呼ばれています。天正19年(1591年)に毛利輝元によって築かれた平城で、当初は大阪城にも匹敵するほどの規模だったとも言われ、初期近世城郭の代表的な城として知られています。戦争によって焼失してしまった天守閣は、多くの市民からの再建を求める声もあり、昭和33年(1958年)に鉄筋コンクリートで再建されました。現在は資料や模型等で広島の歴史を紹介する博物館となっています。夜間はライトアップされ、昼間とはまた違った迫力を楽しむこともできます。天守閣と二の丸の櫓以外は常時開放されているので、ちょっとした時間に立ち寄って広島の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。