実は大事な腸の役割とは?腸の働きって超重要!?

最近では「腸内環境が我々の健康にとって重要なことである」という認識が一般的に浸透してきました。今回は、そもそも「腸」というのはどんなことをしているのか、腸活について特集していきます!

腸は何をしている?

私たちの体内にある「腸」では日々どんなことが起こっているかご存知でしょうか。一言で「腸」と言っても様々な部位があります。聞いたことはあるけれど意外と知らない腸の部位やそれぞれの機能などをご紹介します。

十二指腸

名称の由来は、指を横にして12本並べたくらいの長さであることからです。胃と繋がっており、胃から少しずつ送られてきた食物を、胆汁や膵液などの消化液が流れ込み分解していきます。

空腸・回腸

空腸では効率よく栄養吸収を行うため壁面には絨毛と呼ばれる突起がある輪状のひだがあります。ここでは取り込まれた食物が早く通過することが多く、内部が空になっていることが多いことから空腸と呼ばれています。
回腸は形がぐるっと回っていることからその名が付き、小腸のうち6割の長さを占めています。空腸と異なり、輪状のひだはそこまで発達していませんが、パイエル板というリンパ小節が集合した器官が存在し、免疫反応を行う重要な器官でもあります。

小腸

長さが6〜7mほどあり、消化管全体の約80%を占めています。主な働きは栄養分の吸収と輸送で、食べた栄養素の90%を吸収すると言われています。十二指腸+空腸+回腸の3つが小腸です。

盲腸

小腸と繋がっており、大腸の入り口部分です。何の役割もない、と言われていたりもしますが、盲腸の先端には「虫垂」がついていて、リンパ組織が集まり生体防御の働きをしています。

上行結腸

結腸の初めの部分で下行結腸とともに背中側に固定されています。ここでは送られてきた食べ物のかすがまだ水を含んだ状態ですが、その水分を吸収しています。

横行結腸

上行結腸と下行結腸を横に伸びて繋いでいる部分です。お腹の中では宙に浮いた状態になっています。上行結腸から送られてきた便をこねたり押しつぶして泥状にします。

下行結腸

肛門に近い部分で後腹膜に固定されています。ここでさらに水分が吸収され、便がだんだんと固形になっていきます。下行結腸は上行結腸よりも細く、深部にあると言われています。

大腸

全長1.5〜2mの長さで、主に水分を吸収する部分です。また、栄養吸収を終えた食物の残りかすを固形物にして外に排出するところです。盲腸・各結腸・直腸が大腸と呼ばれています。

S状結腸

アルファベットのSのようにくねっているので、S状結腸と呼ばれます。ここで便が固形になります。さらに便を一時的に留められる器官になり、一定量に達すると直腸に流れ込みます。

直腸

大腸の終着点。肛門とつながり外との交通をしている部分です。直腸にも便をためることができ、肛門括約筋という筋肉で、排便のタイミングをコントロールする機能があります。

腸は意思をもっている!?

腸は独自の命令伝達機能を持っている唯一の臓器であることが知られています。他の臓器は脳からの命令伝達で動いていますが、腸は自分の意思でどんな動きをするか決めているので、「考える臓器」「しゃべる臓器」とも呼ばれています。また、「腸は第二の脳」とも呼ばれ、神経を介して脳と繋がっているので、人間の感情と密接に関わっていることが多くの研究で判明しています。

腸の役割

食べた物は小腸や十二指腸で消化・吸収されて大腸に運ばれ、水分を吸収してから便として排泄されます。大腸には多くの腸内細菌が存在し、ホルモンバランスや免疫、精神、皮膚など健康に関わる重要な役割をしているのです。

腸の調子はいかが?腸活に重要な腸内細菌とは

腸には様々な機能がありますが、それを支えているのは「腸内細菌」。この細菌が働いてくれるから腸の機能が保たれていると言っても過言ではありません。

腸内フローラとは

腸の中に数百種類・約100兆個いると言われている腸内細菌ですが、その種類ごとに集団を形成しながら住み着いている様子がお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。「腸内細菌叢(そう)」ともいい、主には大腸に広がっています。ではこの大腸にどれくらいの細菌がいるかご存知でしょうか?人間の身体全体の常在細菌は2キロから2.5キロの重量があると言われ、そのうち大腸には半分以上の約1..5キロの細菌が存在しています。一つ一つは目に見えないほどの大きさの細菌ですが、「菌も積もれば山になる」といったところでしょうか。

腸内細菌のバランス

そんな腸内細菌ですが、大きく3つに分けることができます。体に良い働きをする「善玉菌」、体に悪い働きをする「悪玉菌」、そのどちらでもないが、優勢なほうの味方をする「日和見菌」です。この3種類の菌が理想的なバランスをとることで腸内の健康が保たれているのです。

汚い腸だとどうなるの?

汚い腸、つまりバランスが崩れて悪玉菌が優勢となってしまった腸では、どんなことが起こるのでしょうか。悪玉菌は腸内のタンパク質を腐敗させて有害物質を作ります。この有害物質が腸内の腐敗や肌荒れ、アレルギー、発がんの原因にもなると言われているやっかいなものです。便秘・下痢になりやすいだけでなく免疫などの低下も招きます。腐敗物質が腸から吸収されることで直接関係なさそうな肌荒れなどにも影響します。

キレイな腸

それでは、バランスが取れている善玉菌優勢の状態だとどうなるでしょうか。健康な便を出せるようになるので、便秘・下痢になりにくく、免疫細胞の半分以上が腸に生息しているため腸内細菌の働きを高めることで免疫力にも働きかけます。また、善玉菌が脂肪細胞にも働きかける短鎖脂肪酸を生み出しているのでダイエットにも良いと考えられています。このように、腸内フローラをキレイに保つことが私たちの健康にとっても重要なことなのです。

目指せ快腸生活!腸活のススメ

すっかり一般的な言葉として定着した「腸活」ですが、そもそも腸活とは簡単に言うと「腸内環境を整えて良好に保ちましょう」という活動のことです。現代人はストレスや、不規則な生活習慣、食物繊維不足など様々な要因によって、腸内環境の乱れを起こしやすいと言えます。ご自身の状態をチェックしながら早速腸活について見ていきましょう。

知って納得!腸を内からアプローチ

腸活の中で一番よく支持されているのが「腸に良い食生活」です。乳酸菌飲料や発酵食品から有用な菌を摂取し、合わせて善玉菌のエサとなる食品も摂取することを「シンバイオティクス」と言います。これを心がけていくことで腸内環境が良い状態に保たれやすくなります。また、朝起きたらすぐにコップ1杯(200〜300ml)の水を飲むと腸が刺激され腸の動きが活発になります。

食事に簡単プラス!継続が改善のカギ

朝食にヨーグルトを食べている方は、バナナ等をプラスしてみてください。夕食にきのこたっぷりのお味噌汁をいただくのも効果的です。これらの菌は腸内に定住することはないので毎日摂り、腸に補充し続けることが重要です。

食物繊維に注目!

食物繊維には2種類あり、腸内フローラを理想の比率に近づけるために有効です。水溶性食物繊維は腸内細菌の栄養(エサ)になり、不溶性食物繊維は、大腸を刺激して排便を促し、腸内の有害物質を吸着して、便と一緒に体外に排出してくれます。水溶性食物繊維では昆布、ひきわり納豆、ごぼうを、不溶性食物繊維ではしいたけや枝豆、栗を積極的に摂りましょう。

正しく実践!腸を外からアプローチ

下半身を動かしたり、腹部をひねったりする運動が適していて、自立神経のバランスを整え、腸の働きを促す効果が期待できます。いつ運動しても腸の機能を高める効果がありますが、お通じの時間帯である朝に行うとより効果的です。

腸もみで疲れた腸内をリセット

日常の家事や仕事の疲れで体に不調を感じる方も多いかと思いますが、実は腸も同じように疲弊します。そこでおすすめなのがお腹の上から手で腸を刺激する「腸もみ」。内臓なのに揉むことができるの?と驚く方もいらっしゃると思いますが、腸は大きな臓器のため体の外から刺激することができるのです。