台風に備えよう!

今から始める防災対策

夏から秋にかけて、多く発生する台風。豪雨や暴風によって、河川氾濫や土砂崩れ、浸水などの大きな被害を起こすこともあります。そこで台風発生の仕組みとリスクを知り、防災対策に役立てましょう。

台風の正体とは?

一般的に台風という名前で馴染みがありますが、その正体は熱帯低気圧のこと。台風は赤道付近の温かい海水が蒸発し、膨大な量の水蒸気となって、これを元に発生した強い低気圧。台風が北大西洋やカリブ海などで発生すると「ハリケーン」、北インド洋やベンガル湾のものは「サイクロン」と呼ばれます。発生地域によって呼び名は様々ですが同じ気象現象です。

気圧と台風の関係

気圧とは空気がものを押す力のこと。大気中で空気の濃いところは、空気が密集しているため気圧が高く、これを高気圧と呼びます。反対に低気圧は空気が薄いため、高気圧の方から空気が流れ込み、風が吹きます。そして、流れ込んできた空気同士がぶつかると、上向きの風(上昇気流)が発生。この時、大量の水蒸気を巻き込んで積乱雲を作り、大きな熱帯低気圧に発達すると台風になるのです。

1 リスクに備えよう

●ハザードマップはチェックした?

災害で危険な場所は、事前に示されていることをご存じですか?

ハザードマップとは災害が発生した時に,危険と思われる箇所や災害時の避難場所などを表示した地図。市区町村役場の窓口で入手することができる他、自治センターなどでも配布されていることがあります。まずはお住まいの地域のハザードマップを確認しましょう。

●自宅は低地? 浸水のリスク

周囲より低い、いわゆる「低地」も注意が必要です。川の水位が上昇すると低地は浸水しやすく危険に。川にある堤防や橋と、自宅の位置関係を確認しましょう。同じような高さにある場合は浸水に備えて避難経路を考えておくことが大切です。

「台風が上陸の可能性」とニュースが出たら。

台風接近の2~3日前。気象庁からの発表があったら、備蓄や防災グッズの再点検をしておきましょう。食料と水は最低3日分。懐中電灯や携帯ラジオが使えるかの点検も忘れずに。

また傘や物干し竿など飛ばされやすいものは室内に入れましょう。強風によって人や家屋に被害を与えるたり、停電の原因にもなりかねません。

2 動いて避難する

台風がまもなくやってくる。電車が止まった。雨風が強まって警報や避難情報が発表されたという時は、安全な場所へと非難することが大切です。

最新の情報をチェックしよう

まずは現状を知ることから。スマートフォンの防災アプリやテレビリモコンのdボタンを使って、積極的に情報収集することが避難の第一歩です。警戒レベルによって避難の指示も発令されますので気象庁や自治体が発表する最新の情報に注意しましょう。

「避難指示」が移動の合図

自治体から「避難指示」が出たら、その時が避難のタイミング。「まだ大丈夫」などと思わず速やかに行動しましょう。遅れてしまう前に、早めに動くことがポイントです。

「高齢者等避難」で早めの行動

避難に時間のかかる方は、警戒レベル3「高齢者等避難」の情報の時点で行動を始めましょう。高齢者等以外の方も近所に助けの必要な人がいないかどうか気を配ったり、避難の準備など自ら避難の判断をしたりしてください。

3 被害から身を守る

屋外は危険です

台風の最接近時には屋内に居るようにし、外出中の場合は速やかに建物の中に避難してください。雨風が激しくなってからの屋外行動は非常に危険。令和元年に西日本から東日本まで大災害となった台風19号の時には、被災者のうち約62%が屋外で被害にあっています。

「車移動」も危険

浸水した場所の運転は避けてください。水深が浅いから大丈夫だと思っていても、実は車は簡単に流されてしまいます。移動中に川に流されたり、道路の陥没に気づかず落下したりして事故になることも少なくありません。特にマイカーでの出勤や帰宅途中で被災している方も多いため、安全になるまでは無理に外に出ないようにしましょう。

水害は垂直避難

外に出るのが危険なときは、「2階以上で、斜面や崖から離れた部屋」に避難しましょう。浸水が始まると家具が浮いて、2階以上に移動するのが困難になります。過去の台風では2階建ての1階にいたために、水害に合ったケースも。また自宅のすぐ近くに頑丈な建物があれば、上の階に避難することも有効です。