えがおぶらり旅|名古屋編

今回のえがおぶらり旅は、日本のほぼ中心に位置し、中部地方の政治・経済・文化の中枢都市として栄える愛知県名古屋市です。最近では、その独特な歴史や食文化の魅力が国内外にも広まり、多くの人が観光に訪れています。

名古屋の人は喫茶店が好き!?モーニング文化の始まり

愛知・名古屋特有の食文化「なごやめし」。味噌カツ、手羽先、ひつまぶし、きしめん…などなど、挙げ始めたらキリがありませんよね。そこにもう1つ、名古屋に来たらこれは外せない!というもの、それが「モーニング」です。
モーニングとは、喫茶店でコーヒーを頼むとサンドイッチやゆで卵、サラダなどが無料で付いてくるサービスのこと。戦後間もない頃、機織りが盛んになり「ガチャマン景気」と呼ばれる時代が訪れます。その工場で働く人々が、機会の音に邪魔されないよう、商談や会議などの際に喫茶店を使っていたそうです。そこで気を利かせた喫茶店の店員が、コーヒーのおまけにピーナッツを出しました。これが名古屋のモーニング発祥だと言われています。そして、それを見た他の喫茶店がトーストを付け始め、他の喫茶店がゆで卵を付け始め…というように、お値打ち感が広がっていき、今のモーニングの形が出来上がりました。

名古屋の街を訪れると、喫茶店を多く見かけますよね。名古屋市の全飲食店に占める喫茶店の割合はなんと約40%。全国平均の約25%を大幅に上回っているのです。さらに、一世帯あたりが年間にかける喫茶代は、1万円を超えるとも言われています。それほどに、名古屋の人々にとって喫茶店は生活の一部となっていて、今もなお、くつろぎの空間として親しまれているのだそうです。

名古屋のシンボル、金のシャチホコの秘密

名古屋のランドマークとも言える「名古屋城」は、1612年に関ヶ原の戦いで勝利をおさめた徳川家康によって、豊臣家からの攻撃に備えるために築城されました。当時の最新技術を駆使し、日本初の国宝に指定された城としても有名です。しかし1945年、名古屋空襲により本丸のほとんどを焼失してしまいました。現在の天守は、1959年に再建されたものとなっていますが、その天守の両端にそびえ、金色に輝いているのが「金のシャチホコ」です。

シャチホコは、頭部が虎、体は魚の姿をした空想上の生き物です。建物が火事の際には水を噴き出して火を消す、と信じられていたことから、建物の守り神とされていました。また、金のシャチホコは当時の徳川家の権力・財力を誇るものでもありました。
そんな金のシャチホコですが、実は左右で少し違うという事は知っていましたか?北側が雄で南側が雌と決められていて、さらに高さや重さ、うろこの枚数までも違うのです。遠くから見てはっきりと見分けることはさすがに難しいかもしれませんが、この違いを知ったうえで、ぜひ一度見に行ってみてはいかがでしょうか。