日本人にとって何よりのご馳走!銀色に輝く新米

秋といえば、日本人にとってなくてはならないお米の収穫の時期。黄金に輝いた稲穂が揺れ、イナゴやカエルがイキイキと田んぼを跳ね回っています。収穫したてのお米は、まさに絶品。水分量も甘さも今だけの美味しさと言えるでしょう。そこで、さらにお米を美味しくいただくための豆知識をお届けします。

縄文時代から続く稲作の歴史

私たちが普段から当たり前のように食しているお米。主食としてはなくてはならないものとなっています。この歴史は縄文時代にまで遡ることをご存じでしょうか。約3000年前に中国から九州へと伝わった稲作技術は長い年月をかけて日本独自のものへと成長しました。最も古い水田として約2500年前のものが岡山県で発見されています。

日本でこれほどまでに稲作が広まった理由は、気候が合っていたから。雨が多く降る梅雨と雨が少なく暑い夏がはっきり分かれており、これがお米の成長を促します。タイやインドネシアなど、世界的にお米の生産量が多い地域に共通するポイントです。

甘みも粘りも千差万別。日本のお米の品種

日本で作付けされている品種は、実は300種以上。寒さや病気への抵抗力、育てやすさ、そして粘りや甘みなどの味。稲作が始まってからいくつもの品種が作られ、それぞれ特徴あるお米が誕生してきました。誰でも知っている品種の代表といえば「コシヒカリ」や「あきたこまち」ではないでしょうか。

これらの元をたどっていくと、明治時代に作られていた「旭」と「亀の尾」という2種に行き着きます。この現代のお米の原種とも言える2つは、今でも食用として作付けされている他、日本酒の醸造にも用いられており、古くから伝わる美味しいお米として根強い人気があります。

新米の美味しさを引き出すには?

昔と比べ精米技術が格段に進歩したため、ヌカを落とすためにゴシゴシと擦り合わせるような研ぎ方は必要ありません。たっぷりの水を2〜3回替えて、ササッと洗えば充分に汚れは落ちます。水が完全に透明になるまで洗ってしまうと、お米の旨味がなくなってしまうので注意が必要。

そして新米の美味しさを存分に引き出したいなら、必ず吸水をしましょう。1時間ほど水に浸けたままにしておくと、炊きあがりのふっくら加減に大きな差が出ます。また、せっかくの新米、精米した後もできるだけ美味しさを維持したいもの。そこで保存方法にもこだわってみてはいかがでしょうか。

保存容器として適しているのがペットボトルです。キャップでしっかりと密閉して、冷蔵庫の野菜室に保存しておけば、温度も湿度も一定に保たれ、味が落ちにくくなります。一緒に鷹の爪を入れると防虫効果もあります。

ちょっとの工夫で新米の品質が格段に長続きします。お米は日本人の心。いつも笑顔で美味しくいただけるよう、皆様もぜひ試してみてください。

【お米雑学】新米・古米・古々々米??

新米と古米の定義は曖昧で、明確に定められたものはありません。ただ、お米の品質は梅雨に大きく変化するため、梅雨明けに古米とされることが多いようです。また、前々年に収穫されたお米を古々米と呼び、収穫年度が古くなるに連れ「古」が増えていきます。5年前の古米は古々々々々米と呼ぶことも。

品種別の「美味しさ」の特徴

代表的なお米の品種と、その特徴をご紹介。ご自身の好みに合ったお米を見つけてください。

  • コシヒカリ
    日本の作付け比率の約30%を占める品種。味・香り・粘りなど、どれをとっても日本人好みとされています。
  • あきたこまち
    秋田のオリジナル品種として開発されたお米。もち米のような粘りが特徴です。
  • つや姫
    コシヒカリ以上の甘み・旨味と評価されることもある品種。艷やかで粒が揃っています。
  • ササニシキ
    小粒であっさりとした食感が特徴。和食全般と相性がよく、コシヒカリと並んで王道とされています。
  • ひとめぼれ
    コシヒカリを改良して誕生。ややあっさりめで、冷めても美味しいお米として人気です。
  • ミルキークイーン
    農林水産省が推進したスーパーライス計画によって生まれたお米。もちもちとした食感が特徴です。
  • 日本晴
    コシヒカリが登場するまで圧倒的なシェアを獲得していた品種。お寿司などに向いています。
  • ゆめぴりか
    北海道のお米で初めて特Aランクを獲得し、飛行機のファーストクラスなどにも採用されています。
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