気になる夏の紫外線…どうして日焼けするの?

夏になるとジリジリ照りつける太陽の紫外線が気になるものです。そもそも、紫外線とはどのようなものなのでしょうか。

日焼けの原因

日焼けの主な原因は、太陽光線に含まれる紫外線です。太陽光線は、5%が紫外線、50%が可視光線、残りが赤外線でできています。紫外線は目に見えないのでまぶしさも熱さも感じません。浴びている実感がないうちに、うっかり日焼けすることも起こります。

肌老化の多くの要因は、紫外線によるものとも言われています。

そんな紫外線は、波長の長さによってUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)、UVC(紫外線C波)の3種類に分けられます。このうちUVCは波長が短いため地表まで届かず、地上にいる私たちの肌にはダメージがありません。肌の日焼けの原因となるのがUVAとUVBなのです。

UVA(紫外線A波)

地表に届く紫外線のうち約90%がUVAです。波長が長く、雲やガラス、衣類も通過する性質をもっています。エネルギーは弱いので、浴びている実感はほとんどありません。

しかし、曇りの日や室内でも常に身近に存在します。そのため「生活紫外線」とも呼ばれます。皮膚の表皮を通過して真皮まで到達し、シミやシワ、たるみの原因となります。

UVB(紫外線B波)

UVBは波長が短く、エネルギーが大変強いのが特徴です。肌の表面の細胞を傷つけ。炎症を引き起こします。日焼けした肌が赤くなってヒリヒリしたり、皮膚がんの要因になることも。雲などで遮られやすく、皮膚でも真皮の深いところまではほとんど到達しません。

日焼けのしくみ

日焼けは医学的に言えば、「日光皮膚炎」という太陽光によるやけどです。これは紫外線によって皮膚が刺激を受けて起こるもので、肌にとってはストレスの原因でもあります。

紫外線を浴びた肌の内部では、メラニンが大量に作られます。黒い色素で紫外線を吸収して、真皮への侵入を防ぎ、ダメージから肌細胞を保護する。これが日焼けの仕組みです。

サンタンとサンバーン

実は日焼けには「サンタン」と「サンバーン」という2種類があります。サンタンは主にUVAによる日焼けで、痛みはありませんがメラニン生成され皮膚が黒くなります。皮膚のターンオーバーとともに数カ月で肌の色は戻りますが、サンタンを繰り返すとメラニン色素が沈着して褐色肌になる場合もあります。

サンバーンは主にUVBによる日焼けで、一般的に日光を浴びた4~5時間後から皮膚が赤くなり始めます。約1日後には痛みと刺激が強まり、皮膚が炎症を起こす状態を指します。細胞を損傷して火傷をしたように赤く腫れ、ひどい場合は水ぶくれができます。

ほどよい日光浴で健康に

太陽の光は悪いだけではありません。太陽の光を浴びれば清々しい気持ちにもなりますし、体内のビタミンDの合成を促進し、カルシウムの吸収を助けるため、骨が強くなるなどの良い点ももちろんあります。ですから少々の日光浴は健康にとって大切なものです。短時間の日光でも十分なビタミンDが生成されます。日焼け対策をして健康のために適度な日光浴を心がけましょう。

お肌の大敵!シミのメカニズム

①メラニン生成

紫外線が表皮に入り込むと、肌を傷つける活性酸素が発生します。肌をダメージから守るためメラノサイトという色素細胞が信号を送り、メラニンという色素を生成し細胞内に蓄積します。メラニンが細胞に溜まり、これによって肌の細胞核を守ります。

②肌のターンオーバー

表皮の最下層で生まれた表皮細胞が、徐々に上に押し上げられていきます。この時メラニンも細胞とともに押し上げられるため、日焼けすると皮膚がだんだん黒くなったように見えるのです。

③大量のメラニンが蓄積

肌は紫外線に長時間さらされると、メラノサイトの数が増え、メラニンを活発に生成します。
肌のターンオーバーが乱れると、生成されたメラニンが肌に滞留します。この滞留したメラニンがシミの原因になるのです。

日焼け止めが効く理由

夏になると店頭に並ぶ日焼け止め。どうして日焼けを抑えることができるのでしょうか。

まず、日焼け予防の対策は紫外線を予防することが基本です。日焼け止めの成分には、大きく分けて紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2つがあります。吸収剤は紫外線のエネルギーを吸収し、化学反応によって紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぎます。散乱剤には酸化チタンや酸化亜鉛など紫外線を跳ね返す成分が含まれており、紫外線を散乱、反射させて体に届く前に防ぐのです。

また、日焼け止めは朝たっぷり塗れば安心ではありません。汗をかけば落ちてしまいますので、紫外線が強い日や汗をかいた時は塗り直しをおすすめします。