寒い日に食べれば体を芯から温めてくれるお粥。いつから食べられ始めたのかご存じでしょうか?まずお粥の起源である中国では、6000年も昔から愛されていたとも言われています。一方、日本はお米が渡来してからなので約紀元前1世紀頃から。お米の調理法は「蒸す」「煮る」の二択であり、蒸したものが「おこわ」。
そして煮たものを「お粥」としていました。つまり現代でいうところの「ご飯」です。お粥が今のカタチになったのは平安時代。「ひめがゆ」や「しるがゆ」というお粥が文献にも登場するようになります。そのため今のお粥の歴史は約1000年ほど。また、この頃はお米ではなく粟やひえ、麦などもお粥にして食べられていたそう。
江戸時代になるとお粥は病気の人に適した食事として定着するようになります。民俗学的にもお粥はめでたい食事として重要な意味を持っています。お米は神様からの贈り物でもあり、その年の豊区を占うためにもお粥は用いられていたそうです。

胃の調子がイマイチな時にも食べたくなるお粥。一緒に入れるもので最もおススメなのが梅干しです。クエン酸やリンゴ酸が消化の働きを助けるとともに豊富なポリフェノールが食堂や胃を炎症から守ってくれます。
新年の定番!1月7日は…
無病息災を願う七草粥

1月7日は人日(じんじつ)の節句とされ、無病息災を願う風習があります。もともとは中国の節句の一つで、7つの野菜が入った汁物を食べるという習わしでした。これが日本の文化である「若菜摘み」と合わせって七草粥になったと考えられています。もちろん無病息災への願いも込められていますが、それ以外にもお正月に暴食をし過ぎて疲れてしまった胃腸を休ませるという意味もあります。
寒い日のお粥は温熱性の食材を入れよう
寒い日は薬膳で言われる温熱性の食材を一緒に入れるのがおすすめ。逆に寒涼性の食材は体を冷やしてしまうことがあるため美味しそうでも避けるようにしましょう。




常識がくつがえる!!
お粥を食べる時こそよく噛むべき理由
風邪をひいて食欲がない時に、エネルギー補給としてお粥は最適!!なんて聞いたことがある人も多いことでしょう。ただし、これは「よく噛む」ことが前提です。「お粥なのに…?」と思うかもしれませんが、唾液にはデンプンを分解する酵素が含まれています。お粥はスルッと飲み込めてしまうため噛むことが少ない食品ですが、そうするとしっかりとぶどう糖に変換できず、胃に負担をかけることになってしまいます。ちなみに下記が三大栄養素を分解する酵素。実はお米は胃で分解されにくい食品なのです。だからこそしっかり噛んで唾液でお米を分解して、エネルギーを効率的に補給してください。

冷え対策にお米の力!
日本酒に含まれる血行促進成分

さて、寒い日と言えば「熱燗できゅ~っと一杯」が恋しい人もいらっしゃることでしょう。実はお酒にも「体を冷やすもの」と「体を温めるもの」があることをご存じでしょうか。
まず体を冷やしやすいお酒の代表がビール。原材料の麦自体は涼性の食材として分類されることもあります。これが暑い夏に飲むと美味しい理由ですね。

体を温めたいならおつまみにもひと工夫を。ナッツ類やレーズン、ぬか漬けは体を温める働きがあるとされています。
では「体を温めるお酒は?」と言えば、やはり代表は日本酒です。製造工程に含まれる「アデノシン」という成分には血管収縮を妨げる働きがあり、血行がスムーズな状態をキープしてくれるとされています。また最近流行のホット赤ワイン。体も温まりポリフェノールも同時に摂取することができます。

ちなみに初詣の時、参拝の行列に並んで冷え切った体を温めてくれる甘酒もオススメです。発酵によってお米が分解されているので、飲む点滴といわれるほどエネルギーになりやすいスーパーフード。原料に米麹が用いられているものはアルコールが含まれていないため、お子様や妊娠中の方でも安心して飲めるのもうれしいポイントですね。